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#1『味のタテハラ』のコロッケ、揚げたてをあなたに(食べるふたり第2回)

アヤモさん

最初のお手紙くださりありがとうございます。
好きなお店がなくなってしまうことはとても悲しいことですね。だからこそ、その時々の食事をしっかり楽しみたいなと改めて思いました。
店主の牡蠣や穴子、食材へのこだわりを感じれたのはとても良いことだと思います。牡蠣や海苔をのせたそばや穴子をのせたそばを食べたことがないのでとてもそそられてしまいました。何より、再びお店を訪れてそばを堪能することに食へのつきないアヤモさんの貪欲さを感じます。
立ち食いそば屋という狭くてカウンターしかない空間だからこそ、そばに集中できるというのはとても興味深いですね。特にそばやラーメンといった時間が経つと麺がつゆをすって味が落ちてしまう食べものは何はともあれ食べものに向き合わなければということを思い起こしくれるのだなと思います。立ち食いそば屋は食べることにより特化した空間なのだと改めて感じました。
ぜひ、『田そば』が新店舗を構えた時はご一緒したいです。いつか『田そば』の牡蠣トッピングそばと出会えることを願っています。
京都では、立ち食いそばやあまり見かけません。関西で有名な『都そば』は京都駅から離れた場所にあります。京都駅中に立ち食いそば屋が数店舗あり、たまに無性にしょっぱいものを食べたいときは帰りがけにそばをすすります。

さっと食べれるものといえばテイクアウトして気軽に食べれるものがありますね。私は、散歩をしたりランニングをしたり、自転車でぶらりとするとき気になるお店やお気に入りのお店でテイクアウトをして、そのまま食べることをよくしています。出来立てのものや時間が経つ前に外で食べたいと思ってしまうんです。それは、立ち食いそばをその場でさっと食べる感覚に近いと思います。やはり、出来立てや美味しい時に食べたいのです。
東京の立ち食いそばといえば定番のトッピングとしてコロッケがありますよね。美味しそうな立ち食いそばを見てコロッケを思い出しので、今回は『味のタテハラ』のコロッケを紹介したいと思います。



『味のタテハラ』は京都市南区、京都駅八条口を出て西に徒歩10分程度歩いたところにあるお肉屋さんです。このお店はショーケースの中に精肉や衣をつけられた揚げ物が美味しそうに並べられています。コロッケだけじゃなく、春巻きやソーセージ、ハンバーグなど種類がとても豊富なんです。訪れた時はあれもたべたいし、これも食べたいとそそられる空間です。


お店の正面のショーケースの向こう側では、従業員の方がお肉を精肉してトレーに並べたり、衣をつけたり淡々と作業をしている風景が広がっています。そして、コロッケを頼むと目の前で衣をつけられたコロッケが油に投入されて揚げられるのです。特に映えるように見せびらかしているわけでもなく作業のしやすさや衛生管理、提供のしやすさの面から考えられた空間だと思いますが、精肉から調理までいま食べようとしているものがどうやって手まで届くか見れることで、おいしさが倍増するのではないでしょうか。
私はこのお店の揚げられたばかりのコロッケを外に出てすぐむしゃりと食べることが好きです。衣は少し硬さがあり口の中でサクサクと音を立てて、衣の中のホクホクとしたジャガイモが口の中でゆっくりと広がる。揚げたてなのでとっても熱々で、ハフハフと口を踊らせながら歩いて食べるのもとても楽しいです。私はいつも、コロッケとビーフコロッケをひとつずつ頼んで食べながら帰ります。値段はそれぞれ80円、100円と安いんです。
また、このお店は近くの学生もよく来るんです。ある日、夜に訪れたときコロッケが揚げられるのを待っていると、ぞろぞろと学生服をきた男子学生が来て、コロッケを受け取ってお店の前で通行の邪魔にならないようたむろしてコロッケを食べていました。私はコロッケが揚げられるのを待っていて、時間がかかってるな、と思っていたら先に予約のコロッケを揚げてたんですね。コロッケが油に入ってジューーっと音をたてる、学生が食べながら何気ない会話をしている空間はとても心地が良かったです。
安くて、とても凝った味があるわけでもない、けれど学校の帰りや仕事の帰り、自宅に持ち帰って美味しく食べる。そんな日常の中で親しまれているコロッケなんです。

そういえば、アヤモさんはいつか『田そば』がリニューアルされたら、一緒に食べに行きましょうと約束してくれましたね。なので、私も約束をさせてもらおうと思います。
それは、名づけて「(仮称)食べもの自転車ツアー」です。食べ歩きといえば、中華街や繁華街でお店が並んでいる場所でいろんな食べものを食べながら歩いていくというイメージかなと思います。私が考える自転車ツアーでは、まちのなかにあるお店でテイクアウト、お店の中でさっと食べれるものを食べて移動するというものです。食べものを食べながらまちにはどんな風景が広がっているのか知る。広範囲に自分の足で移動できる自転車ならでは楽しみがあると思いませんか?
東京や京都、それぞれ行きたいお店へ行ったり、たまたまみつけたお店に寄るのも楽しいかもしれません。天気が良くて心地いい時期にできたらいいなと思います。
それでは、また。

シュニチ


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