女神テーミスの剣――高下義弘のnote

編集者、取材記者、ライター、リサーチャー。1998年にデジタル経営分野の編集記者として…

女神テーミスの剣――高下義弘のnote

編集者、取材記者、ライター、リサーチャー。1998年にデジタル経営分野の編集記者としてキャリアをスタート。今はウェルビーイングやインクルーシブ・デザインが主なテーマ。瞑想ファシリテーターとしても活動中。瞑想歴約20年。女神テーミスとはギリシャ神話に登場する真実の女神。

マガジン

  • 心が整う瞑想ノウハウ

    20代の終わりから瞑想を続けて約20年。統合失調症的な症状を寛解させるなど、たくさんの恩恵を得てきました。これまでの実践を経て得た、心が整う瞑想ノウハウをお伝えします。

  • 日本弁天巡礼

    日本の民にこよなく愛されている「弁財天」。弁財天またはそれに準ずる女神を祀っている神社仏閣を気ままに紹介しながら、日本の文化を探っていきます。

最近の記事

私論を書き付けることと、絵を描くこととの相似について

「ある特定の概念を理解し、それを通じて世界を観察する」、あるいは「他者と意思疎通をはかる」うえでは、言葉を駆使することが欠かせない。 「概念を理解する」という行動と、「言葉を駆使すること」の関係性について、もう少し記述を深めてみよう。「概念を理解する行動」を観察してみると、これは「自分や他者が読んで(あるいは聞いて)納得できる内容になるよう、文章を組み立てる行為である」と説明できそうだ。 この「文章を組み立てる行為」とは、「概念という対象物を、言葉という道具で、つじつまが

    • わかりやすい説明スキルを身につけるには:駆け出し記者時代を振り返って考えた

      知人から「わかりやすい説明のコツを教えてくれ」と頼まれた。 思い出すと、20代の駆け出し記者の頃は、先輩記者やデスク(上司に当たる)にボコボコに文章を直されたものだった。おそらく駆け出し記者のほぼ全員が経験する「洗礼」ではないだろうか。 苦労しながら何とか仕事をこなすなか、配属されて3年目か4年目くらいの頃だろうか、急に原稿が書けるようになった。同時に、取材スキルも高まったことを自覚した。まるで自分が周囲の世界を認識するステージが、一気に一段も二段も上がったような感覚であ

      • 5月17日金曜日の夜、瞑想体験会&お話会のおさそい

        今回は、私が多々恩恵を受けている、「瞑想」に関するイベントのご案内です。 5月17日(金曜日)、18時30分から、東京都文京区の会場にて、私の仲間とともに、瞑想体験会&お話会「形而上学の夜&誰でもできる瞑想会」を開催します。 私をはじめ、瞑想ファシリテーターのナビゲーションを通じて、より深い瞑想が体験できます。 私たちが提供している瞑想メソッドは、初心者の方にも、また瞑想実践者の方にも、それぞれ質の高い瞑想を体験していただくことが可能です。自信を持っておすすめしますので

        • 「毒親に似た人物に近寄ってしまう心のクセ」を克服するために

          今回のnote記事のテーマは、「毒親」と「ハラッサー」である。最近、これらの事項について、印象深い出来事があった。整理しきれていない内容だが、ご参考になる部分もあるかと思い、まずは公開するに至った次第である。 「毒親」という言葉がある。ハラスメント体質を備えた親を指す。毒親が子どもに与える影響は無視できないものがある。彼ら彼女らは、コントロール下におきやすい実の子どもを、人権侵害行為であるハラスメントの対象として扱っている。それは密室的な関係性及び物理空間で行われており、極

        私論を書き付けることと、絵を描くこととの相似について

        マガジン

        • 心が整う瞑想ノウハウ
          2本
        • 日本弁天巡礼
          8本

        記事

          4月19日、瞑想体験会&お話会のおさそい

          今回は、私が多々恩恵を受けている、「瞑想」に関するイベントのご案内です。 4月19日(金曜日)の夜18時30分から、東京都文京区の会場にて、私の仲間とともに、瞑想体験会&お話会「形而上学の夜&誰でもできる瞑想会」を開催します。 私をはじめ瞑想ファシリテーターのナビゲーションを通じて、より深い瞑想が体験できます。 初心者の方にも十分に深い瞑想を体験していただけますし、経験者の方にはより質の高い瞑想を体験していただくことが可能です。 ご質問やお申し込みは、soulmate

          4月19日、瞑想体験会&お話会のおさそい

          「絶対値による会話分析法」のメモ――時代を読み解くツールとしての可能性

          このnote記事では、人類学者のエマニュエル・トッド氏が自著にて紹介している方法論について触れたいと思う。その方法論は、「絶対値による会話分析法」というものだ。 具体的な方法としては、分析対象となるテキストや一定期間内の会話から、特定の話題(=単語、キーワード、フレーズ)の頻度がどのくらいあるのか、あるいはその頻度は以前から増えたのか減ったのかを計量する。 この方法論は、それらテキストを発信している人物やグループ、あるいは特定の社会層が、何に関心を持っているのかを推測する

          「絶対値による会話分析法」のメモ――時代を読み解くツールとしての可能性

          仮説演繹法を、記事の企画・執筆に生かす

          発信する記事が備える説得力は、記事の企画を練り、取材をどう進めるかを考える段階、つまり記事の構造づくりの段階で決まってくる。この段階において、すでに学術分野で確立されている論理構築の方法論をひな形として参照しておくことは、大いに役立つ。 以前、私のnoteで「アブダクション」について触れた(記事:アブダクティブ・アプローチとは何か:『才能をひらく編集工学』より)。アブダクションとは科学的発見の方法論のひとつで、目の前に見られる異質な現象や新たな現象に対して、仮説を当てはめつ

          仮説演繹法を、記事の企画・執筆に生かす

          瞑想の質を高める「イメージ」について

          私は20代の終わりから、瞑想を習慣にしてきた。途中で挫折していた時期も度々あったが、それでも「瞑想しよう」と思い立ち、何らかの形で生活習慣に組み込んできた。その結果、約20年間、瞑想に取り組んできた計算になる。つまり、私の人生の3分の1以上は、瞑想と共にあったわけだ。 なぜ、私はこれほどに瞑想に熱心に取り組んできたのか、その理由は自分でも明確ではない。ただ少なくとも、人類にとってこの瞑想は、普遍的な取り組みだったのではないかと思う。仏陀やイエス・キリストといったいわゆる偉人

          瞑想の質を高める「イメージ」について

          3月15日金曜日、瞑想体験会&お話会のお知らせ

          私が多々恩恵を受けている、「瞑想」に関するイベントのご案内です。 3月15日(金曜日)の夜18時30分から、東京都文京区の会場にて、仲間とともに瞑想体験会&お話会「形而上学の夜&誰でもできる瞑想会」を開催します。 私ほか専門の瞑想ファシリテーターのナビゲーションを通じて、参加者の皆様には、より深い瞑想を実践していただけます。 初心者の方にも十分に深い瞑想を体験していただけますし、経験者の方にはより質の高い瞑想を体験していただくことが可能です。 ご質問やお申し込みは、s

          3月15日金曜日、瞑想体験会&お話会のお知らせ

          「知性の発達プロセス」という重要な概念について:『なぜ人と組織は変われないのか』が示したもの

          本来であればもっと注目されていて良いはずの概念が、いまだメジャーになっていないケースがある。その1つが、「成人の知性の発達プロセス」であると考えている。 ロバート・キーガン氏とリサ・ラスコウ・レイヒー氏は著書『なぜ人と組織は変われないのか ― ハーバード流 自己変革の理論と実践』(英治出版)にて、この概念を端的に提示している。 両氏は、成人発達理論の研究者である。成人発達理論とは、発達心理学の一分野。人間は成人後も成長し続けるという考え方に基づき、発達の様相や条件を理論化

          「知性の発達プロセス」という重要な概念について:『なぜ人と組織は変われないのか』が示したもの

          人は言語空間の中に生きている

          脳機能科学者の苫米地英人氏は、「現代人は言語空間の中に生きている」との主旨を述べている。私はこれを受けて「なるほど」と思った。 例えばだが、法律は言語で書かれている。この法律に則って、自分を含めた多くの人が行動を起こしている(あるいは行動しないようにしている)。 つまり、我々現代人は、「言語により規定された社会空間の中で生活を営んでいる」と解釈できる。 そこから考えると、私たち現代人は、言葉を扱う能力――いわば「言語運用能力」を一定以上に高めることが、現代社会を生きる上

          人は言語空間の中に生きている

          文章を書く人なら押さえたい、日本語文法の要点メモ

          長年、取材記者・編集者・ライターとして仕事をこなしてきたが、実は、日本語の文法について体系的に勉強する機会は、50歳の声が聞こえてくる最近まで一度もなかった。 国語の時間など義務教育課程で勉強したのかもしれないが、日本語の文法を丁寧に、かつ体系に理解できるような授業があれば、それはそれで何らかの印象として残っているはずだ。 そんな自分に危機感を抱いて読み下したのが、『日本人のための日本語文法入門』(講談社現代新書、著者は原沢伊都夫氏)だ。前書きによれば、日本語の文法には日

          文章を書く人なら押さえたい、日本語文法の要点メモ

          アブダクティブ・アプローチとは何か:『才能をひらく編集工学』より

          経営分野の取材記者や編集者の仕事には、研究者としての側面も存在する。研究者の最大の務めとは、(推察するに)人類社会の前進に資する普遍的な知を抽出することだ。そこから考えると、経営分野をフィールドとする記者・編集者には、ビジネス分野に資するある程度普遍的な知が抽出できることが望ましいし、潜在的に言っても、ある一定以上のレベルにはそれが求められているはずだ。 取材記者としての仕事であれば、取材した対象者の談話内容やそれらの周辺にある事実情報から、組織や場所や時代を超えて役に立つ

          アブダクティブ・アプローチとは何か:『才能をひらく編集工学』より

          2月11日、瞑想体験会&お話会のお知らせ

          私は瞑想を20年ほど続けてきました。50歳を目前にした今、瞑想はほぼ毎日欠かさず実行しています。私の人生において最も重要な生活習慣のひとつとなりました。 瞑想のメリットは多岐にわたります。まず挙げたいのは、瞑想状態に入ることで、雑念を統御しやすくなります。私はかつては心配ごとやその他諸々で気が散りやすい性質がありましたが、その結果、日常生活において物事に取り組みやすくなりました。 このメリットの延長線上にあるメリットがあります。雑念の統御が進むことで、「メタ認知」の力の向

          2月11日、瞑想体験会&お話会のお知らせ

          言語運用能力についてのメモ

          私は文章コンテンツをつくるという仕事柄、言語運用能力に関して並の人以上に関心を抱き続けてきた。 言語運用能力とは端的に言えば、言葉という道具を使って、自らの意思を固め、さらには外部に対して適切に表現する能力を指す。この能力の探求は、私自身の職業スキルを高めるだけでなく、私自身の人生をより良く変えることにもなった。また、伝達しうる言語運用ノウハウは、仕事やプライベートでお付き合いのあるビジネスパーソンの方々にも貢献するようにもなった。 このnote記事は、メモがてら、文化庁

          心が整う瞑想ノウハウ:肺を意識して呼吸する

          若い頃、心身の不調に悩まされていた私は、20代の終わりに瞑想やイメージ(意識内で色や形を想起すること)を使ったセルフヒーリング法、さらには気功法の存在を知った。それ以来、今に至るまで約20年にわたり、ほぼ毎日、瞑想、イメージヒーリング、気功法に取り組んできた。 私が抱えていた心身の不調には、身体的なものから精神的なものまで様々な症状があった。そのうち特に悩まされていたのは、物心がついた頃からつきまとっていた、いわゆる統合失調症的な心身の不調――主に「頭の中に、自分のことを常

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