CRUISEに当局が罰金科料へ、公聴会にはGMにもエビデンス要請
CRUISEの事故後対応についてカリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)が[悪意ある情報の非開示][事故に関する誤誘導]を理由に公聴会を開催するとのことです。
公聴会では本件に係る反対論証が行われますが、本件に関して最大150万USD程度の罰金を科される可能性もあり、GMも本件公聴会に向けて擁護書類/出席が求められています。
規制当局/地域コミュニティとの信頼性回復及びガバナンス体制再整備の中で起こされた本件、事業開始まで相当に道のりは長いようです。
1;CPUCによる行政罰の科料
12/1、CPUCはCruiseに対して一連の事故に係る[情報提供の不完全さ]及び[悪意ある誘導コメント]に関する反論をすべくの公聴会出頭(2/6開催)を命じた。
最大論点は10/2に発生したSF市での礫引事故に関する事後対応/行政対応にあり、行政当局は[事件のあらましは共有されたが、事故での自動運転システム対応は隠し続けた]としている
*CRUISE-AVは被害者は下敷きになったままで路肩駐車しようと試行して、結果として被害者は引きずられた
委員会要請には具体的な罰則は含まれていないが、最大150万USDの罰金が科される可能性。CPUCは公益事業者の違反につき[1日あたり500~10万USD]の罰金を科すことが可能
-CPUCによる事件後のタイムライン‐
(10/2) 夜間に事故が発生
(10/3) CRUISEは委員会のCPEDアナリストであるAshlyn Kongに電話で事故について通達
└電話会議の中でCRUISEは[AVが歩行者と衝突して直ちに停止、遠隔支援に連絡があった]としたが、実際には[AVが路肩駐車操作を行った結果、被害者が引き摺られた]という説明が省かれた
(10/3~) CPUCとDMVは動画記録/データなどの詳細情報の提出を要請
(10/19) CRUISEが完全な事故映像をCPUCに提出
‐事故後の公式ブログ‐
事件後、CRUISEは公式ブログで事件詳細を公開し、削除。投稿では[DMV/CPUC/NHTSAを含む様々な規制当局と完全な動画含む情報を積極的に共有]したと記載
Kong氏は声明で[CRUISEのブログ投稿は不正確で誤解を招くもの]とし、[ビデオ全体が事件から2週間以上経ってデータ要求に応じてのみ共有された]と述べた。
2;今後の動き
‐CRUISE‐
2/6に開催される公聴会に向けた準備
担当者コメントでは[公聴会以前に規制当局とコミュニケーションをとって信頼を再構築する]とする
-GM-
12/18までに[CRUISEの立場を支持する全ての事実/論拠/法的認知]を含む陳述書を提出する必要がある。法律事務所;Quinn Emanuelを起用して[規制当局/警察/メディアとのCRUISEのやりとり]を含めた全てを精査している
3;ここ最近のCRUISEの動き
事故発生以降、全米での全ての事業を停止、ロボタクシーの安全性審査を実施するとともに、事件対応を調査するために法律事務所を起用
全車両をリコールし、オリジン・ロボットタクシーの生産を停止。共同創設者/CEOのVogkt氏とCPOのDaniel Kahn氏が辞任
4;その他
CPUCは既にCA州でのロボタクシーの商用許可(料金請求許可)を停止、許可を与えた23/08の公聴会のやり直しも検討中
GMは以前に投資家に対して[CRUISEが2030年までに年間500億USDの収益を生み出す軌道に乗っている]と語ったが全てがご破算に。11月末にGMは24年のCRUISE/自動運転部門への支出を数億ドル削減すると公表
CRUISE自身は最終的に1都市で事業再開する見通しを述べるが、スケジュールは不明瞭で人員削減までも計画している
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