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地球最後の日

深淵なる宇宙の彼方から突如として降り注いだ巨大な隕石が青い地球に激突した。その衝撃で地球は揺れ、瞬く間に人類は滅びの道を辿った。争い続けた人間たちにまるで天の裁きが下ったかのようだった。この絶望的な状況で生き延びることができたのはたった二人、ウサギとカメだった。二人はまるで運命に導かれるようにスーパーシェルターで作業をしており奇跡的に難を逃れていた。

シェルターの冷たい窓越しに、ウサギは荒廃した世界を眺めていた。「こんなにも静かで... 誰もいないなんて...」彼女の声は虚無に吸い込まれるように消えていった。カメは彼女の肩に手を置き「心配しないで、僕が君を守る」と静かに語りかけた。しかし彼らの運命はすでに決まっていた。地球の破壊は避けられず、最後の時が刻一刻と迫っていた。

その時、カメが空に向けた切実な願いがまるで聞き届けられたかのように、銀色の救命カプセルが静かに二人の元へと降りてきた。それは非常事態に備えて大気圏に待機していたものだった。ウサギとカメは手を取り合いカプセルに乗り込んだ。地球を後にし新たな星を探す旅が始まる。二人は新たな希望を胸に未知の宇宙へと旅立った。二人の未来のために。そしてかつての人類の記憶を胸に抱きながら。

つづく

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