syozjiy

楽しいロー後を送るはずが 思ってもみないことが起こり 老いてなお想い悩む老耄であります。

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夕暮れオイカワ

昨日の夕暮れは美しかった。いつぞやの山暮らしの、暑い夏の日の夕景に向かって跳ねるオイカワのことを思い出した。 夏休み、暑くて家の中に居られないと、筵一畳背中に結いつけ、読みかけの本を一冊持って、家の近く 岐阜県加茂郡白川町黒川 春日神社、今では佐久田神社と云うらしいがその鎮守の森のご神木の日陰の根元に行く夏休みの日常であったが、もって生まれた多動で、幾らも頁をめくるでもなく昼寝をし、午後には鱒淵川の瀬にてんから釣りをしに行ったりする。 夏も盛りになると鮎が、勢いの瀬をナワ

    • 母の行商

      不意にみたNETの写真で 外国の方が浅草へ行った 思い出写真のなかに 片足だけの草履 お土産のい草の あかい鼻緒に値札は ¥4、400 片方だけなら半分か おもいだしたこと母の行商 田舎の靴屋で 革靴など売れもしないこと わかっていたはず 誰の入れ知恵だったのか 閑古鳥のお店をたたんで とうとう唐草の大風呂敷に 下駄や草履や足袋や鼻緒 それらの修理金具紐 千枚通し大小 麦ご飯に梅干しだけの アルマイトの弁当箱 ぜんぶ包み込んで 僕を連れて山路を歩いた それで心臓を痛めた

      • 縄文のもんです

        「おまえ、どこのもんだ」 「はい、多分、縄文のもんです……」 時々、僕という生き物のDNA構成について深く知りたいとおもうことがある。 最近、日本の何処かの大学研究室が、縄文人骨DNA解析に成功したというではないか。 アフリカから西欧組と別れインド洋伝いにアジアに移動し、海水面上昇で取り残され列島に辿り着き、生き残った。 世界で最も古いホモサピエンスが、1万5千年間も、世界から隔離され安定し調和した文化を繁栄させたという、驚くべき平安な縄文時代を解き明かそうとしている。

        • シェインマガウアン逝く

          元ポーグスのシェイン・マガウアンが逝ってしまった。 なぜこんなに哀しいのかわからない。 ストレイトで飾りなく、勝ち上がれない大多数の若者の心をしゃがれて歌った。 けして褒められはしない彼の生き方もオリジン。 誰も真似できない彼の人生を貫いた。 好きなミュージシャンだった。 ゆっくりお休みなさい。 #大場章三 #The Pogues #fairytale-of-new-york

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        夕暮れオイカワ

          けん太と頼子

          けん太と頼子 ゆきづりの交差点 薄汚れたLivestock carrier 赤信号から視線を落とすと 錆びた鉄柵の内の荷台に けん太と頼子 哀しい眼 ぶくぶく脂肪で 太っちょのボデーに 静岡県育ち肉牛と 自慢げに スタンプされて なんか 残酷 眼を合わせてくるんだよぉ Xmasも近いというに なにか ものかなし 年の暮れの 老耄の 冬の戯言 咄嗟に名前をつけたんだ けんた、と、よりこ、 ステーキ屋の人御免なさい #大場章三 #Livestock carri

          けん太と頼子

          私たちはほんとに元気だ❗️

          2023年11月19日 4年ぶり、我が男声合唱団ハウリングコールは磐田市民合唱祭に出演を果たした。 新しいホール'かたりあ'は 天井高く僕らの演奏を助けてくれた。とても気持ちよく楽しく歌えた。 いつも快くご後援下さる 社会福祉法人シオン会の佐々木理事長ご夫妻に感謝申し上げます。 ご指導いただいたピアニストの鈴木幸子先生、指揮の鈴木悦夫先生 ありがとうございました。 思えばこのコロナ禍、僕らは3人ものメンバーが鬼籍に入られるという危機を迎えた。なんとしても先立たれた盟友方の

          私たちはほんとに元気だ❗️

          あきこと章三

          くるしくない 独りがいやだと 云うあきこ 七月三十日 深夜差し出したあきこの手を握る。うっとりと見つめ眠られんだけだよ 大丈夫行きない 僕は言葉に甘えて(このときなぜ「いや❗️今夜はあきこの天秤の方が重く傾いている」側を離れるのはよそう)とならないのか。 あきこのもとをはなれ 夜警に出かけてしまった 七月三十一日 朝になって帰ると 皆に囲まれまんざらでも無さげ どぉしたのお母さん けさがた、起き上がるちからが 無くなったようだ 飲み物しか要らない あれだけ食べるのが好き

          あきこと章三

          信号待ちの物語

          雨あがりの信号待ち。 まだ動いたワイパァ越しに、 覚束ない飛行で堕ちそうに浮遊する蝶羽が、目に留まった。 なんという蝶かは知らない。 きっと完全変態を成しとげたばかり。 ああ あぶない。 ワイパァに一瞬潰されそうな危険を察知して、あるだけの力で(ほんとにそう思えた)必死に浮いて道路の反対側の植え込みに羽根をやすめた。 それをみとめて少しうれしかった。 束の間の取るに足りぬ出来事に、小さな喜びを感じうる、自分はまだ正気でいられるんだ。  なんて思うよ。 でも蟷螂なんぞの夕

          信号待ちの物語

          一度死んで生きかえった

          寒さに震え知らない部屋でうたた寝していると、美しい娘が乱れた掛け布団をそっと掛け直して僕をみつめ微笑んでいた。ああ、洋子ちゃんだ。 僕はよい気分で抱擁しようとしたら、ふわりと体が浮きあがりすり替わるように、ゆっくり螺旋を描きながら高い天井に向かって昇ってゆく。ううんこれは、まさかと思い下をみると安らかな寝姿の僕がいた。 眺めが一変した。そしてそこはすべてがシルバートーンの砂漠のような丘に立っていた。 やさしい風の音が聴こえる。地表には何もなく空、そう見あげた空らしい宙は

          一度死んで生きかえった

          野神

          午後になり一気に穏やかに吹く南風が、僕を山の坂道へと誘った。何億年もひとつのピークを遺していた山は撤去されようとしている。異星人ボットのような油圧ショベルが、ティオティワカン風の美しい台形をも壊し、その洪積の地層のヒダをめくる。 蟠りも怒りもない。これがヒトのやることであり、ひとのこの惑星の歴史である。 僕の生まれた故郷の、母の生家のまん前の田んぼの真ん中に、大岩様と呼ぶ巨石があった。僕の記憶の始まりからそこは僕の拠り所であり一番好きな遊び場であった。西側斜面からなだらか

          死の辺の夢

          通い慣れた高速道路を運転していたと思います。突然前方が塞がった気がして左の斜面に乗り上げて車を止めました。 衝撃は斜面に突っ込んで少し揺れただけですから、車外に出て少し歩くと、何やら景色がぼんやりと霧がかったようになり色がありません。しかし車外に出るのもドアを開け閉めした感覚もなく、歩くと言っても浮遊している感覚で、おかしいなあと思いました。 あちこちに車の破片が散らかり、ミルク色の何かの塊になってボヤけてみているものは僕の車でした。僕に痛みはないしおかしいなとおもうと僕

          死の辺の夢

          最後の新嘗祭 烏帽子を忘れた宮司さま

          12月25日昨日までの極寒緩む朝8時鎮守八雲神社境内、前日までの強風の落ち葉の掃き浄めは途方に暮れるほど、切りが無かった。そして本殿の床拭浄め、総代代表と副代表は、本日必要な榊、紙垂の作成、総代会計と、新米総代の僕はお供えする神饌のための皿、酒器など選定し、洗浄。 神人供食の思想を基に、本年最後の神事のための神饌は、御洗米、御籾米、御塩水、御餅、御神酒、野菜、魚真鯛、海産、果物、菓子、昨年の記録写真などを参考に戸惑いながらも九基の三宝に敷紙の折り目も間違えぬよう、慎重に盛り

          最後の新嘗祭 烏帽子を忘れた宮司さま

          12月23日夕塗れ和らぎの湯ベツレヘムの星

          夕刻4時義母に叩き起こされ、夢から覚めた赤ん坊のように喚いた。そうか今朝は夜勤明け、昨夜の寒風歩行の疲れも癒えぬまま義母を定期検診にクリニックへ連れて行ったのだった。 義母は快調で投薬を減らすと主治医。あたりまえだ。僕も肝臓糖尿、赤点は無し2ヶ月続きの合格点を頂いた。(実は先月いただいたお薬は一服も飲んでいない)先生には云っていないから投薬止めるとは云ってくださらない。(軍の秘密である) で、薬局が混雑し午後4時に授かりにいくことになっておったのである。  袋いっぱいお薬

          12月23日夕塗れ和らぎの湯ベツレヘムの星

          Voyagerくん

          エンケンを知っているかな60年代後半彗星のように現れた謳うエイリアンだ。カレーライスは有名だけど珠玉の名作を幾つも遺したんだよ。凡人が書き得ない異次元の視点をもったアーチストだったね。 https://youtu.be/GKt7HeP4mng 彼ほど日本のART界に影響を与えた人物、いや、もといエイリアン、はいないと思うよ。僕は、佐久間正英と作ったアルバムがベストかなと思う。大滝、細野、松本、鈴木、レジェンド皆んな彼が好きだったし、横尾忠則のアルバムアートワークも素晴らし

          Voyagerくん

          YANG陽と YIN陰の珈琲

          知人が送ってくださった嬉しいオリジナルブレンド焙煎の珈琲豆の小包が届いた。 ニヤリと開封する自分がキモいが 浅煎り深煎り それぞれの焙煎豆。 珈琲豆の厚紙袋って 何故こんな魅力的なんだろ 外から手触って豆の感触を確認する 越前屋のやうに 久しぶりに挽かねばならぬ (昔ながらの手挽💦) だがこの愉しみは至福なり 先ず陰の深煎りから 僕は珈琲屋で両方試す時は必ずFrenchからである。 ハンドルの心地よい手応え 今宵は全てを挽かない 先ずカップ一杯分だ 残分は少し寝かせて

          YANG陽と YIN陰の珈琲

          初秋のおもい

          和らぎ温泉の露天風呂 石組みの庭のその大石の上で20分ほど浸かったほてりを冷ましながら青い空を眺めている。 ウィークデーの朝は誰もおりません。 この気分は格別なものなんです。 わがままな自分を離脱して煩わしさを祓い去って この世界の美しさを想ったり生きてる意味を考えたり幼きあの日を懐かしんだり こんな青い空、あの子にあるだろか こんな思い、ウチのニィトにあるだろか おなじでなくてもいいんだ ただ感じてほしいんだよ ここに生まれ生きてゐるなら ふっと息ついたら 心地よ

          初秋のおもい