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月報Okishima Life 2024.4 姉川13日間の戦い くさつFermars'Marketに初出店!

(3月終盤、スジエビが深場から一斉に姿を消した)その後

3月も残すところ数日となったところで、スジエビは深場から一斉に姿を消した。その後、何度か通ってみても状況は変わらず。それにしてもいなくなるのが極端すぎる。毎年の傾向だが、今年は一層そう感じた。(何が影響しているのか確実なことは分からないが、今シーズンの対象となるスジエビの絶対数は間違いなく少ない。)

あちこち足を運ぶ

これから浅瀬に寄っていくスジエビに、いつまでも深場で期待していても仕方がない。そして、何と言っても今回は独立2年目の4月。自分で考え、獲りに行かねばならない。
これだけ船に乗っていれば時期ごとの候補地くらいはいくつかあるので、とりあえず船を走らせて何ヶ所かで網を曳いてみた。全く感触がないところがあれば、少しは手応えがあって数日滞在できた場所も。でも今年はそもそもが少ないからどこも長くは続かなく、最終的には毎年のごとく、姉川に通う日々に突入した。
(一人で初めて行った漁場もあり、この期間はそこでの曳き方などの練習になったり、どんな漁場なのかを知るきっかけにもなった。)

研修中によく通った場所に一人で。懐かしい。

姉川13日の戦い

比較的シーズン最後にスジエビが固まって獲れるのが、ここ姉川。今シーズンもすでに何隻かは通われていて、あまりパっとするような情報はない中ではあるが、通う他ない状況だったので、4月中盤から通い始めた。
ちなみに、いつも以上に遠い場所だから時間がかかり、同時に燃料の消費が大きくなるので、出来る限り低速で行くように心掛け、片道1時間超。日が昇ったと同時に網を仕掛け一網でも多くやりたいので、出漁は3時40分~4時頃。こういった事情もあり、改めて気合が入る。まさに沖曳きのラストスパートをかけるタイミング。

真っ暗闇はレーダーとGPSを頼りに。
沖島出航時。
ピンクムーン。

中盤戦で少し獲れるが、最後の最後までは獲りきれず

自分たちの言う姉川は、水深50m‐10m辺りの沖曳きで言うところの浅場浅場は深場と比較して斜面になっていて、少しのm数の違いでスジエビがいたりいなかったり(他の魚でもスゴモロコがいれば、ホンモロコがいたり)する。そんな中、何度か網を曳いて出てきた今シーズン通い始めの答えは、水深40m前後かつ、それなりに獲れる網が一日に1~2回あれば上出来という相場。
通い始めて数日後、少しずつ水深が変わったりもしたが段々と自分のペースにハマってきたのか、それなりの網が2~3回曳ける日が続き「これは明日も獲れるだろう」と、確信をついた日々が続いた。
これが最後まで続いてくれればと思い始めたのも束の間、自然相手ではそう思い通りにいくわけもなく禁漁期まで残り5日程でスジエビはさらに浅場に行ってしまったのか、散らばってしまったのか、最後の最後までは獲りきることが出来ず今シーズンは終了。

竹生島とつづら尾崎
少し浅瀬を向くとスゴモロコ

今シーズン総評

毎年ながら大きな事故や怪我なく、無事終えられたことにほっとしています。
シーズンを通しては非常に厳しい年で、当然これは今年だけの話にするのではなく、こういった事は今後もあり得ると想定しておかないといけないのだと、教訓になりました。ただ、独立2年目を迎えた3-4月は(横の動きと縦の動き双方に)トータルのパフォーマンスとしては昨年よりはグンっと上がった実感はあるので、そこはポジティブに捉えたいし、以前に比べ、自信はついた。
その上、これからやらないといけない事、まだまだやれるだろう事が新たに見いだせたので、またアクションをとっていきたい

4月に獲れた日の生簀

4月下旬、水温がグッと上がったせいか、水位が高いからか、ふと港の岸沿いを覗いてみたらスジエビが着いていた。だからといってすぐにタツベに入るかと言われるとそうでもないが、獲れ始めるのは例年より早いかも。

“イブキ”

今シーズンは “イブキ”と呼ばれる風によく遭遇した。
名前の通り、伊吹山方面から吹く風で、ゆっくりと大きな波になって船に押し寄せてくる大袈裟ではなく恐怖を感じてしまうほど高い波。そして、船の向きなど少しの操船誤りで転覆の危険性も。同じ琵琶湖といえど、天候は全く違い、漁場へ足を運んでみないと分からない時も多々ある。
この時期は昨年に恐い思いをした “突風ハヤテ”もあり、沖合いは非常に危険。天気予報やその時の状況など、勘案して判断していかなければいけない

島内から見る春の嵐。見てるだけで沖合での高波がフラッシュバックする。

浅場の多様性

深場は深場、浅場は浅場の魚の固まり方がある。それがあるから沖曳きはおもしろい。

浅場の魚たち。スゴ、ヒガイ、ホンモロコ、ハスゴ、イサザ。
浅場の唐揚げ盛り合わせ

くさつFarmers'Marketに初出店!

念願のくさつFarmers'Marketでの初出店。どれほど購入して頂けるのか、手が間に合うのかなど不安要素は多々あったが、最終的に沢山の方々が足を運んで下さり、お代わりをして下さる方もおられ、大きな滞りも問題もなく、大満足な結果で終えることが出来た。何と言っても運営陣の皆さんのサポート体制と、今回は初めてだったので同じ若手漁師であり出店の先輩でもある駒井さんとともに出店させてもらえた事に救われた部分が非常に大きく、安心してやりきれたことが大きい。

そして今回の出店でも、スジエビ唐揚げの可能性はめちゃくちゃあるように感じた。こちら方面でも引き続きアクションを起こしていきたい。

朝水揚げしたスジエビ。
スジエビ唐揚げ

今回はここまで

非常に厳しい沖曳きシーズンではあったが、あきらかに昨シーズンよりも成長していたこと、この状況下である程度の結果が残せたことには、自信を持って来シーズンを迎えたい。
そしてここからは、タツベの2シーズン目。こちらも昨シーズン以上のパフォーマンスを目指したい。

では!

ハスゴの魚醤。気温が上がった途端、一気に発酵が進んだ模様。

今年の桜↓↓↓

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