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2024.5.3 円安とそば粉屋。

5月3日(金)
先週末から今週にかけて、円/ドルの為替が急展開しています。
月曜には一時1ドル160円を突破する円安になりました。
まあ、自分は関係ないか・・・という人もいるかと思いますが、
今日は、「円安」が我々にどう影響してくるのか?
という話をしたいと思います。


まず、なんで「円安」になっているのか?ざっくりまとめると・・・

①アメリカの政策金利と日本の政策金利に大きく差があるから
 アメリカの金利が5.25-5.5、日本は日銀のマイナス金利政策が解除されたものの0-0.1ですから、依然大きいんですね。しかも日本はすぐに利上げできないし、アメリカも利下げできないんです。

②日本そのものの実力が大きく下がったから
 対アメリカだけでなく、他の主要通貨と比べても大きく円安になっています。日本だけ弱くなったことになります。

ここ最近乱高下しているのは、
日銀の植田総裁の発言とか、
FRBのパウエル議長の発言とか、
日本円が介入したとか・・・
この辺がこの一週間てんこ盛りだったからです。

まあ、詳しくは専門家の発信を確認してください。

ただ、どんだけ日銀が介入(持ってるドルを売って円を買う)をしたところで、一時しのぎ(時間稼ぎ)にしかならないので、このままでは当面円安傾向が予想されるってことみたいです。


で、ここからが本題なんですが、円安になると、我々にどう影響してくるか?
一般論としては、輸入品が高くなりますよね。
エネルギーとか食料品って輸入してるものが多いので、それがどんどん高くなります。
つまりお金持ちでも貧乏人でも、子供も大人もみんなが必要なものが高くなるので騒いでるわけです。

逆に円安で儲かる人もいます。
大企業は輸出が多いので、輸出するときはバーゲンセール状態になるので、いっぱい売れて儲かります。
インバウンドで商売してる人もいっぱい売れますね。
日本の政府も大企業の業績が上がるのでGDPは上がるし、国が持ってるドル資産の価値が爆上がりするので、財政に余裕が出るんですね。
政府は陰でニヤニヤしてるのかもしれません。


で、我々蕎麦業界ですが・・・

まず、大きな問題はやっぱり輸入原材料の価格が上がるということです。
今の原料価格からして、1ドル5円円安になると、そば粉1㎏で5円高くなる感じです。
ちょうど一年前1ドル135円で、今朝153円とすると約20円の円安です。
なので、輸入のそば粉をキロ20円上げないとうちの利益は消滅します。

幸いなことに昨年のロシアが145万トンという大豊作だったので、その分吸収してくれていますが、今年も豊作になる保証は全くありません。

また、大企業のように輸出で儲けられればいいんですが、そば業界はほとんどできていません。
インバウンドでも同じです。寿司屋、ラーメン屋が儲かるのに対してそば屋は恩恵がほとんどありません。


デメリットをお話ししましたが、その中でも生き方もあります。
このまま円安が続き、ロシアウクライナの戦争も収束しないで、エネルギーも値上がりして、ガソリン代や船賃も上がっていくと、国産に割安感が出てきます。

鈴木製粉所の強みは「山形県産原料を持っている」ということです。
新工場ではそれをフル活用したいと思っています。


ここまでいろいろと話してきましたが・・・
これからの為替がどうなるか?
世界や国内の情勢がどうなるか?
結局は予測できません。

どんな変化にも対応する備えを常にしていくことこそが、我々の取るべき道だと思います。


それでは本日もよろしくお願いいたします。


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