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介護の生産性向上政策と優性思想ー爺のお勉強note
日本政府は介護事業の生産性向上を強力に推進しようとしています。
私はこの生産性向上政策は、生産性向上に「役立つ人」と「役に立たない人」とを区別する「優性思想」を助長するものではないかと危惧しています。
池田清彦(生物学者・早稲田大学名誉教授)さんの著書『現代優生学の脅威』(2021年集英社)を紐解きながら介護事業における生産性向上と優性思想について考えてみたいと思います。
1.蔓延る優性思
人権教育で虐待は防げるのか 虐待論Ⅴ-2
abuse/虐待を考えるとき朱喜哲(哲学者)さんの哲学はとても参考になります。
朱喜哲さんの次の著作を基にabuse/虐待をいかに防止するのかについて考えてみたいと思います。
『<公 正>を乗りこなす』太郎次郎社エディタス
『偶然性・アイロニー・連帯』100分de名著
『人類の会話のための哲学』よはく舎
1.人権教育 介護の教科書によく「人間の尊厳を守る」とか「人権を尊重する」とか書か
人間の尊厳と介護 -虐待論Ⅴ‐1
1.尊厳は価値を超越する
介護の世界でよく言われる「人間の尊厳」について、「そんなの当たり前」と思考停止せずに、一度立止まって、じっくりと考えてみることも大切だと思います。
人間の尊厳について考えるとき、よくイマヌエル・カント(Immanuel Kant:ドイツの哲学者)[1]の目的の定式が参考になると言われます。この定式は次のようなものです。
カントは、人間が互いの人格を目的とし
abuse/虐待論Ⅱ.虐待原因論(1):虐待の原因は教育不足?
1.虐待の原因が教育不足は見当違い 介護業界では虐待の原因は教育不足であるという言説が流布しています。
確かに、厚労省が発表している『2022年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果』でも、虐待の発生原因の第一位は、「教育・知識・介護技術等に関する問題」(56.1%)となっていて、2番目の「職員のストレスや感情コントロールの問題」(
abuse/虐待論Ⅲ.虐待原因論(2):縄張り/スタンフォード・ミルグラム実験/社会の空気/男女差/壊れ窓理論-
1.怒りの起源は縄張り なぜ介護施設で入居者へのabuse/虐待がしばしば起こるのでしょうか。
『2022年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果』では、虐待の発生原因の第一位は「教育・知識・介護技術等に関する問題」が480件と56.1%を占め、第二位の「職員のストレスや感情コントロールの問題」197件 23.0%を大きく引き離
abuse/虐待論Ⅳ-虐待原因論(3):交差性/バザールとクラブ/双数性/残酷性
1.インターセクショナリティ:intersectionality(交差性)が増幅するabuse/虐待 社会には、性別、民族、国籍、年齢等の社会的経済的属性に基づいたさまざまな関係性が併存しています。
「介護する人-介護される人」「お客様-サービス提供者」「若者-年寄り」「男性-女性」「教師-生徒」「管理職-一般職」「医療職-介護職」「生産労働者-再生産労働者」「日本人労働者-外国人労働者」「
虐待の原因は道徳教育の不足か?それとも構造か?
1.介護施設等での虐待件数は増加傾向 2022年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果(以下「2022年度調査」と略します。)よりますと、2022年度に虐待認定されたケースは856件で対前年度より15.8%の増加となっております。また、虐待件数の21.3%が、当該施設等において過去にも虐待があった施設だといいます。
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