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TeslaがAutopilot関連訴訟で勝訴

今週ですがCA州陪審で行われたTeslaのAutopilotに係る死亡事故訴訟に関してTesla無罪の評決が出ました。
Teslaとしては確り説明していたにもかかわらず、ドライバーが起こした事故に関して訴訟を提起されるというカスハラな事案でありました。
評決では全員一致で無かった点が気になりますが、当然のことながら無罪となったことで今後の訴訟も一定抑制されようかと。

1;訴訟におけるTeslaの勝訴

 10/31にCA州陪審はTeslaのADAS;Auto-pilotが死亡事故を引き起こしたとの申立を巡り、4日間の審議の後に陪審は9対3でTeslaに有利な評決を下してTeslaに無罪を言い渡した
 23/04にもTeslaはAutopilot訴訟で勝訴しているが、死亡事故を伴う訴訟解決は今回が初めて
 Teslaの主張が認められたことで、ドライバーはAutopilot/FSD起動中であっても依然として責任を負うということに。本件は2020年に終結した事案(2019年の衝突事故に関してのTeslaの責任制棄却&損害賠償棄却)を踏襲したものとなる
‐訴訟の詳細‐
 本訴訟はCA州高等裁判所で審理されており、対象は2019年の衝突事故に伴う訴訟で4億USDの損害賠償を請求していた
(訴訟事由)
 2019年にCA州内でModel3を運転していた37歳男性が時速105マイルでヤシの木に衝突して死亡、同乗者の8歳少年が死亡して乗客2名が負傷したことでの損害賠償事案
 生存者が提起した訴訟で、Teslaが故意に危険な実験用ソフトを一般販売し、システム欠陥(特定のステアリングの問題)が事故につながったと主張
 事故当時AutopilotはOnになっており、それにもかかわらず事故が発生したのとことで、Teslaに運転手の生命喪失/身体的損傷/精神的苦痛に対する4億USDを請求
(Teslaの反訴)
 TeslaはAutopilotがOnでも運転手には運転責任がるが、そもそもOnだったか不明で[衝突前にAutopilot解除/ドライバーによる回避不可]といった状況判断のみに車両ログは提出する
 本件での運転手死亡事故は人的ミスの結果であり、ほかのAutopilot訴訟と同様の立場をとる

2;Teslaの反応

 Teslaの自動運転システムは他社同様に[Lv2]であり、Autopilotは高速道路での使用を目的としており他社に比較しても多くの状況で作動が確認される。他社比で動作環境が多いとはいえ、運転責任は運転手に帰属するもので車両/システムに帰属するものではない
(マスク氏のコメント)
[訴訟件数から判断すると、Teslaの法的責任を問う声が多いのは事実。望むか望まないかに関わらず法的責任については整理が必要]

(Autopilot)
 Tesla車にはAutopilotが標準装備され、所有者は6,000USDのアップグレードで、拡張版の購入が可能。拡張版では高速道路でのActive Guidance System(ICでの車線変更等のナビゲートなど)をメインとしたいくつかの機能が含まれる
 さらに12,000USDでFSD(Full-Self-Drive)システムを購入でき、こちらでは完全自動運転を実現するモノ。FSDでは[ドライバーが常に制御できる状態にある]ことが前提で多数の自動運転機能が含まれる(都市内道路での路肩駐車や信号や標識に則った停止対応など)

3;その他

 テスラは今もカリフォルニア州で他の多くの訴訟に直面しており、次は2018年の事故に関するものが控えている。18/03にModel-Xで高速の中央分離帯に衝突して死亡した男性の遺族による訴訟で、CA州運輸局も対象でAutopilotのエラーによるものとする
 Teslaは操作マニュアル/ソフトウェアに関する公式のコミュニケーションで、Autopilot使用時にもドライバー責任となる旨を明確に表記。ドライバーはシステム電源をOnにすることが同意事項の受入となり、起動時/起動中も定期的にノーティスが為される
 一方でヒトは新しいテクノロジーを手に入れると予想外の行動に得ることは歴史が示している…
 Teslaが初期には新機能リリース前に、信頼できる被験者に向けて早期アクセスを提供して行動を把握していた。

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