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地蔵と地獄

池田市にある逸翁美術館へ行き、「地蔵十王像重要文化財指定記念展 地蔵と地獄」を見ました。

ゴールデンウィークの前半と後半の合間の平日ですが、お休みの方が多いのかな、電車は普段の平日よりも混んでいますし、観光客の方が多いような印象です。今日は晴れて天気が良く、涼しい風が吹き観光日和だったと思います。気持ちの良い風を受けて、池田駅から五月山へ向かう道を歩き、逸翁美術館へ行きました。

逸翁美術館入口

展示室に入ると、まず今回の主役である国指定重要文化財「地蔵十王像」の展示が目に入りました。鎌倉時代に描かれたという地蔵十王像は、時間の経過によって色の剥落した部分が多くて細かい部分が見えにくくなっています。展示では、作品の周りに細部を拡大した図版が並べてあり、何が描かれているのか分かりやすい解説もありました。

地蔵と地獄 看板
地蔵十王像(公式サイトより)

会場内は撮影禁止ですので、公式サイトにあった図版をお借りしました。一番上に描かれたのが地蔵菩薩で、その下に亡くなった人を裁くと言われている十王がいます。地蔵は六道を巡って庶民を救済してくれると言われていて、この地蔵菩薩と十王の姿を1枚にまとめて描いた作例はそれほど多くなく、その中でも古い作例として貴重なものだそうです。
それほど大きくない画面であることから、個人的に手元に置くために描かれたものではないかとのことです。

室町時代に描かれた地蔵十王図や、十王を1人ずつ描いたもの、十巻抄の巻五に描かれた地蔵菩薩の像容(声聞形と言われるお姿だけではなく、通常の菩薩形のものもあることが分かる)、六道絵などが展示され、それらを見て六道のそれぞれの地獄で苦しむ衆生を救済していく地蔵菩薩って、最強なのでは?という自分なりの結論を導き出しました。
特に、賽の河原で小石を積み続ける(親よりも先に亡くなった)子供たちは鬼に石を崩されたり意地悪をされるのですが、それを救う地蔵菩薩を描いた部分を見た時には「地蔵菩薩最高」と思いました。←この信仰から、お地蔵さまが子供を守る存在になったと考えられるそうですね

逸翁美術館

展覧会を見た後はミュージアムショップで気に入った絵ハガキなどを買うのが常ですが、今回の主役である地蔵十王像の絵ハガキはありませんでした。これはかなり残念でした。

「地蔵と地獄」は6月9日まで、阪急文化財団の美術館だけあってスタシアカードを見せると入館料が割引になります。

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