見出し画像

【詩】 記憶のなかの明るい未来


チョコレートの溶ける早さが好き。
人を待たせない優しさがあるから。
深夜、牛乳と板チョコを鍋の中でゆっくり混ぜて溶かして、ホットショコラにして飲んだの。
そうしたら、マグカップの底に冬が沈澱して、これも実感、と納得した。
冬を飲み干した。

バンドが解散するときに時代って終わるんだよ。
透明の強烈なさみしさで過去と未来が隔てられてしまって。
いろんな人がいろんなことを言う。
大勢が持ち続けているさみしさを、流れてくる優しさがすくってくれる。
残り続けていく全ての曲に、過ぎた時間が閉じ込められている。
もらった曲を今日も聴いてるよ。

時間を大切にしていたいから、少し考えた。
大切にしたいから考えたの。
そうしたら、心に沁みていたいことに気がついた。沁みろ、と念じても沁みないから心になったのにね。

できあがらないものばかりが日々増え過ぎてしまったから、今は料理が好き。
食べるまでには完成するじゃない?
自分の中身に没頭したいんだ。
未完のシーンが私を待っている。
いつかNetflixだって卒業する。

なにもかも、みんなみんな死ぬ命だから、「永遠」はないかもしれないね。
だけど、永遠に憧れている。
描き続けられるものは、なんだろう?
忘れてしまわないために今ここにいる。

雪は君が見せてくれた。
思い出してくれてありがとう。
誰も信じていないものが輝いて、結晶のまま降りそそぐ。
この世の中で、誰も信じていないようなものが、永遠に続けばいいと、密かにそう願っている。
明るいいつか。
そんな未来に。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?