オッパイ星人がくるぞ
わが家は女系家族である。
私は三姉妹の末っ子として育ち、そして私もまた三姉妹を産み育てている。
そうするとね、
とりあえず生理用品はたくさんいる。
トイレットペーパーの消費も早いのなんの。
でね、
洗濯をするとポロっと出てくるの、アレが。
まるいペラいアレ。
ブラの中にあるパット。そう、アレ。
スポーツブラにはまあるいパット。ワイヤー入りの可愛いやつには、ジェル入りのアーモンド型、柔らかさもそれぞれに入っていて。
洗濯するとね、出てくる。
とくにスポーツブラなんてジャブジャブ洗われるもんだから、出てきちゃってる。
で、ピンチに挟んで干すのだけれども。
乾いて畳むときに、ブラへ元通りに収めるのだけれども。
オッパイ星人が来るの。
黒いモフモフの、長いシッポの、すばしっこいあいつ。
ナォーーーン!
いや、ナォーンじゃねぇよ。
持ってかないで、そのパットをさ。
まん丸の目をして、まるでネズミかなんかを見つけたみたいに、戦闘態勢をとったりなんかして、物陰から見てる。
そして、突然
ササッ!! と、飛びかかる。
「オッパイじゃ!!」とばかりに。
そして散々、蹴り飛ばし、前足でこねくり回し、フーフー言いながら咥えている。
なんなら、猫背で咥えたまま階段を降り、
「おやびん、持ってきやしたぜ」
くらいのしたり顔で、夫へ捧げるのである。
「いや、いらんけどもやな」
オッパイ星人には、同じ星出身かどうかがわかるのである。
こうして、黒いモフモフのオッパイ星人に拉致られたペールオレンジの偽オッパイは、まるでニコイチのように寄り添って過ごしていた片割れと、離ればなれにさせられ…
散々いたぶられた挙げ句、
ぽつねん…
と、突然、飽きられ、一人置き去りにされてしまうのである。
ナォーーーン!
気をつけろ。
今もまたあいつが狙っている…。
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