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作家 白鳥静香先生読書会✨✨(著作はこちら https://x.gd/c5YWI

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PLATONIC 太陽の少年ー愛について 序、第一歌、第二歌

PLATONIC  太陽の少年ー愛について白鳥静香著 序  私プロティノスが伝えよう。  我がプラトン派に伝わる愛の物語、愛の神話を。  それは、神代といわれるはるかな昔、ギリシアで祭りの最後に歌われた歌、今ではもう失われた神話であり、忘れられた真理である。  昔、祭りは、三日三夜続けられた。  その終わり、空は星に、そして大地はかがり火に飾られて、まことに麗しい夜に、その歌は歌われた。  歌は、その国の二番目の王子によって歌われたという。  彼はまつげが長く、神秘的に

    • 白鳥静香先生の言葉より 12 無の芸術

      白鳥静香先生の言葉を紹介します 白鳥静香先生の言葉より 12 無の芸術 たとえば完璧に美しくつくられた芸術は、 誰かがほんの少し手を加えても、その美しさが壊れてしまいます。 完璧に美しくつくられた芸術はそれ以外の形であることは 絶対に許されません。 つまり、そこではもはや、創造の自由は失われてしまっているのです。 そして、その美しい形を正しく維持しなくてはならないという緊張感で 自由だけでなく、 安らぎもまた失われてしまっているのです。 自由と安らぎとが失われるこ

      • 白鳥静香先生の言葉より 11 知と美

        白鳥静香先生の言葉を紹介します。 白鳥静香先生の言葉より 11 知と美 ・たとえば、ある人の目の形と、鼻やくちびるの形、輪郭などが調和しているとき、 その人は「美しい顔をしている。」といわれます。 美とは調和です。 そうであるならば、美は数式のようなもののなかにもあるのではないでしょうか? 美しい顔とは、顔において目の形と鼻やくちびるの形や輪郭などが調和していることであるように、 数式とは式において数や記号が仲良く調和していることだからです。 美が調和であるよ

        • 白鳥静香先生の言葉より 10 調和

          白鳥静香先生の言葉を紹介します。 白鳥静香先生の言葉より 10 調和 音楽と騒音との差は、音と音との間に調和があるかないかです。 絵画と落書きとの差は、形と形、色彩と色彩との間に調和があるかないかです。 詩と単なる無駄話との差は、言葉と言葉、そして、言葉の音と音との間に調和が あるかないかです。 美とは調和であり、 芸術とは調和を作り出すことなのです。

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          白鳥静香先生の言葉より 9 多様性

          白鳥静香先生の言葉を紹介します。 白鳥静香先生の言葉より 9 ~多様性 美は多様です。 ファッションであっても、今年美しいと感じるものと、 来年美しいと感じるものとは違うでしょう。 美の具体的な形は、時代によっても地域によっても無限に多様です。 では、その多様な美を貫いて、 「美とは何か?」ということはできないのでしょうか? いえ、美といわれているものが、どれほど多様であろうと、 そこに、明確に、美というひとつの感じかたがある以上、 多様性を貫いて共通する美の

          白鳥静香先生の言葉より 9 多様性

          白鳥静香先生の言葉より 8 IMAGO DEI

          白鳥静香先生の言葉を紹介します。 白鳥静香先生の言葉より 8 IMAGO DEI (イマーゴ・デイ) 宇宙にとって一本の花に何の意味があるでしょうか? いえ、宇宙自体、一体、何の意味があるというのでしょうか? 客観的に考えるなら、そこに何の意味も見いだせはしないかもしれません。 それでも私たちにとって、花は美しく、愛おしいのです。 星々に限りない神秘と尊敬とを感じるのです。 人間は意味のないものに意味を与え、 美しくないものにも美を見出だすことのできる存在です

          白鳥静香先生の言葉より 8 IMAGO DEI

          白鳥静香先生の言葉より 7 道端の花

          白鳥静香先生の言葉を紹介します。 白鳥静香先生の言葉より 7 道端の花 人間は道端の雑草に名前をつけます。 ある国の古い神話では、神様は人間とそのほかのすべてのものを創った後、 人間に向かって「すべてのものに名前をつけなさい。」と言ったとされています。 人間は道端の雑草に名前をつけ、 名前をつければそれに親しみを感じ、 親しんでいるうちにそれを美しいと思うのです。 人間は道端の雑草を美しいと思うことができるのです。 人間が自分に利害のないものを愛することがで

          白鳥静香先生の言葉より 7 道端の花

          白鳥静香先生の言葉より 6 AMADEUS

          白鳥静香先生の言葉を紹介します。 白鳥静香先生の言葉より 6 AMADEUS たしかに、人間がひとりでは生きてゆくことができない生き物である以上、 道徳は絶対に必要なものであるしょう。 もし、みんながそれを守るなら、何年後か、何十年後かに世の中がよくなるだろうと思います。 にもかかわらず、それでも、よい世の中に住んでいるからといって、 必ずしも、そこでひとりひとりの人が幸せであるとは限らないのです。 でも、よい芸術は、見た瞬間、聞いた瞬間に、それを見た人、聞いた人の

          白鳥静香先生の言葉より 6 AMADEUS

          白鳥静香先生の言葉より 5 色彩

          白鳥静香先生の言葉を紹介します。 白鳥静香先生の言葉より 5 色彩 私に嫌いな色はありません。 すべての色は美しいと思います。 どのような色彩も自然界の調和のなかでは本当に美しいのです。 ただの枯れ枝でさえ、自然界の調和のなかではとても美しいものです。 夜、枯れ枝をながめると、まるで星の花が咲いて、月の実が実っているようです。 自然界の調和のなかでは、どのようなものも、どのような色彩も美しい。 ただ、私たちがあるものを、ある色を自然界から切り離して使うとき、

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          白鳥静香先生の言葉より 4 光

          白鳥静香先生の言葉を紹介します。 白鳥静香先生の言葉より 4 光 19世紀の偉大な歴史家ランケは当時流行していた「歴史は進歩する。」という考えに反対して、 「すべての時代は神に直接している。」と言いました。 ランケは19世紀のキリスト教徒なので「神に」という言い方をしていますが、 要するに「進歩の最後だけではなく、すべての瞬間は唯一であり、絶対的な価値がある。」 と言いたかったのでしょう。 進歩思想が説かれることの盛んな19世紀にありながら、ランケという人はすべて

          白鳥静香先生の言葉より 4 光

          白鳥静香先生の言葉より 3 幼子のように

          白鳥静香先生の言葉をご紹介します。 白鳥静香先生の言葉より 3 幼子のように 二千数百年前、古代ギリシャの大哲学者アリストテレスは 「知恵を求めること(哲学や科学)は驚き(タウマゼイン)からはじまる。」 と言いました。 確かに、私たちは「これは何だ?」とみずみずしい新鮮な心で驚くから、 それを知りたいと思うのでしょう。 でも、知恵においてそうであるなら、 おそらく芸術においてもまた、そうではないでしょうか? 芸術もまた、具体的なテクニックよりも、 たとえば筆の

          白鳥静香先生の言葉より 3 幼子のように

          白鳥静香先生の言葉より 2 詩について

          白鳥静香先生の言葉を紹介します。 白鳥静香先生の言葉より 2 詩について 西洋の詩も、もちろん美しく、壮大で、本当に素晴らしいとしか言いようのないものですが、 それはダンテやシェイクスピアを見れば分かるように、本来何百行、何千行もの長さのものでした。 でも、(日本の)和歌は三十一文字、俳句はたった十七文字で宇宙を包むんです。 たった三十一文字、いえ、たった十七文字で宇宙を包んでしまうほどの 調和を作り出すことができるんです。 もちろんどちらも、優劣のつけることので

          白鳥静香先生の言葉より 2 詩について

          白鳥静香先生の言葉より 1 美について

          白鳥静香先生の言葉より 1 美について 美は調和です。 そして芸術とは世界のなかに調和を見出だし、 世界のなかに今までなかったような新しい調和を作り出すことです。 芸術は世界への愛情です。 世界は必ずしも美しいものではありません。 人間も他の生き物たちもこの世界で醜い生存競争を繰り広げてもいるのです。 しかし、私たちは愛するときそこに美を、 愛するときそこに調和を見出だすことができるのです。 愛することは世界を美しくしてくれる魔法であるのかもしれません。

          白鳥静香先生の言葉より 1 美について

          白鳥静香先生の言葉より 514 人間のためにつくられたもの?

          白鳥静香先生の言葉より 514 人間のためにつくられたもの? 中世まで、 人間は、 自然界のものにたいして、 「それは人間の役に立つためにつくられたものだ。」 たとえば、 木でも、 動物でも、 「それは神様が人間の役に立つために つくられたものなのだ。」 と無邪気に信じていました。 でも近代に入って、 そのような考えは、 真実ではないと、 考えられるようになりました。 私たち人間の知が進歩したからです。 知が進歩したといえるひとつの基準は、

          白鳥静香先生の言葉より 514 人間のためにつくられたもの?

          白鳥静香先生の言葉より 513 幸福になるということ

          白鳥静香先生の言葉より 513 幸福になるということ 古代ギリシャの哲学ではありませんが、 私たち人間は、 誰でも「幸福」ということを目指しています。 つまり、 私たちは、 誰でも、 幸福になりたいと思っています。 でも、 よく考えてみると、 「幸福になる(なりたい)」 という言葉は、 必ずしも、 私たちを幸せにしない言葉のようにも 思えてくるのです。 もちろん、 「幸福になる(なりたい)」という考えは、 私たちにとって、 まったく不要な考

          白鳥静香先生の言葉より 513 幸福になるということ

          白鳥静香先生の言葉より 512 人のまなざし

          白鳥静香先生の言葉より 512 人のまなざし 私たちは、 人と会ったとき、 ときどき、 「この人と一緒にいたいな。」 と思うことがあります。 そのように、 私たちが、 誰かある人と一緒にいたいなと思うとき、 私たちが感じているのは、 「その人のまなざしのなかにいたい。」 「その人のまなざしのなかにいると居心地がよい。」 ということではないでしょうか? 逆に、 私たちが、 この人といたくないと思うとき、 私たちが感じているのは、 「その人のまな

          白鳥静香先生の言葉より 512 人のまなざし