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短歌 新作8首 『火星の砂』

今どこにいる? 何してる?
ときどき不安になるけれど、呼吸をおいて、一歩下がって見てみれば、僕らは繋がったひとつの大地に立っている。

そんな気分を、8つの短歌で書いてみました。

第一歌集『愛を歌え』には収録されていない新作です。
もしも気に入っていただけたら、ぜひ『愛を歌え』も読んでみてくださいね。
あの俵万智さんが帯文で「今を生きる愛の名言が、ここにある。」と太鼓判を押してくださった、295の短歌で綴った物語です。

火星の砂

肩に顎を乗せて覗けば君の目と同じ高さで夜がはためく

幸せはいつも遠くてiPhoneのカメラで星は上手く撮れない

今はもう存在しないかもしれないベテルギウスの光が届く

誰もいない部屋で鳴ってる目覚ましのように叫んだオレハココダヨ

もし離れ離れだろうと俺たちは月と地球の狭間に生きる

バスマットを火星の砂と仮定して最初の一歩をせーので踏もう

ボールペンのインクが出ないせいにしてずっと書けないままの返信

声帯を鳴らす力を振り絞り最後に君の名前を呼ぼう

あらゆる言葉が無料で読める時代。 それでも、もしも「読んでよかった!」と思っていただけたら、ぜひサポートお願いします。 また新しい言葉を書くために、大切に使わせていただきます。