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EVベースでの農村振興策@中国

はじめに

やや旧聞ですが中国政府(国家発展改革委員会)が5月に充電インフラ整備施策@農村部を打ち出してましたのでまとめてみました。

沿岸部/都市部での成長余力が飽和する状況下で次なる成長領域は農村部になりますよなあ…一定の成長率担保せんと共産党の存立意義が揺らぐので本気でやると思うところ、日系企業がどこまで食い込めるかはやはり気になる。。
賛否あるけど、やっぱり政府が経済管理できる国家資本主義国は強い。成長余地ある農村部x国家戦略産業であるEV…このインパクトは非常にデカそうです。

1;サマリ

 中国;国家発展改革委員会は国家エネルギー局と連名で、農村部でのEV普及促進/充電インフラ整備に取り組む施策を明示。今回は従来以上に踏み込んだ施策で、初めて農村部での充電インフラの整備などに注力する施策を文章に残した。
 今回の施策は確りと農村部でのEV普及阻害要因を分析した上での施策であり、EBPMを実践。ある意味、Globalで見ても先進的な進め方で学とk路が多い気がす。重点領域は3つで、[充電インフラ整備/運営/保守モデルの開発][EV普及促進][EV関連サービスとプロモ]。

2;重点施策詳細

2-1;充電インフラ整備/運営/保守モデルの開発

(1)公共充電インフラの整備強化
 道路網/鉄路網/空路網といったモビリティNWが全国レベルで整備されたところ、人流が活発化。農村ツーリズムなども注目を受ける中でEVを普及させるには農村部でのEV充電設備の拡充が必須との認識。そこから、下記の政策方針に。
[整備対象]
A;集中型公共充電ステーションの建設推進
 ドライブ旅行の発展と連携して、幹線道路沿線での整備強化。対象は企業/商業施設/交通ターミナル/SAPAに加え、住宅団地/観光地も。
B;新築コミュニティの駐車エリアに充電設備を設置
[政策対応]
A;充電網の整備/運営への支援強化
B;電力企業の配電網建設投資に関する規制緩和
C;統一基準の策定/拡大
 →EV販売に付随して、充電杭併設の奨励/統一標準形成を加速
D;関連技術の研究開発促進
 →V2G/光蓄電池(太陽光発電と蓄電を同時に実現)の実現に向けた研究開発
[財源]
 レベニュー債発行で調達した資金を活用する

2-2;EV普及促進

 農村でのヒアリング/従来政策の援用で下記施策を導出
[政策対応]
A;EVの供給拡充
 農村住民ニーズに合う車種(ミニバン/小型トラック)へのリソースシフトを国家として奨励する。
B;利用シーン拡大
 農村でもリソースに余裕のある公的機関/企業におけるEV導入を促進する補助施策の実施。
 →公的分野(政府機関/学校/病院)での応用拡大
 →地方政府によるバス/タクシー/清掃車/配送車などのEV化支援強化
C;購入補助施策
 農村部住民への購入クーポン発行を奨励、特に地方政府が企業と連携してEV買換えCPを実施、充電優待券発行に加えて農村住民向けオートローンの提供も支援する

2-3;EV関連サービスとプロモ

 地方農村部での認知拡大に向けた施策支援を実行してEVへの興味関心を高める。
A;プロモ支援
 地方政府/業界団体がEVメーカーと共同で宣伝活動を実施、展示会/試乗会などの実施を支援する。同時にEVメーカーと電池メーカーが連携し、農村部でバッテリー無料点検を3年間で実施することを奨励する。
B;EV事業の基盤構築
 EVメーカーによるマーケティングへの奨励金拠出を行うとともに、技術学校でのEV/充電設備の保守に関する技術者の育成を奨励する。

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