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創作料理。コンビーフのカルボナーラ

本日の夕食は自ら作ったカルボナーラだ。
私は独身四十代男性、実家暮らし七十の母に三食作ってもらっている身である。
最近、料理が面白く感じるようになってきた。
先日、イタリア料理店でカルボナーラを食べたとき、「ブラックペッパーが邪魔だな」と感想を持ってから、自分なりのカルボナーラを作ってみようと思っていた。
カルボナーラとはイタリア語で「炭焼き職人」とかいう意味らしく、ブラックペパッパーが炭のように見えるから名付けられたらしい。だから、ブラックペッパーのないカルボナーラはカルボナーラではないとも思ったが、私が作るのは創作料理でありレシピ通りでないのが面白いのだから、定義から外れても私がカルボナーラと呼べば、それは私にとってカルボナーラなのだ。
で、どこが創作料理かというと、カルボナーラは卵黄、ベーコン、チーズ、そして、ブラックペパッパーが定義としては必要らしいが、私はベーコンの代わりにコンビーフを使うことにした。前日、母に「コンビーフとブラックペッパーは合うと思う?」と訊いたところ、「ブラックペッパーをかけたら、コンビーフの風味が飛んでしまう」と答えが返ってきたので、やはりブラックペッパーは使わないことにした。
 
*材料
 
・パスタ・・・・・・一束半
・卵黄・・・・・・・ふたつ
・コンビーフ・・・・一缶
・粉チーズ・・・・・適量
・塩・・・・・・・・適量
・オリーブオイル・・適量
・ブラックペッパー・適量
 
材料にブラックペッパーと書いたのは、あとで振りかけたからで、そのことはあとで述べる。
さて、まずは湯を沸かし、パスタを茹でた。その間に、卵黄を卵白から取り分けた。私は卵白がもったいないと思ったので、卵白だけの玉子焼きを作ってみた。玉子焼きを作ったあと、フライパンにオリーブオイルを引き、パスタが茹であがる二分前に、コンビーフを投入してほぐしながら加熱した。パスタが茹であがったらフライパンに移し、塩を振った。前回のパスタでは塩味が薄かったことから少し多めに入れた。卵黄を入れかき混ぜながら粉チーズを振った。
そして完成だ。
 
さっそく食べてみると、しょっぱかった。
塩の入れすぎだ。
母の言葉、「塩は少なければ加えればいいけど、多すぎたら減らすことはできない」を痛感した。
しかし、食べられないしょっぱさではなかった。
コンビーフの風味も生きていた。
途中、どうせ失敗作だから試しにと思い、ブラックペッパーをかけたら、意外とコンビーフの風味を殺さずに、ブラックペッパーはそれ自体の香りを生かされ、悪くなかった。食べかけにかけたものなので写真は撮らなかったが、このコンビーフのカルボナーラwithブラックペッパーはレパートリーに入れてもよいと思った。卵黄をふたつ使ったところがよかったかもしれない。濃厚なとろみがパスタに絡んでまろやかであった。
とにかく塩梅だ。
料理初心者の私は、その基礎中の基礎を鍛えていかないといけないと思った。
 
本日のカルボナーラは人生初のカルボナーラ作りだった。人生初というのはいつになっても良い物だ。料理未経験の定年後の男性などに提案だが、料理に挑戦してみてはどうか?六十五歳からの人生初めての連続はスリリングで面白いと思う。
私は登山を趣味にしているが、六十五あるいは七十から登山など体を使ったアウトドアなどを趣味として始めるのは難しいだろう(?)。しかし、料理は厨房に立って手を動かすだけである。奥さんに料理は任せてきた、という方は料理という実践可能な、しかも毎日必要な行為を趣味にしてはいかがだろうか?退職し、昼間からテレビを見る時間が長くなった、などという男性(私の父がそうだからだが)は、料理を始めるならばまず、材料を買いに行くことから楽しみは始まる。私も四十代になってようやく、スーパーマーケットの面白さがわかってきた。以前は、お菓子のコーナー、ドリンクのコーナー、カップ麺のコーナー、お惣菜のコーナー、パンのコーナーなどしか行かなかったが、自分で料理するという視点で野菜のコーナーなど見て歩くと、本当に面白い。いや、私も初心者だが、初心者だからこそその新たな体験の素晴らしさを言葉にできると思いこんな文章を書いている。
では、また。

ごちそうさま

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