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ライブペイント備忘録 【デザインフェスタvol.55 2022/05/21,22】

2022年5月21日・22日とデザフェスに参加しました。ライブペイントです。
前からやってみたいな~~と思いつつ、しばらく足踏みしていましたが今回思い切ってやってみよう!となりました。

抽選に受かった時は、後戻りできなくなったな~どうしようかな~~!!などと思って戦々恐々としていましたが実際やってみれば楽しいものです。
ライブペイントが初めてだったのと、アクリル絵の具をつかって絵を描いたのが15年ぶりくらいだったので色々と調べながら手探りでやっていきましたよ。
抽選に受かりさえすれば恐らくまた参加すると思うので、自分の備忘録のためまとめておきます。

ライブペイントをやったことがないけど興味がある人へ。
F6号サイズ(410mm×318mm)の大きさまでしか描いたことがない人であっても意外とできた。しかも物販もできたぞ。
※ライブペイントのキャンバスは面積にして正面だけで約7.56㎡ある。
 F6号サイズは1.27㎡。
 つまりF6号サイズ約60枚分です。
私自身がけっこう下調べをしながら準備をしたので、同じように下調べをしている人の参考になるかもしれない。
ここでは具体的なことを中心に書きます。しかも備忘録のため生々しい情報もある。

《もくじ》
■基本情報編
■準備編
■当日編
■まとめ

■基本情報編
ひとりで参加しました。
手伝ってくれる人がいたほうがいいかどうか、についてですが、物販があるならそのほうが有難い場合もあるでしょう。
撮影される方がけっこういるので、撮影に映りこむことがあってもいいと言ってくれる人がよいと思います。
今回は物販もやったのですが、そのタイミングでいろんな人と話すことができたので自分としてはそれが楽しかった。

パネルの大きさは W3.6m×D0.45m×H2.1m
今回の配置では両サイドがあってコの字型でした。

↑で書いた大きさはあくまでパネルであり、ブース自体の奥行きは45センチ以上ある。Sブースと同じ90センチ?
ベンチやテーブルを前に置けるくらいスペースの余裕がある。助かりました。

物販の陳列用に申し込んだベンチ(ローテーブル用)は C-427B
サイズは W150cm×D41cm×H40cm

ブースの広さとベンチの大きさの比較がこのようになる。クロスは生成り色。

もともとカフェテーブルの高さのものを予定していましたが申込期日直前になって変更。正解でした。スペースが広々としていた。
低いと商品を手に取ってもらいにくくなるかな~とか思っていましたが意外と大丈夫だった。
物販をもっとやりたいなら2個くらい並べたほうがいいかもしれない。座卓は横幅180cmあるからそれもありかも、と思いつつそっちだと奥行きが60mになるから迷う…(奥行きのある備品を置くと撮影のときに角が入り込んだりする)
あとベンチの真ん中に溝があるので下にクロスを敷かないと無理。素材がツルツルしていると陳列が乱れるのでそれも防止したい。クロスは大きめかつ絵を邪魔しないものを選ぶといい。

費用
けっこう必要。早めに知っておいて損はしない。
-ブース料金  42,000
-備品                  3,500
-搬入搬出     5,000
-画材と名刺    8,000
-交通費          24,000 ※新幹線代。
-宿泊費          25,000 ※金曜日からの前泊。会場とホテル間は徒歩3分。
後半はもう少しうまくやれる方法もありそう。出費を抑えるとそのぶんお金以外の負担がかかるけど時間や体力がある人はそうしたほうがいい。私には時間も体力もないのでお金のパワーをつかいました。

■事前準備編
【スケジュール】
約5カ月前に申込→当選。
名刺用などに絵を描いたりしはじめたのが3月~4月。
印刷の手配や備品購入は4月下旬~5月中旬にかけて。
名刺は5月入ってから印刷(1週間で刷り上がる)プリントパックさんに発注しました。
搬入は5月18日。ここはもう少し余裕をもっておいたほうがよかったかもしれない。

ライブペイント用の題材探しは4月からなんとなく初めて、5月に入ってからラフ準備。
大きな筆でざざっと描いても問題なさそうなものを想定しました。今回一部に○(マル)を描くことになったんだけど、40センチの大きくてキレイなマルを本番ですぐ描けるか分からなかったので、事前に型紙を用意しておきました。
ライブペイントは「当日描く」が主な目的になるので、それ以外の準備はかなり気楽だった。

時間がかかったのは備品と画材。
特に備品は試行錯誤した結果繰り返し100均に足を運んだので時間がかかった。
画材については4月末ごろから色々探し始めて、最終的には世界堂に数回お世話になった。何を使うか決まっていれば通販がいいと思いますが、画材屋に足を運んで吟味したほうがヒントがいっぱいあります。

【事前搬入について】
事前搬入でいれたものは、画材、大きめの絵、ポストカード、布系の備品、折り畳み式の踏み台。箱は140サイズで少しスキマができる程度でした。特に問題なし。100サイズでもいけそう。あまり大きな箱を選ぶと当日ちょっと邪魔かもしれない。
SGムービングはそこそこの確率で集荷が若干遅れるからそれを前提として計画をたてることをおすすめします。分かっていれば問題ない。梱包はちゃんとしよう。古い段ボール、薄い段ボールを使ってはいけない。大きな箱は上に別のものが積まれるので個人的にはあまりおすすめしません。もしやるなら、割れ物はいれてはいけないと思う。

【画材】
・ホルベインのカラージェッソ
 ネイビーブルー 300ml 2本
 コバルトブルー 300ml 1本
 セルリアンブルー 300ml 1本
・ほか絵具。アムステルダム。※カラーバリエーションが豊富なので【白】とかで覚えると後で完全に忘れる。
 プルシャンブル― 120ml
 スカイブルーライト 120ml
 チタニウムホワイト 120ml
 カーマイン 120ml
・パンパステル。消しゴムで消すことができるので修正もしやすい。
 白・黄・緑・赤・黒
・筆とハケ。処分がラクになるようすべて100均。品質問題なし。
 14号・16号 合計4本
 平筆 3本
 ハケ 5本
・ガーゼ
・コットン
・トレーシングペーパー(事前に準備して置いたマルの型紙)

カラージェッソが大活躍しました。世界堂ありがとう。通販で買うこともできますが、たまに欠品がみられるので、直前で入手できないということが起こらないように気を付けたほうがいいです。
ライブペイント中にパレット内で混色する余裕はあまりない。できるだけ単色で使えるように、必要そうな色は買っておいたほうがよい。
パステルは白地の紙にのせると色がよわくて目立ちませんが、暗い色の地にたいして白を乗せたりするとフワっとした綺麗な雰囲気がでます。やわらかい雰囲気を出したいときに使いやすい。

クイズ。絵具のカーマイン(赤色)はどこで使ったでしょう ※星の着色ではないです

【当日あって非常に良かったもの】
・透明ビニールの手袋
 料理用のもの。物販やるにあたって手が汚れにくくなるので便利。パステル使う時はめちゃめちゃ手が汚れるので、そういう意味でも必須だった。
 6枚ほど持って行ったけどもっと沢山あってもよかった。
・ゴミ袋
・紙皿(パレットのかわり。平らなものと深皿とで合計20枚)
・エプロン
 汚れてもいいもの。ポケットがあるもの。(お金のやり取りがラク)
・メジャー(3メートル)
 大きな絵に対しての下書き用。
・SNSのQRコード
 その場でSNSみてくれる方も結構いました。
・プラスチックボード(100均)
 かさばらなくて手で曲げることができる。つくえにものを陳列するとき、少し高さを出すことができた。

【なくてけっこう困ったもの】
・はさみとカッター
 当日ふつうに忘れて朝から困った。というかなぜ忘れた? コンビニでカッターを買いました。
・バケツ
 水用のもの。かさばるので持ってこなくて紙皿で代用したけど、あったほうがいい。ペットボトルを切って代用するのもあり?
・キッチンペーパー
 直前で必要な気がうっすらしたけどスルーしてしまった。無くても何とかなったけど拭きたいものが出てきたときに遠慮なく消費できるものがあると良かったね。

【準備したけど無くても問題なかったもの】
・クレパス
 ざらっとした感じを出す時のために準備していたけど今回は出番なし。
・マスキングテープ
 ちょっとしたときに使うと思ったけど今回は出番なし。

【そのほか必要なもの】
・クロス(物販用)
 ちょっと小さめのものを選んでしまった。2枚準備したほうがいいかも。
・スケッチブック
・えんぴつとけしごむ、サインペン、白いポスカ、定規
・おつり(500円玉、100円玉、1000円札)
・ぞうきん
・ガムテープ
・名刺 250枚くらい
・コルクボードと画鋲 QRコード貼り付け用。
・踏み台(ないと絵を描くときに高さが足りない)

【物販まわり】
・机にのせたもの
 ポストカード6種(頑張ったら9種類くらいのせられるかも)
 原画4種類
 名刺
 QRコードの紙(15センチ×15センチサイズ Twitterとインスタで合計2枚)

QRコードの用紙は、ライブペイントのキャンバスに貼り付ける方法もあると思います。どちらでもよい。個人的にはキャンバスの面積を絵以外に使いたくなく、物販のところに配置しました。
今回は机に置けるものが限られていると思って原画をほとんど家に置いてきたけど、原画は買えないのかと何度か質問があった。
次回やるならもう少し原画を持って行ってもいいかもしれない。

名刺は250枚。
まあ200枚あれば足りるっしょ~~ちょっと多めに250枚くらい?とおもって気楽にしていたら無くなる直前までいったわ。ありがとうございました。
無くなってもブースにQRコード置いてあるので最悪なんとかなる精神だった。

■当日編(1日目)
動きとしては、会場近くのホテルからの出発が8時半・15分後くらいには入場。
荷物をそろえて1時間くらい弱で物販の準備をして、コンビニでお昼ご飯を買って(←これが結果的によかった)10時ごろからライブペイント開始。
10時半ごろに下書き完了。
その後すぐに着色を開始。青~紺色の下地を塗るのに2.5時間。ガツガツと塗ったけど色ムラにしないために二重に塗るなどした。
乾くまでにブース内でご飯を食べて、あとは細かいところを描いていく。
5時半ごろいったん絵は終わり。
物販しながらなので予定よりも塗るのが遅れましたがそれはそれで楽しいからよいのである。
18時半に撤収しました。
8時間ほど作業していましたがお手洗いとゼリー食べる以外の休憩はない。合計で30分くらい?
アドレナリンのおかげでライブペイント中の疲労感は特になかった。ただ初日の夜から筋肉痛がきつかった。爆睡。
湿布があったら少し楽だったかも、と今なら思います。

■当日編(2日目)
9時半ごろに入ってきて、30分くらい準備。
10時過ぎからライブペイント開始。メイン処は1日目まででかけていたので、2日目は奥行き感や華やかさを出すための描き足し。あとは青色以外の色をつけていく作業。
14時半ごろにいったん完成。
15時半までは休憩してご飯を食べる。暗いブースをあるいて、幻空堂のおふたりと写真をとらせていただく。お兄さん、なぜあれで歩ける??
15時半以降は物販したり気になったところの描き足し。
物販は18時半ごろまでやっていました。
19時前から片付けを開始。19時半に片付けが終わり、撤収。20分くらいは終わったあとの会場を歩いて、完成したライブペイント作品を見てまわるなどした。
帰宅してからの記憶はない。全身の筋肉が痛い。

■まとめ
ライブペイントの紙はすべすべとしています。普段ざらざらとした紙に描くことが多いので最初はちょっとそれで戸惑いましたが慣れました。絵具は垂れやすいので、家で描くときより粘度は高いほうがいい気がする。
絵具類については多めに準備していったものの、実際にはそこまで使わない。おそらく全色の合計で1400ml程度の消費量。3500mlほど持っていった結果たくさん余った。次回は少し控えめにしてもいい。
服は夏服でよい。なんなら半袖でも暑い。ライブペイント用にツナギ買おうかと思ったけどエプロンにして大正解だった。多少の汚れは覚悟しよう。夜は外が寒いので上着が必要です。
備品や画材は、イベントがおわったら迷わず捨てられるもので揃えたけどこれは正解だった。帰りは体力がもう残っていないので身軽になれるとすごいラクです。

作品に対して
最終的に青色を一番下の地面スレスレまで塗ったんだけど、止まってくれるお客さんがそれだけで増えた。端まで塗るのは意外と大事です。

端から端まで塗るとこう


細かいところを気にしながら描いたけど、もう少しざっくり塗ってもいいかもしれない。細かすぎるとヒキで撮った時に全てつぶれる。
でも細かいところまで顔を近づけて観れくれる方もいたので、インパクトを重視しないならそれでもいいかも。
すでに破棄されたので手元にはデータしか残らないわけですが、思ったよりもいい感じに描けたので何かに印刷しようか考え中。

物販
ライブペイント中でも、物販のお客さんは意外と話しかけてくれる。有難かった。
個人差はあるでしょうが物販のみで出展していた時よりも、ライブペイントで出展していた時のほうが買ってくれる方は多かったです。
ポストカードと原画しか置いていないんだけど「もっと大きめのサイズのグッズはないか」というリクエストを頂戴することがあります。クリアファイルとか、ポスターとか。今後は作るかもしれないのですが、その場合には物販のスペースを広げる必要があり、物販対応も増やすことになるわけです。人手とか時間のようなリソースを考えた時そこまでやれるのかな? まだ要件等段階です。

写真とっていいですか?
声をかけてくれる方がたくさん。撮影もSNSも自由なんだけど、撮影中って本人がうつらないようにさがって正解だったのかな。マジで手が離せない時は「すいませんこのまま描いててもいいですか」と断って描き続けたけど、このあたりの正解はよく分かりません。
撮影については横幅があるので、スマートフォンで撮影する場合にはパノラマ撮影をしたうえでトリミングするのもおすすめです。ヒキでとらなくても横幅めいっぱいはいります。パノラマ撮影のときはブレないように両脇をしめてスマホは両手で持つようにしよう。

休憩
絵を描き終わるまでは取る時間がなかった。というかべつに休憩をしてもいいんだけど、お客さんに見られていることを考えるとある程度はやく描きすすめておかないと…となるわけです。
よって1日目の休憩時間はトイレと補給以外なし。たぶんこれは手伝ってくれる人がいたとしても変わらない。軽食はあらかじめ準備しておきましょう。

お金のこととか
売上や利益はどうなんだと訊かれることもあります。私は原画が数点売れることがなければ赤です。
デザフェスは旅行みたいなものだと思っていますが、利益を考えたい場合ならおそらく物販を準備の段階からもう少し頑張るとよいです。デザフェスは出展料がお高めですけど出展者がちゃんと頑張ればちゃんと利益はでるだろう、という感覚はあります。集客力がすごい。

お客さんと話したこと
ライブペイント以外の活動について、個展などの予定について(今はありませんすいません)原画の販売について。
作品のテーマについて。奈良の鹿について。

以上です。
周囲からも刺激もありますが自分の作業への没入もでき、つまりたいへん楽しかったので、やったことがないけど興味がある人はやっといたほうがいいんじゃないでしょうか。

がんばって準備して出展した後で「やめとけばよかったなあ」と思うことはないでしょう。

お疲れさまでした。

※カーマインは上から伸びている木の枝につかいました。
 やや暗い色味になっているのは赤が混ざったからです。

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