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ジャーナリスト小山美砂さんから何を学んだか、ふりかえる 木曜2限⑭最終回

年が明けて1月18日木曜2限の「スタディ・スキルズ講座」第14回は後期の最終回、『「黒い雨」訴訟』でJCJ賞を受賞したジャーナリスト小山美砂さんの贈賞式の挨拶とオンライン講演会の映像記録を視聴して、現場を取材する、当事者に会うことの大切さを考えました。小山さんのお話から学んだ「ふりかえり」です。(誤字を含めそのまま転載)
<第14回の授業のふりかえりを、いつものように自由に書いてください。後期の最後になる第14回の授業は、映画「沖縄カミングアウト物語」の松岡弘明監督にゲストスピーカーとして講義していただく予定でしたが、松岡さんが体調が悪くなり来れなくなってしまったため、急きょ予定を変更して、ゲストに迎えたかったもう一人の候補の小山美砂さんのお話を映像で聴いていただきました。映像は、鈴木が昨年取り組んだ際の記録から見ていただきました。■第66回 JCJ賞贈賞式(2023)記念講演+贈賞式 (youtube.com)
■〈2023年度JCJ 賞受賞記念 Online講演会〉「原爆「黒い雨」訴訟に学んだジャーナリストの仕事 (youtube.com) > 

◆小山さんの話を聞いて、実際に人に会って話を聞くことの大切さを再実感した。インターネットが発達して、情報を得ることだけであればとても容易にできるようになった現代において、実際に人に話を聞くことが大切であると考えた。何故なら当事者の目線から見た情報によって新たな視点から物事をみることができるようになり、その出来事に関してより立体的に考えられるようになるからである。動画の中で他にリソースを割くべきであるという意見が出たということが言われていたが、違う視点から物事を考える上で小山さんのようなジャーナリストという仕事は重要であると感じた。(3年)

◆同じ原爆の被害者であるのにも関わらず、地図上の線引きによって対応が変わってしまう点にとても驚きました。このような問題について他人事のように考えるのではなく、自分たちのことのように受け止めて一緒に解決していこうとする姿勢が大切なのだと感じました。また、実際に原爆の現場に行くことや直接証言を聞くことでしか分からない新たな学び・気づきもあると思うので、自ら行動を起こす必要性に気づくことができました。そして、そこで得た情報を理解したうえで他の人々にも分かってもらえるように伝え、困っている人々に手を差し伸べる必要があると感じました。私も少しでもより良い社会を形成するために、自分から進んで行動していきたいです。(1年)

◆今回の講義での動画を見て、初めてJCJという言葉を聞いた。ジャーナリストという職業に関して、あまり詳しくは知らなかったけれど、今回の話を聞いてすごく意味のある職業だと感じた。ただ、事実を伝えるだけでなく、その事実を通して、後世に残したいことを伝えるすごくいい職業だと思う。

記事を書く上で、被害者側の主張ばかりを伝えるだけで無く、様々な立場をとった中立の立場で伝えなければならないというのもすごく難しいことだと感じた。

原爆の被害は自分が思っているよりもはるかに大きく、病気になっても原爆との関係を否定できないということを聞いて、驚いた。どれほど被害が大きいのかということが伝わってくるし、ジャーナリストの方の伝える能力に感心した。そういった記事を読み、自分なりの考えを持ち、報道を自分にとって身近なことだと感じることが、報道を見て自分たちがするべきことだと思う。(1年)

◆「黒い雨」という言葉は知っていたが、つい最近まで黒い雨がもととなった社会問題があることを存じ上げなかった。多分、黒い雨訴訟をニュースで見たとしても「まだ戦争後遺症がある人がいるのかな」程度のことだったと思う。今回、初めて黒い雨訴訟の概要を学んだ。放射能の知識がない民衆がシャワーのように黒い雨を浴びて、外部被爆になる。それを後になって知り、後遺症で苦しむ。敗戦国となった日本はアメリカの意向をくみ取り被爆者救済を先延ばしにする。逃げ続けてきたが、被爆者と親族、関係者はあきらめなかった。当事者として家族が苦しみ、原爆によって殺される悔しさ、平和を訴えながらも被害者救済をしない日本政府に対する気持ちは時が経つにつれて怒りは増すだろう。2020年に勝訴しても、世界には何万発もの核爆弾が眠っている。根本的な解決にはなっておらず、同じことが起きたら当事者たちにそっぽを向いていくかもしれない。(3年)

◆私もマスゴミなどのワードは耳にしたことがあったのですが、マスメディアのあるべき形を再確認できたし、大変な職業だなと感じました。(3年)

◆今回お話しを聞いてみてジャーナリストというお仕事についてやっぱり難しいものだなと思いました。少しでも書く記事が寄った内容になると人々はそれを信じて、いいように解釈して世論とかも巻き込んでいく力があります。伝え方、書き方一つで受け取る側も全く別の解釈で受け取れてしまうというので、ジャーナリストの伝える力はすごいと思いました。(1年)

◆今回小山さんのお話を聞いて、自分でやりたいことを納得の行くまで突き詰めている姿に心動かされた部分が多くありました。ジャーナリストの道はとても難しいイメージがありました。実際にも小山さんは多くの苦労や経験をしているのだなと思いました。「黒い雨訴訟」が出来上がるまでの経験としてとにかく聞きまわることが大事といって多くの方にインタビューをしていたこと、その中でも私が印象に残っているのは、インタビューをしたうえで、人として反省しなければならないことがあったと言っていたことです。調べるうえで取材は大事で、そこでも聞き方とかどこまで聞いてよいのかというのはとても難しいラインなのかなと思います。いいことばかりではなく、反省もあったけどという形で経験を聞いて、よりジャーナリストとしてのお話が聞けたかなと思いました。(2年)

◆私は今回の授業で初めてJCJ賞というものを知りました。
JCJ賞とは戦争のためにペンやカメラをとらないという理念の下、優れたジャーナリストを表彰したものです。
映像では集英社新書『「黒い雨」訴訟』の著者である小山美砂さんの演説を視聴しましたが、「黒い雨についての文献が全くなかった」という話や被爆者のその後の処遇を聞き、国や当時の世間、メディア、そして被害者自身も「黒い雨」被害を軽視し続けていたことに衝撃を受けました。
確かに、ウクライナへのロシア侵攻やガザの問題などの新しい問題もあり、不安定な国際情勢から現在も「新しい戦前である」という意見もあります。しかしながら小山さんの「「戦後」は終わっていない」という言葉はとても心に響きました。
また「黒い雨」被爆者の当人ですら私たちより酷い被害の人がいるのだから、といった考えから被害を訴えることができない人もいたという話から、戦争被害、災害被害等の様々な被害は比べるべきではないと思いました。下方比較をすることは自身を苦しめるばかりではなく、同じような被害にあった人々の言葉を奪いかねないと考えます。
日本は世界で唯一原爆の被害を受けた国であるため、この悲惨さを世界に、そして若い世代にも伝えていくべきだと思いますし、海外の方を含め、すべての人が目を背けずに考えるべきだと感じました。(1年)

◆原爆のことなど深くかんがえさせられるお話だった。自分自身、広島で生まれ原爆ドームも近かったがこれほどまで深く考えたことはなかったなと感じる。小山さんは小山さんで疑問に思っていることがあり、ぼくもまた新しく疑問に思うことが新しくできたので自分なりにしらべて考えていきたいなと思った。(1年)

◆被曝した際のことを空から黒い不気味なものが降ってくるというような例えから、黒い雨という名前がよなれるようになった。この方は黒い雨が被曝した人たちにどのような私生活をさせてきたのか、被爆者たちを何か救うことができたのかなどという問いを、現地の方からの話を聞いて黒い雨という題材を経て、賞を獲得した。このような自分の興味ある題材を自分自身の言葉で、人に伝えることはそう簡単ではないが1人でも自分の意志が伝わるような努力をし結果を残すことができるということに感心した。(3年)

◆小山美砂さんの映像を見て私に足りないものは探求心だと感じました。授業で学んだことに興味を持つことが多く気になったことを自分なりに調べてたり、分析したりするのですが、いつもそこで終わってしまいます。自分の中だけで完結してしまうから、気になったことをとことん取材していく小山さんには学ぶ点が多かったです。また私は「黒い雨」についてほとんど知らず、今回の動画を視聴して被害者の深刻な状態であることを知りました。そして小山さんのように取材したり、本を書いたりする行動力がないので、せめて授業で知った「黒い雨」のこと知らない人に伝えていくことが今の私にできる最大限のことだと思いました。”あるべきだ”や”しなければならない”など客観的に物事をみるだけにならず、少しずつ自分の考えを実行に移していきたいです。(1年)

◆黒い雨という言葉は聞いたことがあったが、詳細は知らなかったので学びになった。鈴木さんのお話の中で、川を境に被爆の有無を分けられていたということを初めて知った。まだまだ私の知らない原爆にまつわる話があると思ったので調べてみたい。(1年)

◆黒い雨は耳にしたことはあったが、細部までは知らなかった。それだけではなく、被爆者の方は決して平等に扱われていたのではなく、長い戦いがあったことも知らなかった。私たちのような戦争を知らない人が増えていく中で、どのように後世に伝えていくかは、重要な問題であると感じた。(1年)

◆「黒い雨」は名前だけ聞いたことがありましたが、改めて悲惨な出来事だと学びました。(1年)

◆黒い雨は井伏鱒二さんの作品で読んだことがあり、放射能を含んだ有毒な雨が降り、海では多くの魚がうち上がり、また水が汚染されたことで飲み水がなくなり、横川を流れる太田川などの川の水を飲んでしまい、被爆症で亡くなってしまう人も多くいたそうです。今回小山さんが「黒い雨」は被爆した方々のその後について詳しく書かれていないとおっしゃっていましたが、思い返して見ると、たしかにそうかもしれないと思いました。
自分は親の実家が山口の島なのですが、そこで曾祖母が生前話してくれたのが、島から広島市内まで直線距離で70キロ程度あろうかというのに、原爆が落ちたとき、これだけ離れた島からでも広島の空が真っ赤にそまり、きのこ雲、爆音が聞こえて来たと言います。
この時は影響が目に見える範囲が思っていたより広かったことに驚きましたが、黒い雨の範囲も島根県境付近まで及んでいたというのも非常に驚きました。
この小山の取り組みのお陰で多くの被爆者が救われたことと思います。これだけの実行力のあるジャーナリスト小山さんにはただただ感銘を受けるばかりです。(1年)

◆沖縄カミング物語は、すごくお気に入りになっていたので、監督に直接お会いすることを楽しみにしていました。残念でした。
授賞式のコメントを聞いて、マスゴミという言葉をプラスに考えている人がいたり、原爆について深く取材している人の話を聞いたりして、すごく刺激になりました。(1年)

◆JCJ賞を受賞した小山さんの話の動画見て、端的にジャーナリストはすごいなと感じた。小山さんは、話でも出ていたように原爆の「黒い雨」訴訟に関して、新聞記者のころから被害者にインタビュー、また記事を書き、真相を求めていたが、その後その「黒い雨」訴訟のために大阪支社から広島支社に移り、またさらにその新聞社をやめてまで、「黒い雨」訴訟についての記事を書き続ける点でとても感銘を受けた。またこの内容に関しては、原爆の影響で被害者がたくさん出ていることを知っていたが、このように「黒い雨」が降りそそいだことで、被害を受け、さらにその被害の援助を受けられていない人がいることに衝撃を受けた。(1年)

◆マスコミのことを「マスゴミ」と呼ぶ人が増えてきている。と1つめの動画で言っているが報道の自由を振りかざし被害者の傷心に土足で踏み荒らしたり加害者の情報は隠す癖に遺族・関係者の希望を無視して氏名を公開したり自分がマスメディアであることに傲り高ぶって人の心を失ったかのような取材姿勢の在り方のせいだと思った。(2年)

◆「ピカドン」という言葉は原爆の物語本や映画の中でよく耳にした記憶があるが、小山さんの言う通りその一言で片付けられるべきではないように感じた。町が破壊され、多くの人が一瞬で亡くなっただけに終わらず、放射線や「黒い雨」をはじめとした人々への二次・三次被害が絶えず続いたという内容を以前テレビで見た。ただ「原爆は悲惨な出来事だった」だけで終わらせず、原爆の細かな内容、例えば小山さんが注目した「黒い雨」を語り継ぐことが、歴史を後世に残すうえで最も重要なのだと考えるきっかけになった。(3年)

◆今回の授業では、「黒い雨問題」に焦点を当て、原爆「黒い雨」訴訟に関する取材経験やその背景に触れられました。感想としては、彼女の熱心な取材姿勢や被爆者への深いリサーチが印象的であり、ジャーナリストとしての責任感と情熱が伝わってきた。「黒い雨問題」に対する理解を深め、報道の在り方について考えさせられた。(4年)

小山さんが如何にしてジャーナリストになり原爆について書こうと思ったのかがわかったのでこれからの自分の未来を考える上でとても参考になる映像だった。実際に被爆者の方々の痛々しさもわかるような著書で心が痛くなった (1年)

◆まず、JCJ賞については今回初めて知ったのですが、マスコミやジャーナリズムのあり方について改めて考えることができました。ジャーナリストの方々はJCJ賞を取るために活動しているわけではないですが、これがあることによって小山さんのお話でもあったように日々の活動の励みになったり希望を持ったりできることはとても大切だと思います。ジャーナリストはそれぞれが課題解決に向けて活動をしているため、なかなか焦点が当たらないこともあると思います。その中で活動を「ちゃんと見ている」という意識をジャーナリストの方々に持ってもらうことで、受賞できなくともよりよい活動につながると思いました。また、あるべき論や不確かな情報・推論ではなく、ジャーナリストの方々が届けてくれる「現場の声」の重要性についても感じました。正確に現状が把握できたり、現場の声だからこそ他人事と考えている人達にも心を打たれる、そんなパワーを持っていたりなどの素晴らしさがあると思いました。私は毎週日曜日に放送されている「サンデーモーニング」という番組を見るのですが、コメンテーターとしてジャーナリストの方が出演しています。現場を知る人だからこそ分かる問題や解決方法を伝えてくれるのでより内容が重く受け止められるような気がします。次に、原爆の問題に関しては学校の教科書でいつどこでおきたのかを知っているだけで他のことはあまり知りませんでした。ですが、今回の小山さんのお話を聞いてまだ原爆による影響が続いていること、そして80年が経とうとしている今でも政府が適切な対応をしていないことなど問題は多くあることが分かりました。特に「黒い雨」について、一つの川を隔てて片方は支援されるのにもう片方では支援されないという線引きは私でもおかしいと思いました。実際に被爆した方はこれ以上の怒りを感じるのも当然だと思いました。また、小山さんのお話の中で「戦後はまだ」「昔話ではない」という言葉が印象に残りました。この問題は現在進行形であり、被爆者の高齢化が進む中で一刻も早い対応が必要だと思いました。政府も様々な問題を抱えているのでこの問題だけを重点的に支援することは難しいと思いますが、自分がもし被爆者で同じ状況に立たされていたらどうなのかという被爆者目線の対応を考えるべきだと思います。「なかったことにしたくない」という強い原動力の基ジャーナリストとしての道を歩む小山さんは本当に素晴らしいと思いました。最後に、持続可能なジャーナリズムについてもお話がありましたが、書かなくてはいけないという期限や評価に縛られるのではなく個々が探求し一般の人に伝えたいものを伝えられるようにすることが大切だと分かりました。熱意を持てる内容を伝える方がより人々の関心も集められるし、報道する側としても意欲の向上につながると思いました。(1年)

以上、22人。

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