アタシにとって「インディーのお仕事」という番組が終わった意味

3月14日初回放送分をもってファイティングTVサムライで放送されてきた「インディーのお仕事」が終了した。2002年10月の放送開始から実に21年半という、CSとしては記録的な長寿番組だった。

アタシはこの番組の立ち上げから企画&構成として関わったことで、多くの団体や選手と出会い、そして関係を深めることができた。それは取材者として大きな財産である。

なので当然のように落胆もしているし、固定収入源を一つ失ったことは経済的な痛手でもある。ただ、それ以上に大きいのは番組の終了とともに、アタシの取材活動に大きな変化が生じることなのだ。

具体的に書いてしまえば、会場取材に行くべきではない団体が複数出てきてしまったのだ。
 
前述の「インディーのお仕事」が放送されていた期間、アタシは番組で取り上げている団体の会場には、可能な限り足を運ぶようにしていた。ニュース原稿のナレーションを書いていたこともあるが、録画された映像では伝わり切らない、ライブの空気を体感することこそが、番組を作る上で重要と考えていたからだ。

逆に言えば、「インディーのお仕事」という発表媒体があるからこそ、アタシは様々なインディー団体の会場での取材を許されていた。アタシが取材してきたモラルの中では、取材した内容を発表できうる媒体(確定でなくとも)が無い団体への取材は、取材を装ったタダ見であり許されることではない。

さて、アタシの主たる取材対象にはインディーと並んで女子プロレスがある。こちらは週刊プロレスモバイルに連載(こちらは22年を越えた)している木曜女子プロレスがある。よって女子プロレス団体はもちろんのこと、女子選手が所属しているガンバレ☆プロレスや2AW、さらには山下りなが参戦しているFREEDOMSなども、団体側が受け入れてくれる限り取材は続けたいと思っている。

さらにサムライTVで中継の解説をしている大日本とBASARAも、やはり取材を継続していくつもりだ。というか、ろくに会場取材もせずに解説する方が、視聴者や選手に失礼というものだろう。666に関しては取材というよりは会場実況の解説という提供側なので継続していく。。
 
ただ、それ以外のインディー団体となると、「インディーのお仕事」という番組が無くなった以降も、私が取材に行って良い正当な理由が思いつかないのである。具体的に挙げるとDDT、みちのく、HEAT UP、TTTといった団体である。

これらの団体の多くは付き合いも長い。だから「固いこと言わずに取材に来てくださいよ」と、物分かりがいいことを言ってくれる団体もあるかもしれない。しかし、昨今のメディア状況を鑑みれば、そうやってアタシを例外として認めてしまうと、長期的には各団体、ひいてはプロレス界全体の首を絞めてしまいかねないと思うのだ。

今や商業メディアを通さずとも、様々なネットメディアを通じて個人発信ができる時代である。そんな時代だからこそ、付き合いの長さなどを理由に、例外は許すべきではないと考える。そんな例外が蟻の一穴となり、堤を崩してしまう可能性も皆無ではない。だから取材に対する線引きは行うべきである。

もちろん取材を発表する場を新たに得ることができれば、上記の団体に再び取材をお願いする機会もあるかもしれない。ただ、昨今のメディア状況を考えると、その可能性はかなり低いと考えている。

さて、この文章を書くために始めたnoteだが、せっかくなので「インディーのお仕事」終了に伴う減収を少しでも補うためにも、どのような形になるかはわからないが、いずれ有料での公開を行うかもしれない。それで減収分を補えるほど甘いものではないことは重々承知だが、とりあえず取材団体が減った時間はそちらにも費やすつもりだ。

ただ、仮に有料でのnoteを始めたとしても、それで団体に大会取材のお願いはするべきではないと考えている。それは前述してきたように、先々に好ましくない前例となりかねないからだ。


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