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今年の厄割りチャレンジ。

毎年初詣に出かける神社には素焼きの小皿を購入し、息を吹きかけてから所定の石(厄割り石)に投げつけて割り、厄を落としましょうというコーナーがある。
物を投げるのが得意な方にはさぞかし痛快なセレモニーだろうけど、投てきのセンスを生まれ持ってこなかった私にとって、これが毎年最初の試練となる。

標的(?)となる厄割り石は、たしか横幅5.、60センチ程度&高さ30センチ程度と、決して小さくはない。そして自分の足先から標的まではほんの1.5メートル程度しか離れていない。それなのにわたしは一回で割った試しがないのだ。4、5歳の子どもが難なく割ってゆく隣で、私の投げた皿はあさっての方向に飛んでいってしまったり、石に当たっても割れずにバウンドしてしまったり。両手で持って少し力を込めたらへし折れそうな素焼きの皿なのに、投げた皿が割れずにバウンドするなんて。ある意味強運の持ち主かもしれない。

ちなみにこの皿割り、あくまでも任意の儀式だから別にやらなきゃそれで済む話。それなのに毎年どうしてもそのコーナーを素通りすることができない。ヘタクソなのに闘争心だけは人一倍みなぎらせてしまって我ながら面倒臭いけど今年もチャレンジだ!と正月3日に初詣へ出かけた。

投てき、もとい、厄祓いにはもちろんお金を納めなきゃならない。去年までは皿一枚につき100円だったのに今年行ってみたら200円に値上がっていた。こんなところまで物価高騰の波が及んできたかと思う。
そして、三が日の神社は混雑していた。厄割り石のコーナーには皿を投げつけたい人が列を成していた。普段の正月であれば実家へ帰省しているため三が日を過ぎて初詣に出かけることが多く、その頃には混雑も収まっていて投てきも心置きなく挑戦してこれたのだけど、今年は背後に何人ものギャラリーがいる中での投てきとなった。当然緊張を強いられ、2024年の第一投は案の定、厄割り石の上で軽やかにバウンドして向こう側へ軟着陸した。
しかし。この厄割りチャレンジには、わたしのような不器用者のために"割れなかった皿は拾って何度でも割れるまで投げてもいい"という救済ルールが設定されている。まさに神ルールである。しかし、わたしはある時まではそのルールにさえ気が付かず、割れるまで何枚も皿を買い足して(お納めして)チャレンジしてきた強者である。
ということで一投目失敗の後、一瞬の躊躇を乗り越えて恥をしのんで厄割り石の向こう側までコソコソと回り込み、割れずに落ちたマイ皿を拾い上げると再び定位置へ戻った。しかし動揺しまくったままの2投目に安定の投てきなど期待できるはずもなく、へなちょこな軌跡を描いたマイ皿は何とか石には当たったものの、縁がかろうじてうっすらと欠けた程度だった。

本当はパキーンと割れるまでやり直したかった。しかし順番待ちのギャラリーの手前3投目への挑戦は憚られ、少しだけど欠けたからまあ良し、とした。今年のチャレンジもまた完全なる不完全燃焼だった。来年も頑張ろう。

そんなわけで今年もよろしくお願いします。

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