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没後100年 富岡鉄斎 ―知の巨人の足跡―

奈良の大和文華館で行われている「没後100年 富岡鉄斎 ―知の巨人の足跡―」を見に行きました。大和文華館は、近鉄学園前駅から東南の方向に歩いて10分程度の場所にあります。今回が初めての訪問でしたので迷わずに行けるか不安でしたが、駅の南側の道沿いに案内板が何カ所かにあり迷うことなくたどり着くことができました。

大和文華館の敷地入口看板

この看板のあるあたりが駐車場入り口というか敷地の入り口で、駐車場の横を通るとチケット売り場があるのでチケットを買って文華苑という広い自然園の中を歩き、文華館の建物を目指します。
木々の間からホトトギスの鳴き声が聞こえてきます。

ムラサキシキブ

ムラサキシキブという植物を発見。シソ科の植物…なのでしょうか。

大和文華館

ちょっと坂を上ると大和文華館の建物が見えてきました。中に入ると右手にミュージアムショップがあり、その奥にコインロッカーやお手洗いがあるようでした。私は、まっすぐに展示室へ向かいました。展示室は廊下をまっすぐに行った先に一つです。部屋の真ん中にガラスに囲まれた中庭があり、作品保護のためだと思いますがそこから光が入らないように幕が張られ、その下から竹が見えました。

2024年は富岡鉄斎の没後100年にあたるということで、京都の国立近代美術館でも大きな富岡鉄斎展が開催されており、先日行ってきました。

MOMAKの展示は宝塚の富岡鉄斎美術館のものが多かったですが、こちらの展示作品は鉄斎と親交のあった近藤家より寄贈されたコレクションを中心に、富岡鉄斎美術館からの作品も交えながら展示されていました。
近藤家は愛媛県三津浜にあり、季節の挨拶やいただきものの御礼に書画を制作して贈るなど(贈り物は海産物が多かったようで海老や魚の絵がありました)、旅先で知り合った縁を大切に交流を続ける、鉄斎の人柄が偲ばれる内容でした。

山荘風雨図 富岡鉄斎筆

面白かったのは、宋の画僧牧谿の所用と伝わる墨を模造したものを得て、それの墨拓の入った作品です。勉強熱心だった鉄斎は牧谿の作品も学び、牧谿墨で描いて墨拓を作品に残したようです。
上の山荘風雨図は、暴風雨の中でも読書にふける文人の姿を描いたもので、鉄斎本人の学びに対する確固たる姿勢を描いたものだと感じ、とても印象に残りました。

図録買っちゃった

書画だけではなく、西遊記の表紙絵や鉄斎と奥さんの手紙もあり中味のギュッと詰まった、富岡鉄斎という人の幅広い学識や交友関係の良く分かる展示でした。

大和文華館を一通り見た後は、すぐ近くにある中野美術館にも立ち寄ってみました。文華館から歩いて5,6分くらいの場所にありました。

こちらは入口でチケットを買ったら、靴を脱いでスリッパに履き替えて中に入るようになっていました。ちょっと面倒な紐靴を履いていたので、それは失敗でした…。

中野美術館

入り口からすぐの左側の部屋に洋画が、階段を下りた先に日本画の展示室がありました。

須田国太郎 「ヴァイオリン」

洋画の部屋には青木繫、岸田劉生、須田国太郎などの小品が展示されていました。須田国太郎の「ヴァイオリン」が印象に残り、絵ハガキを購入しました。この方の作品は、心に残るものが多いです。
日本画の展示室には富岡鉄斎のものも何点かありましたので、大和文華館を見た後に立ち寄ってみることをおすすめします。

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