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トキメキNo.20 〜方位磁石のペンダント〜

トキメキシリーズ更新。
記念すべき第20回に相応しい一品を。

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小さな方位磁石のペンダントである。

方位磁石といわれてまず思い出すのは、「オリエンテーリング」だ。オリエンテーリングをご存知だろうか。

オリエンテーリング(英語:Orienteering)は、地図とコンパスを用いて、山野に設置されたポイント(コントロール)をスタートから指定された順序で通過し、フィニッシュまでの所要時間を競う野外スポーツの一種。 19世紀中頃スウェーデン軍が訓練の一環として始めたといわれる。 日本ではしばしばOLと略される

Wikipediaより

しばしばOLと略されているとは知らなかった。略称があるなんて人気者の証ではないか!しかもOLだなんて、なんだか艶っぽいし。それではせっかくなので今回の記事は略称で書かせてもらうことにしよう。

あれは小学六年生の時、夏の林間学校でOLが実施された。
競技のためにクラス内で数名のグループを組まされたのだが、ラッキーなことにわたしのグループにはクラスで1、2を争う秀才のイガラシくんがいた。イガラシくんは地図と方位磁石を駆使し、実にスムーズにポストを次々見つけてくれて、わたしたちは彼の後ろをスキップしながらついて行くだけで良かった。
道中一度たりとも迷うことなく、しかも最短ルートを辿ってのゴールだったのだろう。待ち受けていた先生に、もう帰ってきたのか!と驚かれる速さだった。文句なしのぶっちぎり優勝で、数少ない過去の栄光のひとつである。

あの小6時代のOLが、私にとって唯一の方位磁石を活用した場面だった気がする。厳密に言えばあの時磁石を活用していたのはイガラシくんをはじめとする男子たちで、わたしは使ってはいないけど。。

あれからウン十年、ナビゲーションシステムが発達して方位磁石は日常の暮らしの中から忘れられた存在となった。
人間の方向感覚が鈍ってしまいそうな今こそ、方位磁石のペンダントである。

あまり寄れてないし、
ピントも甘いかもしれませんがご勘弁を。



さて方位磁石には、針がオイルに浸されている「オイル式」と、オイルの入っていない「乾式」の2種類があり、オイル式の方が針に余計な振れが生じることがなく正確らしい。今回の方位磁石のペンダントは小さいながらもオイル式。なんか誇らしい。
この画像でどれだけ伝わるかわからないのだけれど、文字盤のデザインがなんともレトロ。目盛りまで抜かりなく可愛い。もちろん針は常に北を指してくれる。ただし文字盤の直径が約1.5センチくらいと小さいためどちらが北かを読み取るのがなかなか難しい。
付属のチェーンはかなり古ぼけていて無骨。しかし、"方位磁石"というファンタジーにはこれくらいで丁度良い。
胸にぶら下げた方位磁石を俯き加減で見つめながら、「これは亡くなった父さんからもらったの。」と健気な眼差しにふと翳りをよぎらせるジブリの主人公になった気分を味わうことができる。

そんなわけでとにかく気に入って頻繁に身に付けていたある日のこと、方位磁石をなくしてしまったことがあった。ペンダントの台座の接着が弱くなっていたらしく、知らないうちに磁石が外れてしまったようだった。仕事からの帰り道のどこかで落としたと思われ、ショックに打ちひしがれていた数日後、なんと、持ち歩いているカバンの中から方位磁石がコロンと出てきた。
外れた時にうまいことカバンの中に落ちてくれたのか、はたまた物理の法則を超えた奇跡の現象か。いずれにしても神に感謝である。

その後は再び失くすのが怖くて一度も身に着けていない。同じくトキメキシリーズの朱塗りのオルゴール(画像下)の中にしまったままである。

50円也。


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