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宇宙の果ての青い星

地球を離れてからどれくらいの時間が経ったのだろうか。二人は宇宙という無限の舞台を旅していた。狭いカプセルの中で、ウサギは窓の外に広がる無数の星を見つめながらふと声を漏らす。「こんなに美しい星を一緒に見られるなんて」。カメは彼女の言葉に、「美しい星の輝きも、君がそばにいると、何故か色あせて見える」と微笑みを返した。

ウサギとカメは未知の星々を越え、多彩な惑星を巡った。各星には独自の美しさがあり、二人はそれぞれの星に心を奪われた。しかし二人が真に求めていたのは、美しさではなく、新しい家と呼べる場所だった。旅の中で感じる孤独や疲れにも怯むことなく、二人は互いを支え合いながら前に進んでいった。

そして、まるで運命のように、二人は青く輝く美しい惑星を発見した。その惑星は水と緑に満ち、地球を思い起こさせるような場所だった。カプセルの小さな窓からその惑星を眺めるカメはウサギの手を静かに握り、「ここを新しい家にしよう。ここで、私たちの未来を築こう」と宣言した。彼女は心からの同意を示すように頷いた。そして二人はその美しい青い惑星に向けて、カプセルの進路を向けたのだった。

つづく



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