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"まあ。セレプロなので。"#18 チアーズはかく語りき(舞台「『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』THE STAGE」 編)

最近立て続けにイケメンがたくさん出てる舞台を観たので思考がどんどん乙女化している気がします。皆さんこんにチアーズ!

荒井 瑠里さんが池袋サンシャイン劇場にて開催された舞台「『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…』THE STAGE」(6/30~7/5で計10公演)に出演されたということでお疲れさまでした!

ここのところ笑えないレベルでの猛暑日が続いていたので、屋内での催事とはいえ無事に全公演が終わって本当によかったです。かくいう自分もこの日は千代田区→豊島区の移動だけで死にそうになってました…。

そんな私は7/2のソワレ公演(シリウスルート)を観劇しましたので今回はそちらの感想記事になります。

※舞台のネタバレ(ついでにはめフラ自体のネタバレ)がありますのでご注意をば。

1.参加イベント概要

・イベント名
乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった...THE STAGE
・開催日時
2022-07-02 (土) 17:00~19:40頃
・開催場所
サンシャイン劇場(東京都)
・出演者(順不同、敬称略)
太田夢莉、TAKA(CUBERS)、三浦海里、安里勇哉、市川慶一郎、小泉萌香、髙橋果鈴、本西彩希帆、椎名鯛造、中西彩加、春咲暖、荒井瑠里、井坂茜、石田彩夏、市原実紗、鮫嶋樹、杉尾優香、成田裕也、溝口雄大、森田陽大、好岡瞳、渡来美友
・syuの位置
15列目中央指定席
・備考
原作小説や派生メディアミックス作品を全く知らない完全初見です。

2.本編感想

①あらすじというか何というか

原作があるなら事前にあらすじだけでもチェックしておこうかなと思ったのですが、そもそもタイトルがそのままあらすじになってますよねという作品だったのでまっさらな知識で臨むことにしました。あえてね。

世界観としてはオタクな女子高生だった主人公が事故で死亡してしまったもののファンタジー系乙女ゲームである「FORTUNE LOVER」の登場人物(カタリナ)として転生し、自分が悪役令嬢として破滅してしまう未来を変えるためあれこれ奮闘する…というもの。腐女子だったらBLゲーに転生してたのだろうか?
まあその割に隙あらば畑を耕してましたけど…。乙女ゲームっていうか全方位受け農業ゲーム?

私自身は恋愛ゲームをやらないので細かいシステムやらノリはよくわからないのですが、一般的なゲーム知識があればほとんどの用語は理解できると思います。「フラグ」とか「魔法」とか「属性」とか。ゲーム脳なので「光属性あるなら闇属性もあるっしょ」と思ってたら図らずも当たってしまいましたが…。

そんなゲームの世界を下敷きにしているので舞台上の演出もなかなか凝った作りになっていましたね。回想シーンや想像シーンを大きな額縁のセットを使うことで舞台上の時間軸を視覚的に『切り分け』ていたり、ステージの両脇にデジタル文字を投影したりと見るべきところがたくさんあって視線が忙しかったです。

②荒井さんは演じたい

本作に荒井さんが出演するという一報を知った時まず思ったのは「アンサンブルって何ぞや??」ということでした。
お恥ずかしながら舞台劇の知識が無いので改めて調べたところ『演劇やミュージカルで、役名のない登場人物のこと』ということだったので「もしかしてすごい出番が少なかったりするのだろうか…絶対見逃さないようにしないと!」と意気込んで観劇に臨んだわけです。

結果的にその心配は杞憂に終わり、荒井さんは主に「カタリナファイブ」と呼ばれるカタリナの脳内で繰り広げられる人格会議メンバー(「かぐや様は告らせたい」とか「魔女の旅々」でもやってたアレ)を演じていました。決してウタヒメファイブではない。主人公のCVまれいたそだけど。

カタリナが破滅フラグを回避するため事あるごとにポンコツな策略を巡らせるわけですが、都度カタリナファイブが出てきてコミカルに状況を説明してくれるので楽しく物語を理解することができました。5人の息の合った演技は作品のマスコット的な存在と言っていいと思います。カタリナが大変な時のんきにサマーバカンスしちゃってたのは普通に笑ってしまいました。

荒井さん演じる真面目カタリナはその名のとおりカタリナの真面目さを司る委員長タイプの人格で常に的確な意見を述べるものの、主人格の性格を反映しているのか子供っぽい振る舞いのギャップが可愛らしかったですね。「異議なし!ふんっ!」

他の役としては魔法学校の生徒である貴族令嬢や、ソフィアの回想で彼女へ陰口を言う女性(声のみ)などでした。
貴族令嬢はホラー的演出に一役買っていましたし声での演技もさすがの存在感を発揮していました。終盤アンサンブルキャストが各キャラの心境を代弁するシーンは荒井さん含め迫真の迫力でしたね。

OPとEDでは相変わらずのキレッキレなダンスも披露してくれましたので総合的に見て荒井さんファンとしては予想以上の満足度と言える作品でした。
毎日のtweetも楽しそうな座組の雰囲気が伝わってきて嬉しい気持ちになりました。サイゼでめいっぱいご飯食べてくださいね。

③注目キャストの方々

・太田 夢莉さん(カタリナ・クラエス役)
間違いなく本作のMVP。ほぼカタリナを主軸とした場面構成になっているので出番・台詞量ともに群を抜いて多かったですが徹頭徹尾「人たらしなカタリナ」を演じ切っていたと思います。マリアルートはまだですか?
カタリナがシリウス、改めラファエルの憎悪や絶望を救えたのは彼女にとって特別なことではなく「普通のこと」だったのかもしれません。それはキースの孤独やソフィアのコンプレックスに手を差し伸べたのと何も変わらないように見えたからです。
太田さん演じるカタリナは裏表無い純粋さと真摯さを炸裂させたエネルギッシュなキャラクターでした!土ぼこ魔法使ってみたい!

・春咲 暖さん(佐々木 敦子役)
私的にはアサルトリリィの舞台やアプリゲームでお馴染みの春咲さん。
「あっちゃんとソフィアって何となく容姿も声も似せてないか…?」と思っていたらまさかの同一人物(ということでいいのかな?)。
主人公(カタリナ転生前)のことを親友としてどれだけ深く想っていたかその独白で痛いほど伝わってきましたし、その想いが次元すら超えてカタリナの前に顕現したというのは本当にドラマチックですね。
スペシャルカーテンコールで話していた原作ファンっぷりも面白かったです。(事務所絡みで荒井さんとセレプロのこと話してくれてたそうで嬉しい!!)

三浦 海里さん(キース・クラエス役)
キースとカタリナが義姉弟だということを最初知らなかったので「禁断の関係か…?!」とドギマギしてしまったのですが徐々に関係性が明示されたことでキースがジオルドに突っかかるところなど応援したくなりました。
その様子もいちいち笑いを誘うししまいには客席に向かってカタリナの行方を尋ねてみたり…とフリーダムなキャラでしたね。キースのなよっとした優男風な佇まいも三浦さんの容姿と相まってとても自然でしたし、一途に、時に滑稽に見えるほど愚直に義姉を慕う姿にときめいた女性ファンも多かったのではないでしょうか。

④全体総評

ルート表示がされるシーンを基準に大きく前半と後半で分かれていたと思うのですが、前後半で物語のスピード感が全く異なるので基本的には原作もしくはアニメを知っていることが前提の作りになっているかなあと思います。

具体的には前半で世界観とカタリナを中心とした人間関係の説明を行い、後半でシリウスの策謀が展開されます。当然ながら後半で怒涛のネタバレやらキャラの掘り下げが行われるので、ひたすらに明るい前半との落差に戸惑う部分もありましたね。味付け程度だと思っていた魔法の属性設定がダークファンタジー要素の呼び水になっていましたし。

とはいえ限られた尺の中でも満遍なく主要人物の見せ場がありましたし、各キャスト・各キャラのファンも満足できる作品だったと思います。しかも5ルート展開でしたから複数回見た人はなおさら楽しめたでしょう。自分が見たシリウスルート以外のエンドはどんなだったのか気になりますね~。

荒井さんをきっかけに素敵な作品に出会えたので、私も来年公開されるらしい劇場版アニメに向けてアニメシリーズを履修してみようかなと思っています!乙女の~ルートは~ひとつじゃない~♪♪


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