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【イラストレーター】登録しすぎた SNS、どう使う?

こんにちは。イラストレーターの床山すずりです。2020年からフリーランスとして活動を始め、女性向けの柔らかなタッチをメインに、雑誌・書籍・広告・Webなどにイラストや漫画をご提供しています。

SNS 増やしすぎ問題

私のような新参イラストレーターには、営業活動の一環として使える SNS はとてもありがたい存在です。
私は、

  • 絵だけでなくテキスト発信も好き

  • SNS の更新は苦ではない

…というタイプなので、 複数の SNS で仕事+イラスト用のアカウントを持っています。去る2月7日には、Bluesky が招待制をやめたと聞いて早速アカウントを作りました。でも、一体いくつ SNS やっとるん…? 現実を直視するために書き出してみました(カッコ内は所持アカウント数)。

  1. 短文投稿系
    X(3)
    Threads(1)
    Gravity(1)
    Mastodon(1)*
    Facebook(1+1ページ)
    Bluesky(1)< new!!

  2. ポートフォリオ系
    Instagram(3)
    Behance(1)*
    Pinterest(1)*

  3. その他
    note(1)
    YouTube(1)*
    Amebaブログ(1)* **

    ※ * ……休眠中
    ※ ** ……機能的に見て SNS扱いとした

ひどい。アカウントだけ数えても16あります。休眠状態のものもあるとはいえ、それでも11。年末に少し減らした結果がこれです(Lemon8・TikTok はアプリごと削除した)。これらに加えて、自前のメディアとしてサイトのブログもあります。

これだけの発信場所を持っていたら、全てをきちんと運用できていないのは明らかですいばることではないですね。今後、これらをどう活用していくか。整理のために、現時点での考えをまとめてみました。10分ぐらいで読めると思います。①イラストの仕事をされている方、②増やしすぎたアカウントに頭を抱えている方に、ちょっぴりでもお役に立てたら嬉しいです。

私の一軍SNS

これを書いている時点で私が毎日更新しているのは、X Instagram です。ユーザー数が多いことと、発信のしやすさが大きな理由です。

1) X の用途

・お仕事実績と制作物の発信
・クライアントからの生存確認
・人となりを知ってもらうこと
・情報収集
・息抜きと交流

メディア欄で制作物を一覧できるので、イラスト以外の画像投稿は少なめです。フォロワー数は1,600人ほど。無料アカウントです。

新しい情報も入るし、イラスト・テキスト両方の発信ができる。拡散力にも優れているので宣伝に向いています。最近は怖さを感じることも多いけれど、好きな SNS です。私は雑多なトピックで受発信しており、フォロワーにはイラストのファンの方、同業者、取引先、推し活仲間、教育関係者、障害者関連クラスタの方……が混在しています。

本来ならイラストに特化して運用すべきだったのでしょうが、
・フォロワー数をあまり増やしたくない
・生存確認に使ってもらえれば OK
・楽しみとして続けたい

と割り切っており、隅の方で小さく発信する現在の使い方に満足しています。これまでに築き上げたフォロワーさんとの信頼関係も心地よいです。

2) Instagram の用途

・お仕事実績と制作物の発信
・ポートフォリオ的役割
・ブランディング
・息抜きと交流

一時期は「イラストアカウント育成計画」と銘打って運用をがんばっていたのですが、今はマイペースに更新すればいいやという心境に落ち着きました。フォロワー数は約3,100人で、しばらく横ばいです。

現在の運用としては、
・タッチを絞って投稿
・頻度は2週間に1度ぐらい
・ストーリーズは毎日更新
といった程度です。

ストーリーズだけでも毎日アップしていると、たまにイラストを投稿した時の反応が少し良くなる感じがします。24時間で消えるので、日常のことも気楽に投稿できるのがいい。インスタに関しては、本音を言えば、少しずつフォロワー数を伸ばしていきたいです。一覧性があるのでイラストの宣伝向きだし、私の絵柄と SNS の雰囲気が合うように感じるからです。

仕事はどの SNS から?

私の場合、Web検索からサイト経由でお話をいただくことが多いですが、SNS では、Instagram きっかけのご相談がダントツです。旧Twitter、Amebaブログ、note が入り口となったお仕事もあります。窓口が複数あるのはわるくないですね。

命綱を確保する

ユーザー数の多い X と Instagram も、いつまでも盤石とは限りません。現に、収益化が始まって以来の X の不穏さには食傷気味で、見る時間が減りました。また、Instagram・Facebook・Threads の META社3サービスに SNS運用を全振りしてしまうことにはリスクを感じます。

1) X の代わり(短文投稿系)

X をやめる日がきたら、おそらく Bluesky に移るのではという気が今はしています。Twitter創始者の1人、ジャック・ドーシー発案の分散型SNS で、UI が X と似ており、メディア欄も拡散機能もあります。性的な画像にチェックが入ったりするので、今のところ私のタイムラインは平穏です。分散型SNS については、もう少し勉強したい。

META社の Threads は、現時点では、
・Web検索で表示されない(クローズド感がある)
・いいね数しか分析材料がない
・拡散力はやや低め
・メディア欄がない
などの理由から、企業向けの宣伝用としては少し使いにくい印象を持っています。イラストならインスタで見てほしい気もするし。でもその分、X に比べると雰囲気が穏やかで、プライベート寄りの投稿がしやすい感じです。もちろん、オフィシャルな窓口として運用されている方もいますし、おすすめ機能が優れていていいという声も聞きます。
インスタのフォロワーからフォローしてもらいやすい作りになっているので、ファンやイラスト界隈の方との交流にいい感じがしています。ラフをアップすることで、インスタと差別化をはかっている方もよく見かけます。私は、個人的なつぶやきを Threads に投稿して、インスタのストーリーズで共有する使い方をよくしています。便利。

国産SNS の Gravity は、SNS疲れを癒したい人向けのサービスと謳われているだけあって、居心地がいいです。拡散性はなく、匿名性が高い。利用者層は20〜30代が半数以上を占めています。フォロワーとの距離が近く、個人のファンを獲得するのに向いていると思います。クリエイターを支援する仕組みがあり、一定の条件を満たすと「グラビター」として活動することができます(たまに投稿する程度の私は、昇格できていません)。

Facebook は、いちばん長く利用しているかもしれません。今は、猫まんがのお知らせとお仕事報告を時々しています。活動当初からご贔屓にしてくださるフォロワーさんがいるので、定期的に発信するようにしたいです。

他には Mastodon にもアカウントを持っていますが、おすすめ機能がなく、タイムラインが寂しいので休眠中。

2) Instagram の代わり(ポートフォリオ系)

私は特定の団体やエージェントに所属していないので、最新の制作物を一覧できる場所は、予備を用意しておきたいです。でも、こちらは悩みどころで。Pinterest に以前投稿していたのですが、運営の仕方があまり好きになれず、アカウントは削除しそうな予感です。絶賛放置中の Behance に手を入れたり、note でイラストのまとめを定期的にアップしたりしようかな。こんなのあるよ〜とご存知の方、よかったら教えてください!

海外からの受注もしたい

将来的に、海外案件も受けたいと野望を抱いています。SNS でのおもな取り組みは、
・Instagram(日英両方でキャプション入れる)
・X(英語アカウント)
の2つ。しょぼい。
でも、X の運用には時間的・キャパシティ的に限界を感じていて。随時発信するより、Behance の定期的な更新や、コンペなど他のアプローチに注力する方が現実的ではないかと思い始めています。

同業者向け情報は切り分ける

イラストレーターに役立つ情報を発信したくなることがあり、現にそうすることもあるのですが、ファンや取引先の方に見られることの多いアカウントでは控えめにしていこうかと思っています。note など、媒体を限定して投稿していきたいと考え中。

私の SNS 使い分けマップ

複数の SNS を運用する場合、
1)全ての SNS で同じ情報をコピペ発信する
2)SNS の特性によって発信内容を変える
の2パターンが考えられます。

1)の場合、更新作業は単調で事務的になりますが、イラストの認知アップを目指すなら、時短で効率的だと思います。
2)は、運用の工夫ができて楽しい方法です。ファンの人に、SNS によって異なる内容を届けることもできます。一方で、複数の SNS で情報を追うための時間的負担をかけてしまうデメリットも。

私は単調な作業に飽きやすいため、2)を基本としつつ、お仕事実績はなるべく多くの SNS で発信していこうかと考えています。私の使い分けイメージをざっくりと図にまとめてみました。

SNS・オウンドメディアの使い分けイメージ

・発信内容を「 Official ↔︎ Private 」「イラスト・まんが ↔︎ テキスト情報」の2つの軸で表しました。
・Official =お仕事関係、Private =それ以外。
・SNS ではないですが、オウンドメディアとして自サイトの位置づけも加えました。

優先順位をつけてみた

それぞれ使いどころはあるでしょうが、すべての SNS を同じ熱量で走らせるのはとても無理。仕事や制作物の発信を優先した場合、私は

0)サイトの制作実績(お仕事のみ)
1)Instagram
2)X(国内)
3)Behance(お仕事のみ・海外向け)
4)その他(余裕があれば+息抜き)

……の順に投稿するようにしたいと考えました。準備が手軽な SNS に投稿しがちなのですが、自分のサイトはなるべく新鮮な状態に保つことを心がけたいと改めて思いました(Google からの評価は大事)。新作ができたら、インスタと X に投稿して、現在進行形で活動していることをアピール。オフィシャル度合いが高く、お問い合わせの多い窓口から、優先的にメンテしていけたらと思います。

これからも新サービスは増えるはず

私の方針は、新しいものにはとりあえず登録する、それ一択です。
ためらわない理由としては、新しい技術にキャッチアップしたいのと、それが自分に合った使い方のできる SNS に育つ可能性があるためです。活動名でとりあえずアカウントだけ確保しておく、というのは大アリだと思います。しばらく使ってみて合わない、手をかける時間がないと思えば、保留または削除。それでいいですよね。

おわりに

仕事をする上で、無料で使える SNS各種にはとても感謝しています。イラストを発信するにあたっては様々な問題もありますが、宣伝効果と秤にかけて方針を決めていけばいいかなと思っています。

今回の話は、すべて「床山すずり」の名前で運用中のアカウントのことです。X に書きにくい事は Threads で、というような使い方をすることはありますが、それでも、人目に触れるものであることには変わりない。調子に乗って口を滑らせたりしないよう、戒めながら付き合っていきたいと思います。あとは制作そっちのけで、宣伝のことばかり考えすぎないようにするのが私の課題です……。

お仕事・自主制作・宣伝。バランスをとりつつ、できることをがんばっていきましょう〜!


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