粉雪の楽しみ方　#会員制の粉雪　#怪人制御冷や麦　#毎週ショートショートnote

先輩に、誘われてやってきた。
怪しげなビル。

「『真っ白』あるよ。
どうする？普通のにする？」
顔中ピアスの店員に
先輩が『黄色』と『真っ白』を
注文した。

僕は初めて『会員制の粉雪』を体験する。


小瓶と一緒に運ばれて来た『粉雪』
先輩に『黄色』を渡された。

テーブルに紙ナプキンを敷いて
粉をパケからサラサラと落としていく。
僕も真似する。

「いきなり吸うなよ」
そう言われ、先輩の様に
粉雪に顔を近づけた。

甘い香りがする。
漂う香りに懐かしさが
こみ上げてきた。

先輩の真似をして小指の先手に
『粉雪』をつけた。

舌の先に乗せる。

先輩を見ると、
ニヤリと笑い
小瓶のドリンクを煽った。

僕も真似して小指についた
粉を舐め取り、小瓶を傾ける。

脳内で再生される
懐かしい思い出。
なんだろう。
再度小指に粉を絡めて
口内へ運ぶ。

手についた粉を舐め取っていた
子供時代とは、違う。
僕は今子供の時にできなかった。

『ハッピーなコーン』の
『粉』のみを堪能する。
小瓶のラムネが喉を潤していく。

【412文字】

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