#100:赤い髪とモロッコの蛇
過去一度だけアフリカ上陸したのを思い返す。
過去の記憶を呼び起こして自らの話の引き出しを整理、タグ付けするシリーズ。事実ベース、教訓なし、これって何の話?となる恐れあり
モロッコへの入国
大学時代(約20年前)、スペインを1ヶ月かけて友人と2人で旅していた。(貧乏旅行でお金はそんなにかけていないとはいえ、いま思うと非常に贅沢な時間の使い方だった。)
南スペインをまわっている時に、足を伸ばせばモロッコ🇲🇦に日帰りツアーで行けることが分かった。ここまで来ることも2度とないだろうということで思い切って行ってみることにした。
フェリーでモロッコ上陸するにはいくつかルートがあるが↓、我々はアルヘシラスからタンジェへ渡った。南スペインもイスラムの影響を受けた街並みやモスクも多いが、やはり海峡を渡って大陸を跨ると雰囲気はガラッと変わった。
スペインもずっと異国の地ではあったが、よりディープな世界に足を踏み入れたようだった。それについて何も言わなかったが、友人もワタシもそれをヒシヒシと感じていた。
タンジェの街
タンジェは、低い屋根の家々と狭い路地が密集した迷路のような街並みだった。メディナと呼ばれる旧市街は、古い映画に引き込まれそうな不思議な世界観だった。
強い日差しと海風を防ぐように、街が作られている。古い時代から日陰をたくさん作り、昼間も人々が活動できるように工夫されていた。
ガイドはその複雑な迷路をどんどん進んでいく。坂の街ということもあり、路地は階段を登ったり降りたり、それ以外にも民家の中(商店の中)をくぐり抜けて、建物の中の階段を登ったり降りたり。ガイドを見失うと、確実に迷って2度とこの街から抜け出せないだろう。
そんな街だった。
ツアー客
日帰りツアーに参加しているのは、ほとんどがヨーロッパ(主にスペイン人)の観光客の中にぽつんとアジア人が2人。そして、そのうちのひとりは赤い髪(この旅行前後は何故だか私は真っ赤に染めていた)で、ほぼガイドの言うことも理解せず、ただ黙々と付いてくるアジア人達は明らかに異様に浮いていた。
ワイワイ楽しみながら歩いている他のツアー客とは違い、我々のアウェイ感は色んなものが混ざり合っていた。ガイドや観光客の言ってることは分からないし、しっかり付いていかないと道に迷うし、そして、この特別な街の雰囲気。
ようやく最後のショッピングコーナーがやってきた。ただ流石のモロッコ観光はひと味違う。お土産の小物とかではなくて、延々と絨毯を見せられる。買うまで商談のようだ。
絨毯の値段は数万〜10万から100万レベルのものまであり(巨大な絨毯)、そんなの貧乏旅行の学生が買う訳もないのにと思うものの、相手はあくまで淡々と商談を進めていく。どうやらこちらから明確なストップをかけるまでやめないルールなんだと、途中でようやく理解した。
蛇使い
ようやく絨毯攻撃が終わって一息ついていると10人くらい溜まれるような、少し開けた場所に出てきた。
何が始まるのかなと身構えていると、笛を持った蛇使いが壺とともに現れた。その蛇使いと、カメラマン、ガイドがセットになって、あっという間に大きな蛇を肩にかけられていた。
そして、蛇使い、蛇、自分のスナップ写真が撮られていた。手際の良い連携プレーにすっかり嵌められたものの、出来上がった写真は悪くなかった。苦笑いしてる赤髪に大蛇が巻き付き、モロッコの街並みが写っていた。自分たちでも写真を撮ったがそのスナップ写真は購入した。
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ただの旅行記であり、何か特別の感傷が湧き上がることもないが、稀な体験ではあったので、この記憶は時々ふと思い出す。
(当時の写真↓蛇を巻いた写真は見当たらず)
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