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#2 『香来 中央市場店』 のしじみラーメン、1日の始まりの一杯(食べるふたり第4回)

アヤモさん

外に出ると肌に当たる空気が冷たく冬の訪れを感じる時期になりました。こういった季節には暖かいものを食べたいです。
アヤモさんは夜勤をすることがあるということで、思い出すのは私の両親も夜勤をしていた時期があったことです。その時には、アヤモさんと同じように夜勤終わりの食事を朝にとっていたのではないか、と感じました。店内で同じ時間帯でも1日の始まりと終わりが交差しているという話は素敵で、夜勤を終えて嬉しそうに定食とビールを食べるアヤモさんを思い浮かべるとこちらも嬉しくなります。そして、まるで宝石のようなツヤツヤしたトマトの酢漬けはぜひ私も食してみたいと思います。

市場といえば京都にもまちの台所と呼ばれるまちの人々のお腹を支えている京都市中央卸売市場があります。京都市中央卸売市場は京都市下京区の嶋原という地域の近くに位置しています。嶋原は京都にいくつかあった花街のひとつで石畳の道や茶屋と呼ばれる木造の立派なお屋敷のような建物や、大門が現存しています。嶋原の大門を西に抜け進むとトラックやターレが行き交う賑やかな音が聞こえてきます。特に早朝にはターレにのった人々が忙しそうに道を行き交い、生鮮食品を運搬しています。そんな、京都に住む人々のお腹を支える卸売市場で働く人々のお腹を支えるお店があります。
今回は、早朝から空いているラーメン店『香来 中央市場店』を紹介したいと思います。

『香来』は京都中央卸売市場の商店通りにあるラーメン店です。この通りには雑貨や生鮮食品、食器など売っている店が並んでいます。
『香来』には名物のトロ肉チャーシューメンや台湾まぜそばなどいくつかの種類のラーメンがあります。お店にはおすすめのメニューとして絵面もわかるようにチャーシューメンやまぜそばが美味しそうに掲示されています。他にも手元のメニュー表には別種類のものや定食メニューなどがあります。
その中でも私が好んで食べるのはしじみラーメンです。そもそも朝からラーメンなんてとか、なんでこってりのものを食べないのかとか思われるかもしれませんが、朝これから1日の活動が始まる時間帯に食べるものとして私にとってしじみラーメンはとてもちょうどいいのです。味は薄いとおもうなかれ、しっかりと濃い魚介ベースのつゆの味がついていて、しじみの磯の香りや染み出た味がとても美味しいのです。しかも、ちんげんさいが1枚まるまるきれいにお皿の中に納まっているのです。これは、野菜から魚介まで取り扱う卸売市場ならではのコンビネーションが発揮されている、、!と感心しました。また、細い麺だからこそするっと口の中に入ってきて磯の香りが口の中に広がります。薄すぎずこってりしすぎず朝の味噌汁をすするかのように胃に温かみをもたらしてくれる1品なんです。
『香来』に初めて行ったのは早朝に食べることができるお店はないか探したことがきっかけでした。その後、インターネットで調べてみると朝にラーメンを食す「朝ラー」の文化があることを知ったのです。私にとってラーメンは仕事の終わりやお酒を飲んだ後の締めに食べるものとして終わりの一杯というイメージが強かったのですが、1日の始まりの一杯があることに感心したのを覚えています。初めてお店に訪れた時は、朝からラーメンを食べても良い、濃いものを食べてもいいのだ、と解放的な感覚でした。
アヤモさんが京都に来られる機会がありましたらぜひ、1日の始まりの一杯を堪能していただきたいと思います。トロ肉チャーシューメンあるいはまぜそばをがっついているアヤモさんが見れることを楽しみにしつつ、私の1日の始まりを知らせてくれる『香来』にこれからも定期的に通いたいと思います。

それでは、また。

シュニチ

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