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お腹の大きい生活が始まった!【子どもが教えてくれたこと#03】

【エッセイ毎日更新チャレンジ中!】
親になり10年余りが経ちました。子育てとは名ばかりで、小さな息子から「教わる」ことのほうが多かった日々。 私の抱えていた価値観がボロボロと剥がれ落ちて、自分の世界がぐっと拡がり、忘れていたものをたくさん思い出したプレシャスな時間でした。そんな10年間をつづります。 [子どもが教えてくれた30のこと]  

●こんな方に読んでいただきたいです
・今、絶賛子育て中の方
・これから子育て予定の方
・かつて、子どもだった全ての方

●このnoteを通して叶えたいこと
息子が教えてくれたことを、いつかはエッセイにしたいと、数年思い描いていた夢。このnoteにつづることで、いつか1冊の本になると信じて!

●チャレンジ宣言
2023年12月31日まで毎日1記事更新!『親になる前』 #01 子どもが教えてくれた30のこと

妊娠したと分かったものの、私の生活は変わらず「仕事」中心に進んだ。パソコンに向かって得意先向けの提案書を作ったり、得意先を訪問したり。ただ、お腹が少しずつ大きくなるにしたがって、自分の変化を感じ始めていた。難しいことが考えられなくなるのだ、長文も読めなくなり驚いた。本を読んでも、一向に文字が頭に入ってこない。同じところを何度も読みなおすため、ページが前に進まなかった。パタンと本を閉じた。

正直、母親になるイメージは全くついていなかった。身近な友人で子育てをしている人はほとんどいなかったし、毎日の仕事に精いっぱいでなかなか先のことを考えられなかったからかもしれない。得意の先延ばし癖で、まぁ産まれてきたら何とかなるだろうと考えていたからかもしれない。

2~3年前だろうか、会社では、しきりに働き方のロールモデルを見つけよう、と発信をに力を入れていて、女性向けのキャリアセミナーが開催された。何人かの女性先輩社員が登壇して、自分の働き方のケースを話してくれていた。でも、私にはどの方のお話もいまいちピンとこないままだった。ご両親の手をたっぷり借りて子育てをされている先輩、独身貴族を謳歌されている先輩、キャリアを積むことを最優先に人生の選択をされている先輩。そのどれもが、私ではない気がしていた。

唯一、一番仲の良い同期入社の友人が、私の母としての参考だった。私よりも、5.6年先にワーキングマザー生活をスタートしていて、社内でも仕事と子育ての両立の先駆け的な存在だった。「私は、夫とずっと二人で過ごせたらいいの」なんて言っていた彼女が、あっという間に二児の母となり、仕事に子育てに、社内に先輩がほとんどいない中、道を開拓していっている姿に勇気をもらっていた。ワークライフバランスという言葉もなかった時代のことだ。

それまでの私は、言った事は生涯かけてやりぬく、変わらないことがかっこいいという人生観を持っていた。だけど、子どもを産まないと言ってた彼女が、親となり、今や社内で初めてのワーキングマザーとして道なき道を切り開いていっている姿が本当にかっこいいと思った。「変わる」ってとても素敵なことなんだな、彼女を見てそう深く思った。

そんなことを考えながら、私の妊婦生活は進んでいった。大きなお腹を抱えながらも、私の生活は相変わらず仕事仕事だった。妊婦としての努めは月に何回かの産院での定期健診くらい。母親学級や父親学級が、自治体で開催されているのは知っていたけれど、平日は仕事、休日は夫とのせっかくの休み、そう思うとなかなか足を運ぶ機会もないまま私は臨月を迎えた。妊娠・出産・育児の知識を全く持たずして、臨月を迎えたといっても過言ではない。

会社からもらえた産前の休暇も、社会人生活が始まって以来の長期休暇くらいに甘く考えていた。臨月くらいは妊婦生活を堪能しようと、産前の休暇も、最初の数日は東京の自宅で過ごし、後は広島の実家で上げ膳据え膳の里帰り出産をしようと気楽に新幹線へと飛び乗ったのだった。


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