Kenta SUZUKI

秋田の人

Kenta SUZUKI

秋田の人

最近の記事

しがらみ上等

 もう2年が経つ今だから言えるが、知事選への出馬を断念したときには本当に多くのことを痛感した。「革新」の難しさはこういうことだったのかと。悪く言えば「牙を抜かれた」とか「すっかり丸くなった」ということになるのだろうが、自分としては賢くなって「革新」に一歩、いや三歩くらい近づいたと思っている。  一つは「年齢感」の大きなギャップ。私はいま47歳、一般企業で言えば立派なベテラン社員の年齢だ。かつて所属した自衛隊では当時、一般隊員の定年がたしか54歳だったので、50の声が聞こえる

    • 災害と議員

       大きな自然災害のたびに、議員の役割について考えさせられる。  「県民が苦しんでいる時こそ自分たちの出番だ」という考え方もあるだろう。しかしかつて自衛隊で指揮系統というものを最重視して行動するよう教育された者としては、災害対応にあたってこの「議員」という立場はどこに位置付けられているのか?という大きな疑問を抱いてしまう。  いや正確に言うとそれは疑問ではなく、結論は出ている。豪雨にせよ、地震にせよ、あらゆる災害への対応において、「議員」はいかなる指揮系統にも属してはいない

      • 政治から憎悪をなくしたい

        安倍さんが亡くなった。 私は参院選の遊説の最中に安倍さんが撃たれたニュースを聞かされ、何とか一命をとりとめてくれることを祈っていたが、それはかなわなかった。 都合8年8カ月もの間総理大臣という重責を担われ、国内外に大きな功績を残された大宰相に対し、謹んでご冥福をお祈りするとともに、日本のために尽くして下さったことに心から感謝を申し上げたい。 自分はふだんから物事に狼狽するということがほとんどない人間だ。しかしこの安倍元総理の突然の死去には、自分でも意外なほどにショックを受け

        • マスクをし、飲みに出よう

          「秋田県の飲食店の 2/3 が廃業の可能性」 「飲食店ばかりが大変なのではない」という声に対し、肌感覚ではなくエビデンスをもって答えるために、自民党秋田県連の青年局が全県の1000店舗に対し飲食店緊急アンケートを実施した(647回答)。うすうす予想はしていたものの、最もショッキングだったのは冒頭の数字だ。「事業が継続できなくなる(廃業する)可能性はありますか」という設問に対し、「近いうちにあると思う」が最多の41.2%。「今年中にあると思う」が25.4%と、実に全体の66

        しがらみ上等

          なぜ国体を開くのか

          鹿角国体2022の開催に対し、異論の声が噴出している。 特に目立つのが部活動やスポ少に関わる親たちからの、「子どもたちのスポーツはやらせないくせになんで国体はやるのだ」という不満である。実は私自身も次男が中学の部活動、次女がスポ少をやっており、特に次女は新人チームとなって最初の大事な大会が第6波で中止となってしまったという当事者だ。また飲食店からは、まん延防止等重点措置を要請しないのは鹿角国体をやりたいからだろうという風説も聞かれ、これまた県知事への反発になっている。そこで

          なぜ国体を開くのか

          地方の飲食店街は生き残れるのか

          「秋田で店を開いたのがまちがいだった」 「もう秋田で商売やることはない、てなるよね」 長引くコロナ禍。全国で最も感染者の少ない地域のひとつ、秋田県で飲食店を経営する方々の言葉だ。 かれこれ2年が過ぎようとしているコロナ禍は、特に大都市圏を中心に猛威を振るい、観光や飲食など「人が集まる」ことが本質の産業を完膚なきまでに叩きのめした。これはおそらく産業構造の転換をもたらし、コロナが落ち着くころ繁華街にはかなり違った景色が広がるのではないか、とさえ思われた。 しかし大都市圏

          地方の飲食店街は生き残れるのか