武后・天照大神説をとればしっくりいくと思うがどうか

有力学説として卑弥呼が天照大神のモデルであるという説があるが、卑弥呼は高楼に住し神からの託宣を受ける側で、その立ち位置が逆であることから否定したわけだった。
空からやってきて託宣を与える側こそ神であるべきというわけである。

すでに述べたように秀真伝を記紀神話成立の叩き台となった原型だったと仮定すると、主役の瀬織津姫への絶賛が記紀における女神天照大神で良しとする結論に落ち着いたことが推測される。

その瀬織津姫には唐の則天武后の事績がかなり盛り込まれていることが分かっていることも詳述してきた。その瀬織津姫が天照大神の荒魂(原型)とする古伝承によって同体とすれば、秀真伝もまた記紀とそれにやや先立つ同年代に成立したものであったことも分かってくる。中国の唐と密接に関わる神話として新認識されねばならなくなるが。

古事記は古代のDSがその編纂に関った書であり、前身の秀真伝とともに大陸から渡来した思想が反映されている。秀真伝には制作者に朝鮮系の文人を天照神の誕生が卵生であったことなどで思想的関与させており、天照の十二后においては、より古伝のカバラへの準拠をほのめかしている。
いっぽう古事記神話は宇宙人レベルの知識の科学技術知識が網羅されていて、カバラとともに入ってきた神秘思想系の秘儀知識の隠し置場としての機能があったとみられる。

また、イザナギ、イザナミの国生みが失敗した「女先立つ」ことの咎であったことを伝える文のすぐ後に、天照大神が女神なのに天津神の総帥としての役割を与えていることについては、
古事記編纂を命じた天武天皇の強い意向を汲む形になっていることで、武后が天照大神のモデルになっていることを崩すわけにはいかなかったとみられる。編纂に深く関与した不比等もそれを曲げるわけにはいかなかったのだろう。

しかし、"武"家の勢いと意向と恩寵を不比等も受けている以上、その地盤であった唐の行く末までウォッチし、歴史は有為転変するものながら、唐の全盛という一応の区切りまでの歴史的教訓話などを記録に盛り込むことが後世まで続けられたとみられる。

古事記が天皇に最終的に献上されたときとは、太安万侶が編纂に入った712年ではない。また単に稗田阿礼の口述をのみ記したものでもない。
少なくとも関り多かった不比等の没年(720)までの唐の歴史がそこに反映され、なおもDS藤原氏にその意志が伝えられて、唐の一応の安定をみた頃までの歴史が挿入されているとみるべきだ。

当時、唐は玄宗によって開元の治が行われ全盛とともに善政の敷かれた時代を迎えていた。よって武后の孫にあたる玄宗の功績で、ここまでで良しとして神話も最終的に改稿されているとみられる。

玄宗は武韋の禍を鎮めた功績が評価され、神話の冒頭に「女先立ち言える不相応」を先例的咎の教訓として遺すべく、天照大神の前に持ってきているとみられるのである。
時としては武后亡き後であり、それはさらに武后への思い入れの残る不比等の亡き後の挿入文だったかも知れない。

その他、李家の跡継ぎとしての高宗李治の息子たちにおいて、武后が気に入らなかった者たちへの処断がほぼ全員に対してであったことから、天照大神の息子オシホミミが地上の治世に関わることがなかった故事にして、天降しなかったとして記し、孫のニニギが天降し地上を賑わしたという記載によって、息子睿宗の子・孫の玄宗の徳と功績を讃えた形になっているとみられるのである。

玄宗も武后が存命であれば廃位されたかも知れず、大胆な改革など及びもつかなかっただろう。武后は独裁したがる人物であったわけだから。その教訓を反省として善政を敷いたのは彼が聡明であったからだろう。

しかしオシホミミは派手な天降こそしなかったものの、耳(33)すなわち秘密結社DSとして陰からニニギ文化に入れ知恵関与していた。オシホミミは、推進する(オシ)・初の(ホ)・秘密結社(ミミ)という意味になる。しかもニニギの親父だから、力関係はオシホミミの方が上だったかも知れない。今の世界の有様もそのようになっていないか。
イルミナチの十三家に李家が含まれるのは、唐の時代の李家の末裔家ということになるだろう。

奈良大和三山の耳成山は33成し山の意味であり、人工的に造られた山で、奈良時代になってから人材も集まり、秘密組織の位階も完成できた記念碑となる山であったとみられる。完成祝賀会が、造山工事などで動員された庶民にはイミフだったことながらも、盛大に行われたことだろう。
それがどんなふうであったのかは、知るすべはない。

下の地図は耳成山を中心軸に据えた藤原京造営のための幾何学規格が認められることを表したものである。三角形がどこかメーソンの定規とコンパスの図柄に似ていないかと思ったりする。


真ん中のは目なのかな、それとも・・とにかくシンボルの作る角度が似ている気がしてならない


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?