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自分が読みたいものを書ける自分

私のnoteとInstagramを両方フォローしてくれている稀有な方がいる。そのフォロワーさんが2年半前に書いた記事に「いいね♡」を押してくれた。



何を書いたのかまったく覚えていない。自分の書いたものなのに、第三者の気分で読み始める。そして思った。

2年半前の私の文章、瑞々しいなぁ。まっすぐだ。

古本屋さんからもらった花。名前を失念。すずらんではないそう。


今の私はブレている。迷いながら書いている。

見られること、読まれることに意識が向き過ぎているのかもしれない。

それは悪いことなのか?というと、そうでもないと思う。その視点は必要だ。

ただ「書く」ということに対しての距離の取り方というか、意識の向け方が定まっていない感じがする。

そんな風に頭の片隅で考えを転がしているときに、お気に入りのpodcast 「チャポンと行こう!」の最新回が配信された。

156夜「企画がなかなか通らない。うまくいかないとき思考の転換ってどうしてる?」を通勤途中の車の中で聞く。


たまたまかもしれないけど、ちょうど考えていることとシンクロした情報が飛び込んでくることが、最近増えたような気がする。なんて運がいいんだろう!と思える自分の単純さは好きだ。


葉桜へと移行している街路樹に目を向けながらも、耳はpodcastに集中。「なるほど」と思ったのは、企画という自分のアイデアとの距離の取り方だ。


「チャポンと行こう!」の配信元、『北欧、暮らしの道具店』の店長佐藤さんとスタッフのよしべこと青木さんが2人で話を進めていく中で印象に残ったのは、以下のような話だった。

「自分が読みたいと思うもの」を企画する。

「自分が書きたいもの」でもなく、「お客さんが読みたいもの」でもなく。

「自分が読みたい」は、あくまでもきっかけであって、目的ではない。私が読みたいものを企画したからいいんだ!ではない。最終的にはやっぱり、お客さんが読みたいものを作るのがゴール。

ではどうしたら、それができるのか。大事なのは、企画として出してきたものを丁寧に振り返ること。

結果を見て、何で届かなかったのか、なぜ共感を得られなかったのかを、振り返るのが大事。

私はこのnoteも、Instagramのアカウントも、人に勧められたことがきっかけで始めた。そして書いていくうちに、残したいと思ったのだ。自分の心に残ったアレコレを。

嬉しかったこと。
もやもやしたこと。
後悔したこと。
感動したこと。

忘れたくない想いを記録しておこうと思って、これまでマイペースで続けてきた。

私のキオクのキロクに対して、反応が返ってくるのが純粋に嬉しかった。

今は?
今もすごく嬉しい。

でもそれだけじゃダメかも。と思い始めている。

何でダメかって。

私は文章を書くことを仕事にしたいから、だ。そう、目的が変わっているのだ。

読んでよかったなと思えるものを、読み心地の良い文章を届けたい。だからそのためのスタンスを探っている。あっちかな、こっちかなと、視線が動いているから、ブレを感じているんだと思う。

自分が書きたいものでもなく、お客さんが読みたいものでもなく、「自分が読みたいもの。」

この視点は新鮮だった。迷いながら書いている私に「こっちのやり方もあるんじゃない?」と新たなレシピを差し出されたような気持ちになって、少しワクワクしている。

私は焼き菓子の中ではスコーンがいちばん好きだ。

バターをたっぷり使ったものも
オイルで軽めに仕上げたものも
プラントベースのものも
グルテンフリーのものも。

どれも美味しいし、そのレシピだからこその味わいがある。

「今の私はブレている」と冒頭に書いたけれど、そもそもおんなじ日なんてないように、同じ私もいない。細胞は日々生まれ変わっている。

だから、ブレがあるのではなく、その日の感覚が違うだけなのかもしれない。

「ブレてるよ」なんて、自分を叱咤せずに「揺れ動いているね」って自分を見守るくらいでもいいのかもと思えてくる。

自分が読みたいものを書ける自分。

ゴールまでの階段は長そうだけど、その視点を見つけられて、嬉しくなった自分がいる。そんな自分に今日は、ハナマルをあげよう。

庭のさくらんぼの花も次々と咲いてきました


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