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わが社的 電子帳簿保存

今年1月より、新しい電子帳簿保存法がスタートしました。
とりあえずまともなスタートは切れたと思います。
検討してきたこと、実際に行ったことをまとめました。


電子帳簿保存法とは

「電子でやりとりしたものは電子で保存」

電子帳簿保存を一言で表してみました。
国税庁もそう申してます。

申告所得税・法人税に関して帳簿・書類を保存する義務のある方が、注文書・契 約書・送り状・領収書・見積書・請求書などに相当する電子データをやりとりした 場合には、その電子データ(電子取引データ)を保存しなければなりません。

国税庁 特設サイトのパンフレットより抜粋
https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/tokusetsu/pdf/0023006-085_01.pdf

受け取ったときだけではなく、送ったときにも保存するのもお忘れなく。
インボイスもそうですが、お互い保存するのです。


電帳法4つの観点

電子でやりとりしたものを、好き勝手に保存するのではありません。
電子取引情報を電子保存する際には、4つの観点からルールを遵守する必要があります。
(詳細は上記引用URLなども参照ください)
①真実性の確保
②関係書類の備え付け
③見読可能性の確保
④検索機能の確保
要は、改ざんを防止し探しやすい状態で保存するのです。


現場との一致した考え

私の職場ではTKCを使っています。
2023年1月施行で動いていた頃にはTKCで保存する仕様がなく、いろいろ調べて疲労ばかりしていました。
ツールをやみくもに増やさず、かつユーザーが利用しやすくしたいという考えがあったのですが、それが叶う良い方法が見つかりませんでした。

その後、TKCで証憑保存のオプションが出来ると知り、仕様や操作方法の説明をしていただいた結果、導入の判断をしました。
(オプションが出ることを早く広報してほしかったけど)

数々の電帳法関連ツールの売り込みに惑わされることなく、情シスは管理は変わらず、経理はTKCのメニューが一つ増えた感覚でシンプルに。
当初の考えがほぼ叶いました。


わが社的電子帳簿保存

2023年12月上旬まで行っていた紙保存の流れです。
電子で受け取っているものも関連部門で紙出力し、経理に回していました。

【紙保存の頃】

この流れと同じだと、経理に電子帳簿保存作業が集中してしまいます。
そのため、関係部門で一時的保存しようと考えたのですが、サーバーにファイルを保存するだけでは中身の情報がなく、かえって経理の手間が増えます。
そこで、関係部門に少しだけ情報を入れてもらいファイル保存できるようにkintoneアプリを使うことにしました。
関係部門がkintoneアプリに登録したファイルを、総務メンバー3名のゆるい当番がTKCへ電子保存します。
ゆるい当番が、経理だけの負担増を回避しています。

【電子保存開始】ゆるい当番が登場

ゆるい当番は、自分の業務の合間に保存を進めています。慣れると1件を1分以内で保存できます。
kintoneアプリに登録された電子帳簿(添付ファイル)は、プレビュー表示し保存をします。
するとTKC証憑保存画面が開き、AIで読み込まれた情報が表示されます。証券の内容とAIの読み込んだ内容が合っているかを確認し完了です!

【電子保存方法ビフォーアフター】 ストレスを☆の数(独断)で表しています

施行開始時にスムーズにできるようにしたいと、2023年12月から経理だけでなく関係部門も一緒に保存を開始しました。
経理と営業事務は飲み込みがとても早く、電子でないスキャン保存も徐々に始めています。


ここまで、さも私がアプリを作ったように説明をしましたが、あえてアプリ作成に関わりませんでした。
いつまでも私ばかりがアプリ作成に関わるのではなく、後輩には現場の要望に寄り添った対応をしてもらいたい思いがあったからです。
私自身が現場の人(ゆるい当番)ですので、分かりにくい所と流れがスムーズでない所に意見を出しました。

担い手が円滑に改善できるようにするには決めごと大事ですね。これから決めていこう。


今後の展開

現段階では、電子は電子で保存という法対応のみ行いました。
今後は、TKCでデータをより使いやすくできることに取り組む予定です。
TKCでは、起こした仕訳伝票に電子証憑を添付し同時に閲覧できたり、読み込んだ電子証憑から仕訳を起こすことができるそうです。
AIの読み込み精度か上がれば手直しが減り、尚良しです。


(おまけ)情シスだけが悩まなくてよくなった

昨年10月のインボイス以降、法改定準備において情シスの本来やることに集中できるようになりました。
それまでは、社内問い合わせ対応、運用の指示まで、経理でない情シスが主導で動き、悩み、決断していました。
入社以来これに疑問を感じ続けており、自分が責任者になったのを機に新しい総務の部門長に訴えました。
総務経理が主体となり、情シスとコミュニケーションをとり協力し合えるようにしたのは、お互いに良かったと思います。

ケイリスコシダケワカルとはいえ、私の判断は正しいのかどうかも、社内で誰も何も言わないのでずっと不安だったのです。
肩の荷をドサっと下ろすことができましたが、これからも関係各所と連携し、便利にわかりやすい仕組み作りに全力を尽くします。

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