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腰部脊柱管狭窄症の基礎②

前回に引き続き腰部脊柱管狭窄症について少しお話しをしたいと思いますので良かったら見ていってください!

腰部脊柱管狭窄症の定義

腰部脊柱管狭窄症の定義って知ってます??

実はガイドラインには腰部脊柱管狭窄症の定義については完全な合意は得られていないって書いてあるんです。
まぁ椎間板ヘルニアからの合併症だったり発育性のものがあったりだとか、わりと煩雑な病態なのでなかなか定義は決めずらいんでしょうね。
なので診断名にとらわれず症候群として幾つかの症状が伴ってあらわれている事を意識する必要がありそうですよね。

腰部脊柱管狭窄症の診断ツール

腰部脊柱管狭窄症の診断って基本的にはお医者さんがする事なんですけどどんな基準で診断しているかは知っておく必要があると思うので以下の図をご参照ください。

図1
図2

さらーっと見ていただいたら分かるかもしれないのですが実は腰痛に関してはあまり重要視していないんです。
脊椎疾患=腰痛みたいに考えがちですが実はそうではないんですよ。
腰痛って非常に複雑な疾患概念でして、社会因子だったり心理因子とかも含まれていますので、あまり腰痛にとらわれすぎてしまうと結構沼ってしまうことがある印象ですね....。

鑑別すべき疾患について

脊柱管狭窄症と鑑別すべき疾患って何かパッと思いつきます?学生の時にもやりませんでした?あの間欠性跛行が出てくる疾患ですよ、、。

みなさん分かりましたかね!

正解は、末梢動脈疾患(PAD)です。
閉塞性動脈硬化症(ASO)、バージャー病のことですね。

鑑別方法については以下の表をご参照ください。

図3

神経性の間欠性跛行だと座るか前屈で脊柱管狭窄症の圧迫が取り除かれ症状が軽減するのですが、血管性だと前屈等は関係なく休むだけで筋収縮による循環動態が改善するため症状が軽減する傾向があります。
また足背動脈や後脛骨動脈の拍動の有無は鑑別しやすいポイントで有名ですよね。

やりがちな勘違い

勘違いしやすいこと、それは、、、
腰部背筋(多裂筋)の筋内圧上昇による歩行時の腰殿部痛や関連痛と間欠性跛行の違いです。

新人さんや学生さんだと「歩いていると痛くなる」という訴えを聞いただけで間欠性跛行だと決めつけてしまう方いませんか?
腰部脊柱管狭窄症による間欠性跛行と、腰部背筋(多裂筋)の筋内圧上昇による歩行時痛を鑑別できず、そのまま曖昧な治療を展開していませんか?

そんなネチネチ言ってないでどこで見分けるのよ?って話ですよね。

鑑別について簡潔に説明すると、
多裂筋内圧上昇は体幹伸展で症状が軽くなる
多裂筋へのモビライゼーションで症状が軽減する。
この2点です。

腰部脊柱管狭窄症は体幹伸展で症状が強くなるので真逆の病態ですよね。

多裂筋の内圧上昇と腰部脊柱管狭窄症では病態も大きく異なるし治療の展開も異なるんです。
歩いてると痛くなる=間欠性跛行
と決めつけるのではなく、当たり前ですけどしっかり評価する必要があるということです。

以上で腰部脊柱管狭窄症の基礎②を終わらせて頂きたいと思います。
今回は腰部脊柱管狭窄症と他疾患との鑑別を中心に説明させて頂きました。
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