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GoogleI/O 2024の発表内容について

現在米国で開催中のGoogle I/O2024ですが、今年も様々な新機能/モデルが発表されています。
Google-MapのAR機能はナビに活用できますし、生成AI(Gemma2/Genkit)の活用での社内空間での体験円滑化などが予測され、自動車メーカーとしても注目すべき発表が多いと思います。
また、Google-TVのカスタマイズ/リコメンド機能は車内体験高度化に確実に資するものとみられます。

1;基本機能/OS

1-1;セキュリティ機能の更新

 Androidに新しいセキュリティ/プライバシー保護機能を追加すると発表。具体的には[悪意アプリを捕捉するためのデバイス上の脅威検出][画面共有のための新保護機能][セルサイトシミュレータに対するセキュリティ強化]など
 機密権限を侵害する不正アプリを検出するために、Google Playプロテクトシステムのデバイス上の機能を強化。AIを使用して、アプリの悪意度/脅威度を判断して対処。システムが悪意ある動作を確信した場合、アプリを自動的に無効化。それ以外の場合は、企業にレビューを求めるよう警告し、その後ユーザーに警告
 現実世界のデバイス保護のため、反対方向への素早い動きなど、盗難に関連付けられる動きを識別するAI 活用した追加機能である盗難検出ロックも発表。 検出されると、電話画面は自動ロックされ、設定した安全策を解除しないと2度とデバイスを使用できなくなる

1-2;プライベートスペース機能

 ユーザーがOSの一部として機密情報をサイロ化できるAndroidの新機能
 モバイルOSの[シークレットモード]に似ており、指定アプリを[コンテナ]に分割。スペースは初期画面から利用できて、第2層認証でロック可能。スペース内のアプリは、通知/設定/最近のアプリから非表示に。
 プライベートスペースのロックが解除されている限り、ユーザーはメインスペースからシェアシート/ピッカーを介してアクセスできる
 開発環境は既にオープンだがバグがあり、数日内にGoogleは対応するとしている

1-3;Google-Mapによる地理空間AR

 Google-Mapの機能に新しいコンテンツレイヤーが追加され、地理空間ARコンテンツにアクセスできるようになる。今年後半に開始されるパイロットプログラムの一環として、シンガポール/パリで初めて導入される予定
 ユーザーは、まず Google-Mapで場所を検索してARコンテンツにアクセス。その場所にARコンテンツがあってユーザーが近くにいる場合に、[AR-Experience]と表示された画像をタップすると立ち上る。他の人がリモートで場所探索している場合、ストリートビューで同じAR-Experienceを見ることも可能で、探索後はQRでの共有も可能

1-4;Wear-OS5

 スマートウォッチOSであるOS5の開発者プレビューを公開。バッテリー寿命向上/ワークアウトの追跡効率化など、パフォーマンスの向上に重点が置かれている。
 開発者向けのウォッチフェイス作成ツールも更新され、ウォッチアプリを構築へのWear-OSとJetpack Composeの新バージョンも配布している

1-5;Google TV

 LLMであるGeminiをGoogle-TVのOSに組み込んで、映画/テレビ番組の説明を生成できるようにした。
 ホーム画面に説明が欠けている場合は、AIが自動的に説明を埋めて視聴者が視聴する番組についての説明を獲得することができる
 説明は視聴者の母国語に翻訳され、より幅広い視聴者がコンテンツを見つけやすくなる。さらに生成した説明が視聴者のジャンル/俳優の好みに基づいてパーソナライズされる

2;AI関連

 イベント中、ピチャイCEOによるプレゼンでがAIという単語を120回以上連発、AIによる効率化の貢献をたたえた

2-1;Web検索フィルター

 テキストベースのリンクのみをフィルタリングする新手法を導入。新しいWebフィルターは結果ページの上部に表示され、[画像][動画][ニュース]などをフィルターするのと同じ方法でテキストリンクをフィルター可能に
 ユーザがWebページへのテキストベースのリンクを単に表示したいケースが往々にしてあるということの裏付け

2-2;Firebase Genkit

 Firebase-PFに[Firebase Genkit]と呼ばれるApache 2.0ライセンスを使用するオープンソースフレームワークが追加された。開発者がJavaScript/TypeScriptでAIを活用したアプリケーションを簡単に構築できるようにすることを目的とするもの
 ユースケースとしては[コンテンツ生成/要約][テキスト翻訳][画像生成]など、標準的なものが多く含まれる

2-3; Google LearnLM

 学習用に微調整された生成AIモデルの新シリーズとして[LearnLM]を発表。GoogleのDeepMind AI研究部門とGoogle Researchとの共同成果で、様々なテーマについて学生を会話的に指導するように設計されている
 既にGoogleのいくつかのPFで利用可能で、主にGoogle Classroomのパイロットプログラムを通じて導入
 教員と協力してLearnLMが授業計画のプロセスをどのように簡素化および改善できるかを検討。LearnLMは教師が新しいアイデア/コンテンツ/活動を発見したり、特定の生徒集団のニーズに合わせた教材を見つけるのに役立つ

2-4;Quiz Master

 YouTubeでAI生成クイズが新たに登場、Quiz Masterを使用すると、ユーザーは動画を見ているときに手を挙げて質問/説明/クイズに回答するといった行動が可能に
 Geminiモデルのロングコンテキスト機能で、講義.セミナーなどの長時間動画を視聴する必要がある人にとってはある程度の負担を軽減

2-5;Gemma2アップデート

 Googleによる軽量/高性能なLLMであるGemmaに関しても新しいモデル(Gemma2)を追加する予定を公表
 270億パラメータのモデルを追加したGemma 2を6月にリリースする予定。当該モデルは次世代GPUで実行できるようにNvidiaによって最適化、単一TPUホストとエッジAIで効率的に実行できる

3;Google-Play

 Google Playは、アプリの新検出機能/ユーザー獲得への新手法/Play Points更新/開発ツール(SDK Integrity APIなど)の機能強化を発表

3-1;SDK

 Engage SDKで、アプリメーカーがユーザー特性にカスタマイズされた全画面の没入型エクスペリエンスを提供する方法を導入

3-2;通話アプリでの詐欺検知

 通話中に潜在的な詐欺をユーザーに警告する機能をプレビューし、将来のAndroidに組み込まれる予定。
 生成AI製品の最小Ver;Gemini Nanoを利用しており、完全にデバイス上で実行。このシステムでは、詐欺によく関係する会話パターンをリアルタイムで効果的に聞き取り、ユーザに警告を出す
 プレビューでは[銀行担当になりすました人物]の例を挙げ、パスワード要求/ギフトカード要求などの一般的な詐欺師の戦術も対象とする。手口は知られるものの、多くの人は詐欺に脆弱であるという認識に基づく
 プライバシー擁護派は[詐欺適用を超えて悪意ある方法で利用される可能性がある]として反対。Appleは2021年にiOSに採用する計画を断念。

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