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シミュレーションはGPTとやっとけって話?:読書録「努力革命」

シミュレーションはGPTとやっとけって話?:読書録「努力革命」

努力革命 ラクをするから成果が出る!アフターGPTの成長術
著者:伊藤羊一、尾原和啓
出版:幻冬舎(Kindle版)

もうChatGPT なんかの生成AIに関する本は読まなくていいかなぁと思ってたんですけど、
GPT4oが出て、ちょっと気分が上がっちゃって、ついついポチっとしちゃいました
尾原さんは「DX進化論」「アフターデジタル」なんかを読んでて、ちょっと興味深い作者さんだと思ってたっていうの

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「書店も当たり前の小売店にならなきゃいけない」と言う話かな:読書録「2028年街から書店が消える日」

「書店も当たり前の小売店にならなきゃいけない」と言う話かな:読書録「2028年街から書店が消える日」

2028年街から書店が消える日
・著者:小島俊一
・出版:プレジデント社

書店で見かけて、気になってついつい購入してしまった本。
さすがにこの内容ですからね。
電子書籍にはなってないようです。

買ってから知ったんですが、作者は松山の明屋書店の社長をされておられた方でその立て直しの手腕を買われて、コンサルティングを今されておられる方のようです。
明屋書店の社長をしたのはトーハンからの出向だったら

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メディアへの告発と期待:読書録「書いてはいけない」

メディアへの告発と期待:読書録「書いてはいけない」

・書いてはいけない 日本経済墜落の真相
著者:森永卓郎  ナレーター:芽守紘一
出版:フォレスト出版(Audible版)

森永卓郎さんの意見にはピンと来ないことも多いんですけど、Audibleの中にあったのでつい…
まぁ興味深く読むことはできました
賛同するかどうかは別ですけどね。

とりあえているテーマは3つ
ジャニーズ問題
財務省問題
日航機墜落問題
これらの点について自分の経験も踏まえて色

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晩年はまぁ上田秀人さんの小説でフォローしていると言うことで:読書録「生きて候 本多正信の次男・政重の武辺」

晩年はまぁ上田秀人さんの小説でフォローしていると言うことで:読書録「生きて候 本多正信の次男・政重の武辺」

・生きて候 本多正信の次男・政重の武辺<上・下>
著者:安部龍太郎
出版:朝日文庫(Kindle版)

戦国武将の中では、結構好きな方になる「本多正信」の息子「本多政重」を主人公とした小説。
上田秀人さんの「百万石の留守居役」では、後半ほとんど主人公化していた前田家の筆頭家老です。
あの小説では、年老いて父親の正信のような清濁合わせ飲む政略家になった姿でしたが、本書では、その前半生、戦さ人として駆

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一歩引いて論理的に考えましょうよ…って感じでしょうか?:読書録「世界は経営でできている」

一歩引いて論理的に考えましょうよ…って感じでしょうか?:読書録「世界は経営でできている」

・世界は経営でできている
著者:岩尾俊兵
出版:講談社現代新書(Audible版)

ちょっと本屋の店頭なんかで見かけることがあって、気になってたんですけど、Audibleの中にあったので聞いてみました。
なかなか面白かったですよ。

作者の主張は作者自身がまとめてくれています。

1 本当は誰もが人生を経営しているのに、それに気づく人は少ない。
2 誤った経営概念によって人生に不条理と不合理が

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エピローグとしての前日譚:読書録「受験生は謎解きに向かない」

エピローグとしての前日譚:読書録「受験生は謎解きに向かない」

・受験生は謎解きに向かない
著者:ホリー・ジャクソン 訳:服部京子
出版:創元推理文庫(Kindle版)

爽快な青春推理小説だった第一作から、予想もしなかったダークサイドに足を踏み込み、苦悩の末に、ようやくそこから抜け出した第三作。
驚くべき三部作の前日譚となる番外編です。

推理ゲームをするために仲の良い友人たちと集まったピップ。
あまり乗り気になかった彼女もゲームが進むうちに、徐々にのめり込

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ゴールデンウィークの宿題に取り組みました:読書録「ピカソは本当に偉いのか?」

ゴールデンウィークの宿題に取り組みました:読書録「ピカソは本当に偉いのか?」

・ピカソは本当に偉いのか?
著者:西岡文彦
出版:新潮新書(Kindle版)

ゴールデンウィーク倉敷の美観地区に行った時に息子と娘は大原美術館に入りました。
思ってたよりも面白かったらしくて、1時間以上ぶらぶらしていたのですが、帰りの車の中で
「ピカソのどこがええんか、よう分からん」
とありがちな疑問が出てきましたw。
その時は「僕もようわからんけど」と言いながら、キュービズムの美術史的な位置づ

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立ち直るきっかけっていうのは、そんなにドラマチックじゃなくてもいい:読書録「月の立つ林で」

立ち直るきっかけっていうのは、そんなにドラマチックじゃなくてもいい:読書録「月の立つ林で」

・月の立つ林で
著者:青山美智子 ナレーター:川﨑芽衣子、松本章太郎
出版:ポプラ社(Audible版)

青山美智子さんの作品は、人生の中で立ち止まってしまった人が、ちょっとしたきっかけでもう一度歩み出す姿を描くパターンが多いです
そのちょっとしたきっかけか、図書館でもらったオモチャだったり、公園にあるカバのアニマルライトだったりw。
本書の場合は、それが「podcast」と言うことになります

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なるようになった物語:読書録「関ヶ原」

なるようになった物語:読書録「関ヶ原」

・関ヶ原<上中下 合本版>
著者:司馬遼太郎
出版:新潮文庫(Kindle版)

真田広之の「SHOGUN将軍」を見て、元になった「関ヶ原」の流れを改めて確認したくなって久しぶりに読んでみました。
「SHOGUN」シーズン2があるかもって記事が、読んでる途中で流れて来たりもしましたw。
多分最近の研究なんかを反映すると、司馬遼太郎の「関ヶ原」は古くなってる分が少なからずあると思うんですけど、僕はこ

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名探偵のアイデンティティはどうあるべき…:読書録「紅蓮館の殺人」

名探偵のアイデンティティはどうあるべき…:読書録「紅蓮館の殺人」

・紅蓮館の殺人
著者:阿津川辰海 ナレーター:岡井カツノリ
出版:講談社タイガ(audible版)

高校生探偵の葛城と友人の田所は、学校の合宿を抜け出して、尊敬する推理小説作家・財田雄山の別荘を訪問することにする。
しかしながら、予想外の山火事に遭遇し、2人は財田の別荘である落日荘に財田の家族とともに閉じ込められることになる。
10年前に田所が出会った元探偵の飛鳥井たちも避難してくる中、財田家の

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「虎に翼」の続編?w:読書録「静おばあちゃんと要介護探偵」

「虎に翼」の続編?w:読書録「静おばあちゃんと要介護探偵」

・静おばあちゃんと要介護探偵
著者:中山七里 ナレーター:沢井真知、佑仙勇
出版:文春文庫(audible版)

中山七里さんの作品がなかなか面白いので、目についたAudibleの作品をダウンロードしてみました。
まぁちょっと軽めのほうがいいかなっていうのもありまして、このシリーズ。

日本で20人目の元・女性判事「静」(80歳)と、名古屋経済会の重鎮で下半身不随で車椅子に頼らざるを得ない要介護状

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マイノリティーの人権にどう向き合うべきか:読書録「トランスジェンダーと性別変更」

マイノリティーの人権にどう向き合うべきか:読書録「トランスジェンダーと性別変更」

・トランスジェンダーと性別変更 これまでとこれから
編者:高井ゆと里
出版:岩波ブックレット

ゴールデンウィークの帰りの車の中で、なぜか家族でトランスジェンダーの話になっちゃったんですよね。
どういう経緯だったか全然覚えてないんですけど、
内容的にはトランスジェンダーがトイレに入ってくる問題とか、
JKローリングとハリーポッターの俳優たちとの軋轢とか、
まぁ雑談&お気持ち話みたいなものだったんで

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明治の人たちはこれをどんなふうに楽しんで読んでたのかな?:読書録「それから」

明治の人たちはこれをどんなふうに楽しんで読んでたのかな?:読書録「それから」

・それから
著者:夏目漱石 ナレーター:西村健志
出版:audible版

「なぜ働いていると本を読めないのか」の中で、谷崎潤一郎の「痴人の愛」は、新聞連載小説で、当時のサラリーマンたちに受けていた…みたいな話があったんですよね
「名作」と言われている小説も発表された当時には、世間受けするような物語であった…と言う点がちょっと意外な感じもあって、
「そういえば漱石の小説も朝日新聞に連載されてたんだ

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連想を物語る小説:読書録「不思議な時計 本の小説」

連想を物語る小説:読書録「不思議な時計 本の小説」

・不思議な時計 本の小説
著者:北村薫
出版:新潮社

<宮さん、宮さん>の調べが響く萩原朔太郎の遺品の時計
行き着くところはそこなんだけど、本や映画、演劇等々に記憶の連鎖を追いかけるようにして、そこまでの逍遥を9つの連作にした作品です。
泉鏡花文学賞をとった「水 本の小説」の続編。
…って、内容が続いてる訳じゃないです。

昔の映画「猟奇島」
「痴人の愛」小説、洋画の邦題
映画語り
穂村弘のエッ

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