タイムマシンがあったなら

 私には70歳代の生徒さんが複数いて、いつも私に自信と感動をくださいます。
 カルチャーセンターに「ABCから習いたい」と言って申し込まれたAさんは、家族に「今さら英語?」と笑われたそうなのです。でも、1年経たずに中2レベルの英語をほぼ間違いなく書けるようになりました。街の看板や掲示の英語が認識できるようになってきたそうで、それは英語が生活の中に浸透してきたということです。さらに1年経って、中学3年生の問題をほとんど正解できるようになりました。わずか2年で世界が変わったのです。
 別の70歳代のBさんは、それまでほかのクラスで文法の練習問題などをされてきました。それまでの学習によって、読書するのに十分な能力があると思えたので、興味のある分野の英語の本を何冊かお貸しして読書に挑戦してもらいました。そして数週間後、「初めて英語の本を1冊読み切った」という報告をしてくださいました。さらにもう1冊読み切ったときにはさらに慣れて、「英語のまま理解できるという『快感』を味わえるようになった」とおっしゃっていました。大きな前進です。
 「いまさら遅い」などということは決してありません。それはなにごとにも言えますし、何歳の方であっても同様のことが言えます。もしも、タイムマシンで過去に行けて、過去の自分にひとつだけ助言ができるとしたら、何を言いますか? 私なら過去の自分に「今からでも遅くないよ」と言うでしょう。
 ここで未来の皆さんに代わって、私が現在の皆さんに助言します。「単語も文法も、ゆっくりでも、今からでも、決して遅くないですよ」。

(「50歳からの語源で覚えて忘れない英単語1450」(PHP研究所)のコラムから)・・なじみのあるカタカナ語をきっかけに英単語を覚えるための本です。


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