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アーバン・アート満載の「MUCA展」 @森美術館

ドイツ ミュンヘンにある、アーバン・アートと現代アートに特化した美術館 Museum of Urban and Contemporary Art のコレクションの一部が見られる企画展。有名かつ自分が好きなBANKSY、KAWSの作品が見られるのは楽しみだったが、それ以外のアーティストの作品も気になるので、行ってきた。

初めて知るアーティストもいたのだけど、どのアーティストの作品も魅力的で大満足の企画展だった。写真撮影自由だったので、特に気に入った作品をいくつかご紹介。


KAWS (カウズ)

KAWS『4フィートのコンパニオン(解剖されたブラウン版)』

真っ先にお目見えしたのが、KAWSのおなじみのキャラクター”コンパニオン"。過去にKAWS展を見たことがあったので既視感はあったけれど、やっぱりこのキャラは見るだけで楽しい気持ちにさせてくれる。立体的な形で見てたら、この作品の BE@RBRICK が欲しいと思ってしまった。(未発売)

SHEPARD FAIREY (シェパード・フェアリー)

SHEPARD FAIREY 『Berlin Tower』

アメリカ人ストーリーとアーティストの作品で、ビビッドなオレンジと黒のコントラストが効いた、シルクスクリーンのポスター風アートに惹きつけられた。

INVADER(インベーダー)

INVADER『Space One』

インベーダーゲームのインベーダーを世界中の都市に描いているアーティスト。作品と存在は知っていたけど、都内にも彼が描いたインベーダーがあるというのを知り、見てみたくなった。

INVADER『Rubik Arrested Sid Vicious(ルービックに捕まったシド・ヴィシャス)』

そして、ルービックキューブの作品。これはまさにピクセルアートだな〜と思いつつ、実際にこれで作るとなると、ルービックキューブを意図した形に揃えるのが大変そうと思ってしまった 笑

SWOON(スウーン)

Swoon『Silvia Elena』

彼女の作品は初めて見たと思う。彼女の作品もまたストリートアートで、街中に描いたり作品を置いているとのこと。貼り絵や切り絵のような少し立体的な感じに見えて、2つの作品はどちらも強く印象に残った。

RICHARD HAMBLETON (リチャード・ハンブルトン)

RICHARD HAMBLETON 『Shadowman(シャドウマン)』

『Shadowman』という黒いシルエットの人をモチーフにした作品を描いたストリートアーティスト。荒いタッチで描かれたシャドウマンは、なんとなくミステリー小説やサスペンス映画に出てきそうな雰囲気を醸し出し、少しゾクッとさせられる。

また、もう一つの”Charge”という作品も、強烈な勢いを感じさせられた。

RICHARD HAMBLETON 『Charge(突撃)』


VHILS(ヴィルズ)

VHILS "Dispersal Series #14"
VHILS "Dwindle Series #03"

都市から出たドアや壁などの大きな廃材に作品を描くポルトガル出身のアーティスト。写真からはただの平面彫刻に見えるかもしれないが、その大きさと人物の眼力が力強く感じられる。実際の都市の公共空間の現場で見たら、より大きな衝撃を受けるのだろうな…。

BARRY MCGEE(バリー・マッギー)

BARRY MCGEE [Untilted]

70-80年代のポップな雰囲気が満載のグラフィックアート。サブカル感満載で、昔の雑誌の表紙や記事で紹介されていそうな感じが懐かしくも新しい感じだった。

JR(ジェイアール)

ずっと見てみたい思っていたJR。屋外の建物や通りに巨大な写真を貼るという手法を用いる彼のことは、フォトグラフィティアーティストと称するのが良いだろうか。

JR『8 Millimeters, Portrait of a Generation, Hold-up, Ladj Ly by JR, Les Bosquets, Montfermeil』
JR 『The Wrinkles of the City, Mr. Ma, Shanghai, China, 2010』
JR 『Inside Out』

この美術館内での展示はそこまで大型の作品はなかったが、それでもこのモノクロ写真が訴えるメッセージは、心に刺さるものがあった。今度はどこかの街中で、より大きなJRの作品を見てみたい。


OS GÊMEOS(オス・ジェメオス)

OS GÊMEOS(オス・ジェメオス) 『リーナ』

ブラジル出身の双子の兄弟アーティストデュオ。黄色い肌の独特なキャラクターがキモかわいい感じ。

BANKSY(バンクシー)

展示会場の最後に待ち構えていたのが、言わずと知れたバンクシーの作品たち。

Banksy『Ariel』

まずは、Dismalandの歪んだ『アリエル』に目を奪われる。歪んでいながらも美しさを残しつつ、”ルッキズム”への批判のようなメッセージ性が感じられる。床面の鏡に映る鏡像や後方から見ることで、異なる視点からの見方を提供してくれているのも、一つのメッセージなのだろうと感じられた。


Banksy 『Bullet Hole Bust(弾痕の胸像)』

「弾痕の胸像」も見たかった作品の一つ。古典的?なギリシャ・ローマ彫刻のダビデの胸像に、弾丸を打ち込むことは現代でなければできなかったことだろう。白い像に赤い血飛沫が表現された感じが、程良いリアリティと非現実の均整が取れた感じが丁度よい刺激を与えてくれた。


Banksy『Girl Without Balloon(風船のない少女)」』→『Love Is in the Bin(愛はゴミ箱の中に)』

そして、最後の『Love Is in the Bin(愛はゴミ箱の中に)』は圧巻だった。「Girl Without Balloon(風船のない少女)」をサザビーズでのオークション落札直後に、額縁に内蔵されたシュレッダーが起動して細断するはずだったものが途中で止まってしまったことで、この状態が作品となった。完全な細断がされてしまったらこのような展示もできなかっただろうから、止めることまで狙っていたのかもと思われるが、歴史的な瞬間を見ているような感じで、ワクワクさせられた。

バンクシーの作品は他にもいろいろな作品が展示されていて、過去のBANKSY展や作品集で見たことがなかった作品も見ることができた。


今回のMUCA展では、新たに好きなアーティストを発見することもでき、とても満足度が高い展示だった。現代アート好きの人はぜひ訪れて欲しい!

展示会は6月2日まで森美術館にて開催中です。


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