見出し画像

テート美術館展の混雑に思ふ。

テート美術館展 光
という魅惑の展覧会が国立新美術館で開催されていると知り出かけてきた。

展示されている作品は新旧名だたるアーティスト達の素晴らしいものばかり。誰でも知ってるようなメジャーどころの作品が揃い踏みのゴージャスな展覧会だった。
ということはちょっと考えれば混雑していることなど容易に想像がつくはず。なのに毎回その辺りを考えずに心構えなく出かけてしまう。

会場はとにかくもう人、人、人。遠慮していては作品に近寄れない。
さらに最近の展覧会へ出かける度にずっと気になっているのだけど、終始スマホのシャッター音があちこちで鳴り響き続けているのも気になってしようがない。あれはなんとかならないものか。心頭滅却するだけの集中力を養う努力はするけれど、作品を眺めている視界の中にまでスマホを持った腕が突き出されてきた場合に対応しうるだけの諦観力をこの人生で備える自信はない。
今回の極めつけはとあるおじいちゃんの携帯の着信音がさんざん鳴り響いているのに本人はそれになかなか気付かず、ようやく気がついて電話を手にしたときにはすでに電話は切れていた。鳴り止んだことにほっとしたのも束の間、なんとそのおじいちゃん、その場で電話をかけ直し始めたのだ。

ヴェスヴィオ火山噴火を描いた名画の前で「もしもし?もしもし?」と声を張り上げ連呼するおじいちゃん。眼前は2Dも3Dも阿鼻叫喚である。

混雑する観光地からの帰り道に母がよく言っていた、「今日は人を見に行ってきたようなもんだ。」を今回はわたしも使わせてもらおう。
気になる作品とも思うようには向かい合えず、満足のいく鑑賞ができなかったので図録を買って展覧会を後にした。(ついでにトートバッグも買っちゃった♪セット割引♪)
かつて来日したマイケルジャクソンが東京ディズニーランドでそうしたように、展覧会をまるまる借り切って鑑賞したいものだなあ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?