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【日記】読書会で「読んでいない本」について語ってきた

7月、本読み友達が欲しすぎて生まれて初めて読書会に行ってみたら楽しすぎワロタ、という日記を書いたのだけれど、読書会の"悦び"を知ってしまった自分は早速つぎの読書会に向かったのだった。

今回参加したのは「つまずく本屋ホォル」さんという古本屋さんで開催された、「読んでいない本を堂々と語る会」という読書会だ。

積読というのは本好きなら誰もが現在進行形で経験していることだと思うけれど、その「ずっと本棚で眠っている本についてあえて読まずに語ってみる」というとても面白いコンセプトの読書会だ。

自分はこの読書会をたまたま故・Twitter(現・エックス)で知り、これも良い意味でゆるそうな読書会だと思ったことと、このコンセプトにぴったりな積読があったので、意を決して参加することにした。

ホォルさんの最寄駅は「霞ヶ関」ということだったので、「千代田線かぁ、自分の通勤途中にある駅だし、行きやすいなあ」と思っていたのだけれど、埼玉県の川越に全く同じ名前の駅があり、ホォルさんは埼玉県の「霞ヶ関」が最寄なので、調べてみると片道1時間半もかかった。もはや遠征じゃん。だから気に入った。

埼玉県霞ヶ関の商店街。想像以上の田舎で好き。

地元を思い出すほど田舎感のある駅前と商店街を抜け、霞ヶ関駅から15分ほどで「つまずく本屋ホォル」さんへ到着。入り口からとてもオシャレで素敵な本屋さんで、テンションが上がる。

つまずく本屋ホォルさん入り口
カフェ利用もできるので、読書会までゆっくり過ごした

読書会の参加者は主催者を含めて5名。全員がメガネの男性(自分含む)で、良い意味でオタクな人たちが揃っていた(自分含む)。自分はなかなかに人見知りなので、パッと見ただけで仲良くなれそうな方たちばかりと思えるのは心強い。

順番に持ってきた本を紹介していく。美術の歴史本、日本語の歴史本など、「確かにめちゃくちゃ面白そうだけど分厚いし気軽に読めないなあ」と共感しやすい本ばかりで、周りの人も興味を持ったり、わかるわかると共感したり、既にとても良い空気が生まれていた。

しかし自分の一つ前の方のプレゼンがめっっっちゃくちゃ面白くて、その本を買った理由も後日談もエピソードとしてあまりに強かったので、自分にプレッシャーがかかる。

こんなしょうもない理由で積んでる本を紹介して良いのだろうか?と段々不安になりながらも、自分が紹介させていただいたのはグレッグ・ベアの『ブラッド・ミュージック』というSF小説だ。

ここでも簡単に、買ったきっかけと積んでいる理由を紹介させてもらうと、この本を買ったのは友達が誕生日にくれた「ハヤカワ文庫専用のブックカバー」がきっかけだった。

本読みであればご存知の方も多いと思うけれど、ハヤカワ文庫の文庫本は普通の文庫本よりほんのちょっとだけ背が高い、「ハヤカワトールサイズ」と呼ばれるサイズになっている。

ハヤカワトールサイズの文庫カバー。
普通の文庫本はちょっと背が低い。

そのため普通の文庫カバーだと少しはみ出してしまうのだけれど、そのトールサイズにぴったりの文庫カバーをプレゼントしてもらった。
この粋なプレゼントがめちゃくちゃ嬉しくて、すぐにでもハヤカワの小説が読みたい!!と思って、「ハヤカワ文庫の隠れた名作」みたいなブログ記事を読んで気になる本をAmazonでひたすら購入した。その中の一つがこの『ブラッド・ミュージック』だった。

どちらもハヤカワ文庫。しかし……

しかし、写真を見てもらうとわかるように実際に届いた『ブラッド・ミュージック』は別に全く「トールサイズ」じゃなかった。そうなのだ。ハヤカワトールサイズが起用されたのは調べたところ2009年以降であり、それより前の文庫は普通のサイズなのだ。
中古で購入したことによって、Amazonの画像とも違う装丁の古い版が届いてしまった。

装丁も違うし、この文庫カバーだと高さがちょっとだけ余ってしまう

別にショックというほどではなかったけれど、どうしてもモチベは下がってしまい今日まで積んできてしまった。
(しかもそのとき一緒に買ったアガサ・クリスティの『春にして君を離れ』は自分の人生のベスト級に素晴らしかったので、背の高さによって命運が分かれてしまった)

また、今までにも何度かモチベを上げようとレビューや書評を調べてみたりしたのだけれど、どのレビューにもほぼ100%確実にクラークの『幼年期の終わり』の話が出てくる。なんなら自分が持ってる文庫の背面にも「80年代の『幼年期の終わり』と評された傑作!」と書かれている。どんだけ『幼年期の終わり』やねん。
『幼年期の終わり』は読んでいる自分にとっては「なるほど、幼年期の終わりみたいな話なんだなあ」と読んだ気にすらなってしまい、モチベを上げようとして調べてるのに余計モチベが下がるのであった。

……とそんな話を読書会でしたところ、これがやたらウケて、みんな爆笑してくれた。う、嬉しい〜〜!!
もちろんバカにする笑いではなくて、自分の話に興味を持って共感してくれるタイプの笑いで、とても嬉しかった。

自分以外の参加者は皆、ホォルさんと何らかの関わりがあるような方ばかりだったので自分だけがアウェーだと思ったのだけれど、毎月やっているこの読書会はTwitterを見て初めて来てくれる方が多いですよ、とのことで、初めましてでもあたたかく受け入れてもらえたのも嬉しかった。

読書会のあとも簡単な交流会があり、参加者の皆さんとお話しできたのだけれど、皆さんとにかく詳しいし、本への情熱もすごい。
特に今回の参加者の皆さんは話がとても面白くて、普段は自分語りが大好きな自分もずっと聞き手に回り、それでも全く飽きなかった。
読書友達がいないせいでなかなか読みたい本に出会えない自分なのに、この日の数時間だけで6冊くらい読みたい本が増えた。明日早速図書館に行こう……と思った。

楽しくなってビールまで注文してしまい、真っ暗になるまで居座ってしまった。なんて居心地のいい場所なんだ〜。うちから遠いことが悔やまれるけれど、この読書会は毎月やっていて、2階では「読んでいない本を堂々と読む会」というただただ積読を消化する会も同時開催されているので、都合がつけばぜひまた参加したい。

2階はワークスペースになっている。この感じ、好き。

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