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自動運転新興;MotionalにHyundaiが関与強化へ

Hyundai/Aptivの合弁で自動運転機能を開発するMotional社に関して資本移動に係る動きが起きています。
今回のAptivの決算説明などで、Hyundaiが85%株式持ち分を保有することとなるとともに、自動運転の実用/商用化を本年度内に実施する目標を再度掲げました。
俄かにロボタクの事業化が脚光を浴びつつありますが、日系OEMはまたしても後塵を拝しているように見えます…

https://s22.q4cdn.com/336558720/files/doc_presentations/2024/05/Aptiv-Q1-2024-Earnings-Presentation.pdf

1;MotionalへのHyundaiの追加出資

 5/2にAptvが公表した決算報告によるとHyundaiはMotionalの85%の支配権を獲得、同時に自動運転のR&D継続に向けて支援を行う見込み。Hyundaiは[1;4.75億ドルを追加で直接投資][2;4.48億ドルを投じてAptiveのMotional株式持ち分(普通株11%)を取得]する2つの施策で支配権を確立する

 AptivのCEO;Kevin Clark氏は事業見通しの不確かさから撤退を決めたとする
 -[Motionalへの普通株式持分を50%から15%に引き下げ、ヒュンダイが残85%を持つ]
 -[ロボタク事業の商業化には多額の費用がかかり、利益計上までの道のりは長いため、モーショナルへの出資/関与を縮小
 Aptivは24年の通期純売上高予想を213億-219億ドルから208.5億-214.5億ドルに下方修正、本体の収益見通しが不芳な中でリスク管理/財務健全化が進んでいる

2;Motionalとは

 2013年にボストンを拠点とする自動運転車スタートアップ[nuTonomy]として創業。後にDelphiが4.5億ドルで買収したが、Delphiの事業再編によりAptiv部門がnuTonomyを吸収して事業分割を実行し、2019年にAptivはHyundaiと自動運転に係る合弁事業を立ち上げ、そこにMotinalと社名変更したnuTonomyがぶら下がる形に

 現在、ボストン/ピッツバーグ/ラスベガス/ロサンゼルス/シンガポールで安全ドライバーが運転する自動運転車の実証を行っている
 市場開拓に向けて既存の配車PF(Uber/Lyft/Viaなど)への配車提供を進め、24年に自動運転車[Hyundai Ioniq 5]を使用したロボタクサービスを開始する目標を掲げる

3;その他

 MotionalとHyundaiはシンガポールのイノベーション施設で[BEV/Ioniq 5ロボタクVer]を共同開発する計画を23/11に発表。CES2024ではMotionalはKIAと協力して24年後半に商業運転を開始する計画も発表。
 Motionalは商業化に向けて漸進、5都市で試験運用を実行中。商業運行には至っておらず、競合でも商業運行を実行するのはWaymoのみで相当に先行されている

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