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# 56 悩める人間

生成AIの開発が急ーピッチで進んでいる。多くの企業が競って、多額の投資をしている。
そこで発生する、前回も一瞬であるが取り上げた、人間の居場所は、人間の価値は、どうなるのかと言う問いかけは喫緊の課題である。
そんな不透明感の漂う現在をさまよってみる。

漸進法で進める。

1。すでに崇高な感性や知性や美意識は商品化され、それが真理か否かは問題外であり、(いくらで)で手に入れられるのか、と言う事態となって来た。更には多くのネット上のプラットフォームが情報のマリアージュを競い、理性も商品化されている。例えば、どんな人生を歩んでゆくべきか、などという問いにもその人に合った客観性を持ったオーダーメイドの回答を示してくれそうだ。それに提示される対価を払えば良いと言う事になる。
2。「哲学者は堅苦しいことを言っているのだが、意味がわから無い。その存在価値が低下している。」というような雰囲気を醸し出す。だが、それは間違いだ。むしろ、急速に変わり始めた環境で、新たなる哲学が次々に生まれてきている。
人工知能(AI)は膨大な情報を蓄積して、自己学習(ディープラーニング)を始めた。すでに将棋や囲碁の世界では周知の事実であるのだが、自動運転も人間に取って代わる時間は迫り来る。
カーツワイルはAIは2045年、人間の知能を超える技術的特異点シンギュラリティに到達すると予言する。そこで直面するのが50%以上の仕事がAIに取って代わられるという近未来だ。
自律するAIの登場で、それが猛スピードで自己改造を進めてゆくと、本当に我々はどうなるのだろうか?人間はその進化について行けない。
取り残されるのだが、例えば、医師、弁護士、教師、政治家とか人にしかでき無いと思われていた職業も衰退や消滅の危機にさらされる。
だからこそ、人間の居場所とか、価値とかを必死に真剣に見つけ出さなくてはなら無い。そのトップランナーは哲学であろう。
3。現在は様変わりして、哲学は通用し無いし、誰も興味を示さ無い。哲学という響きもよろしくない。
4。哲学が間違っていたというのではない。昭和のそれでは急速に進化する現象に対応でき無いというだけで、新たなる道、哲学を見つけなくてはなら無い。多くの新哲学があらわれてきた。それは哲学という言葉で登場してないものも多くて、まるで哲学が衰退した様にも見えてしまう。
5。本当に哲学は形を変えて存在しているのだろうか?
6。ステルス哲学は蔓延している。各企業は企業哲学をもつ。マイクロソフトのビルゲイツもオックスフォード大学の哲学者ニックボストロムを推奨している。スーパーインテリジェンスについての考えに共感しているのだ。
哲学者は納得しないかもしれないが、哲学無しには金儲けできない時代でもある。

私は昔の哲学を知りたいと思ったのだが、その目は現在のそれに向けられるべきなのでしょう。

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