『wel-bee vol.4』掲載:時々うずく位になるまで
さあ癒しについて何を書こうかなとコタツに潜り込んで考えていたら、黒猫のルルが甘えるように僕の手をペロペロと舐めるので「ああ、癒される……」と身もだえる。でもきっとこの数時間後には腹を空かせてニャーニャーやかましく鳴き出すのも知っていて、さらにはその時の僕が「うるさい猫だなあ」と偉大なる癒しの主にイライラすることも知っている。なんていい加減で浅はかで、平和的な癒しなのだろう。
でもちょうど1年前、僕の置かれた状況は今とは全く違っていた。仕事、生活、そして心を深く損ねられる事態