木ノ戸昌幸

1977年生まれ・愛媛県出身。2006年、京都・上賀茂に福祉施設<スウィング>を設立。…

木ノ戸昌幸

1977年生まれ・愛媛県出身。2006年、京都・上賀茂に福祉施設<スウィング>を設立。既存の仕事観、芸術観を揺るがす創造的実践を通して社会をオモシロく変えてゆきたいと願ったり願わなかったり。単著に『まともがゆれる ―常識をやめる「スウィング」の実験』(2019/朝日出版社)

最近の記事

雑感:『ルール?本 -創造的に生きるためのデザイン』(フィルムアート社/2024)

先日刊行された『ルール?本』を読み終えた。 2021年、スウィングはこの本の元になった『ルール?展』に作家(という意識はないがともかく)として参加をした。 当時、僕の頭の中では<自由を拡大するためのルール化>というテーマが渦巻き、スウィングの中でさまざまな試行錯誤を繰り返していたのだが、『ルール?展』の企画趣旨に驚くほど近いものを感じ、断る理由なんてないくらいに惹かれてしまったのだ。 更には京都人力交通案内というよく分からない、「それが展示になるのか?」という活動に目を

    • 『wel-bee vol.4』掲載:時々うずく位になるまで

      さあ癒しについて何を書こうかなとコタツに潜り込んで考えていたら、黒猫のルルが甘えるように僕の手をペロペロと舐めるので「ああ、癒される……」と身もだえる。でもきっとこの数時間後には腹を空かせてニャーニャーやかましく鳴き出すのも知っていて、さらにはその時の僕が「うるさい猫だなあ」と偉大なる癒しの主にイライラすることも知っている。なんていい加減で浅はかで、平和的な癒しなのだろう。 でもちょうど1年前、僕の置かれた状況は今とは全く違っていた。仕事、生活、そして心を深く損ねられる事態

      • 第187回ゴミコロリ

        2008年より続くスウィングの地元、京都・上賀茂に根ざした清掃活動「ゴミコロリ」。 その実施方針を今年度より大きく変更した。 変更の要因は上賀茂における深刻なゴミ不足である。 コロナ禍や、畑が宅地やマンションや駐車場へと加速度的に変わりゆく開発の影響も大きいと思う。 けれど鴨川(賀茂川)からホームレスの人たちの姿がすっかり消えてしまったように、売るのは絶対にやめないくせに批判され、価格も上がり続けるタバコのように、つまり世界からあらゆる余白やバグが消え去りつつあるのと同

        • 京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」@何かがちがった祇園編(第81回)

          なぜか京都市営バスの路線系統を(ほぼ)丸暗記しているQ&XLのヘンタイ記憶を駆使し、観光客やお困りの方にベストな行き方、乗り継ぎをご案内する京都人力交通案内「アナタの行き先、教えます。」。 去る4月30日(月)、すんげ―不安定な天気だったので、我々一行は晴れても雨が降っても屋根があるからだいじょうぶ! な「祇園」に向かった(結果的に終盤はドシャ降りになったからナイスチョイスだった)。 この日我々一行に新たに加わったのは、最近のスウィング公共図書館ヘビーユーザーであるMIY

        雑感:『ルール?本 -創造的に生きるためのデザイン』(フィルムアート社/2024)

          <だいじょうぶ>でありますように

          悪夢のような報酬改定への対応をほぼ終え、ようやくようやくフリーペーパー『Swinging』最新号(第32号)の制作に着手している。 一体いつぶりだろう?  31号の発行が2022年2月だから、2年以上の空白が生じたことになる。そうかあ、生き地獄のようだったこの2年間とまるで同じ歳月か。 テーマを<だいじょうぶ>にしたのは、きっと偶然ではないのだと思う。 「悪夢」とか「生き地獄」とかろくなことを書いてないけれど、まあそうとしか言いようがないのだから仕方がない。だから<だ

          <だいじょうぶ>でありますように

          アップデートの前にダウンロードやろ

          「アップデートできていない」 そうだよなあ半分、腑に落とし切れへんなあ半分のこの言葉を聞かない日はない。 現実として、確かに存在した「そういう過去」を苦々しそうに眺め、<皆が同じペースで新たな、しかもあまりに移ろいやすく不確実な今に適応できっこなんてない>という、1+1=2くらい単純明快な正解にはなぜか目もくれず、多くは個人への厳しい処罰によって「お前はアップデートできていない 」と力ずくで抑えこみ、まるで人間じゃないかのように踏みつけるのが最近の流行りのようだ。 そ

          アップデートの前にダウンロードやろ

          ブルシットジョブの一時的夜明け

          到底自分だけの力では追いつかないので、頼りがいのあるプロフェッショナルの手を借りながら、今回の報酬改定(改悪)にかかる作業の9割方を完了した。法改正の全容判明したのが3月末~4月初旬なのに、4月15日締切というメチャクチャなスケジュールに合わせて進めた京都市提出書類の完成はつい先ほど。明日明後日の土日を返上してワーカホリックせざるを得ない人も少なくないだろう。 ほとんどベイビー誕生と同時に、昼夜を問わずに進めざるを得なかった強烈なブルシットジョブであっても、終われば言うに言

          ブルシットジョブの一時的夜明け

          チバユウスケ、報酬改定、旅立つ人、ミッドナイト・クラクション・ベイビー

          『別冊 音楽と人 チバユウスケ』を求めて車を走らせていたら、「ここにあったはずの本屋」がことごとくなくなっていることにあらためて気がついた。「スウィング公共図書」は全国9つの書店の名人たちが選りすぐってくれた本を収蔵しているが、個人的にはどこにでもあるような、何でも置いてあるような「町の本屋さん」みたいなところが好みだ。 ごちゃごちゃ雑然とした興味ないもんだらけの中に、自分だけにピカピカ見える宝物を発見するのが好きなんだと思う。 でも、そういう本屋さんが知ってはいたけど本

          チバユウスケ、報酬改定、旅立つ人、ミッドナイト・クラクション・ベイビー

          若者に贈る言葉08

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          若者に贈る言葉07

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          若者に贈る言葉06

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          若者に贈る言葉05

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          若者に贈る言葉04

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          若者に贈る言葉03

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          若者に贈る言葉02

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          若者に贈る言葉01

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