#149 読書日記24 絵本がおしえてくれる共生と助け合い うんとこしょどっこいしょ!
発達心理学では、幼児期の読み聞かせが抽象概念の形成に大きな役割を果たし、その後の情緒形成や学習に影響を与えると言われている。
3人の息子たちに、布団の中で読み聞かせた絵本。
「もう一回読んで!読んで!
ねえ、もっかい読んで!!」
せがまれて何度も何度も、くる日もくる日も読んだ数々の絵本。
読んでいるうちに、だんだん眠くなっていき、やがて電池が切れたようにぱたりと眠りにつく私であった。
『てぶくろ』
犬をひきつれて森のなかを歩いていたおじいさんが、てぶくろのかたほうを落としてしまいました。
雪のうえに落ちていたてぶくろにネズミが「ここで暮らすとするわ」といって住みはじめました。
そこへ、カエルやウサギやキツネ、オオカミ、イノシシがつぎつぎとやってきて、「わたしも入れて」「ぼくも入れて」と仲間入りしました。
てぶくろは、そのたびにすこしずつ大きくなっていき、今にもはじけそう。
最後には、大きなクマまでやってきました。
てぶくろの中はぎゅうぎゅうづめ!
そこにおじいさんがてぶくろをさがしにもどってきました。
さあ、いったいどうなるのかなぁ?
Z z z z z z z‥‥
『てぶくろ』ウクライナ民話
絵:エウゲーニー・M・ラチョフ
訳:内田 莉莎子
『おおきなかぶ』
おじいさんが植えたかぶが、あまくて元気のよいとても大きなかぶになりました。
おじいさんは、「うんとこしょどっこいしょ」と声をかけてかぶを抜こうとしますが、かぶは抜けません。
おじいさんはおばあさんを呼んできて、いっしょにかぶを抜こうとしますが、かぶは抜けません。
おばあさんは孫を呼び、孫は犬を呼び、犬は猫を呼んできますが、それでもかぶ抜けません。
とうとう猫はねずみを呼んできます。
ねずみは、孫娘を呼び、孫娘がおばあさんを、おばあさんがおじいさんを呼んで、おじいさんがかぶをつかんで引っぱりました。
するとかぶが
Z z z z z z z‥‥
『おおきなかぶ』A・トルストイ ロシア民話
絵: 佐藤 忠良
訳:内田 莉莎子
2年前に再注目されたウクライナとロシアの作品である。
ともに名作である。
翻訳の力は大きい。
翻訳された内田 莉莎子氏(翻訳家、児童文学者、ロシア文学者)が生きていたら、現在の状況をさぞかし悲しんだことだろう。
ちょうど2年前、報道を目にした息子が「あっ、ロアシアとウクライナと言えば、あの絵本・・・・」と言ったのだ。
今から10年前の中2の時、平穏だったロシアにピアノ修行へ行った息子は、芸術と文学の偉大さや人々の優しさに触れ、多くの刺激を受けたのだった。
ウクライナ侵攻が始まってから2月24日でちょうど2年となる。
根の深いかぶを引っこ抜くのは誰かな。
うんとこしょどっこいしょってね。
みんな、ひとつの手ぶくろに入って仲よくすればいいのに。
語りつぐことで子どものこころは育つ。
あらゆる物語が途切れたとき、それは人類の終焉となる。
心は聞いた言葉でつくられる。
未来は話した言葉でつくられる。
今日はこれで「おしまい」
さあ寝るよ。