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#114:FIREではなくFINE

“Financial Independence, Retire Early.”のFIRE。どうやって資産形成するか、またどんな資産運用が良いか等、至る所で記事を見る。

我が家の家計を振り返り、3人家族(子供1人)夫婦共働きという比較的お金を貯めやすい家族構成もあり、もう少し突き詰ればもしかしたら自分もFIREを目指せるかも、と時折考える。

しかし、色々と理由(後述)もあってFIREはいいかなと思う反面、Financial Independenceという前半部分は目指したい。なので、ここ数年重点的に取り組み始めた資産運用について、書こうと思う。(我が家の資産運用で具体的に)

参考になるかは不明だが、40代会社員のひとつのサンプルとして読んでもらえれば幸いです。なお家計の整理整頓は、我が家最大の週末プロジェクトとして3年ほどかかっている。

あえてタイトルをつけるなら、
Financial Independence, No retire Early.”
FINE推進プロジェクトという呼び方か。

FINE…。まあ名前のセンスがないのはご容赦願います。巷ではサイドFIREとかとも言うようだが、一体、何のサイドか分からないので、とりあえず、別の名前にしてみました。

FINEの定義

せっかくなので、定義しておこう。

経済的な自立は目指すが、早期退職はしない。

つまりお金のために仕事を嫌々続ける状態から脱して経済的自立は果たすものの、早期退職が目的ではないので仕事は続ける(むしろ何らかの仕事は続ける)、というスタンスだ。

FIREは、資産運用の運用益(一般的に4%)で生活が成り立つように資産形成し早期退職することがひとつのゴールになる。一方、FINEでは何らかの勤労収入(給与所得でもフリーランスでも)がある状態のまま、経済的自立を目指すということになる。

FIREでも働けば良いという説明も見かけるが、それを言い出すとそもそも“Retire Early.”は?となるので、それはなしで考えることにする。

経済的自立の判断基準はあらゆる選択の時に、お金の要素が選択のボトルネックにならないという感じだろうか。

例えば、FINEなので仕事自体は続けるにしてもお金の為だけの望まないものはやめる決断ができること。その決断の背景に資産があること。あとは子供の教育やライフイベントなど、生活に必要な出費は無理なく躊躇なく使えること。

我が家の資産運用(基本情報と遍歴)

もう少しだけ前置きを書く。我が家の基本情報と資産に関する遍歴を紹介する。

<基本情報>
本人:40代会社員(金融IT、2社目)
妻 :40代会社員(金融IT、1社目)
息子:小学校高学年
東京郊外在住、中古マンション約10年前購入
(ローンは残り10年弱)

いわゆる2馬力(夫婦でフルタイム勤務)で、住宅(郊外中古マンション)は都心と比較してかなり安く、子供もひとりっ子(教育費は最小限)であるため、大きな支出要素は少ない。

収入面も夫婦共に勤続20年を超え(結婚は約10年前)、少し凹んだのは産育休の時くらいで、金融業界の給与水準は割と恵まれていることもあり給与としては充分もらっていると思う。

40代に至るまでの資産遍歴も少し振り返る。

<年代別の資産に対する遍歴>
●20代:休日は寝て過ごしてお金は使わない。
●30代:結婚して家計は妻が全て管理。妻主導の貯金や財形貯蓄が精々の資産運用。個人的にも資産運用には興味なし。ただ浪費癖もない。
●40代:初めて転職する。401Kの移管や転職後の会社では退職金制度の加入なしで、自ら老後資金を計画的に用意する必要性に気付く。

40代までは自ら資産運用を考える機会もなく、金融資産と呼べそうなのは勧められるがままに加入した会社の年金財形(奨励金制度あり)や保険くらい。あとは無計画な預貯金が少し。

端的に振り返ると、2人で10年を2馬力で働いた割にはそこまで多くの資産形成には至らず。

後に資産運用を少し理解してから振り返ると、やはり無計画で受け身(貯金のみ)の状態ではお金は増えず、資産形成はあり得ないと知る。

我が家の資産運用(どう整備したか)

転職をきっかけに、退職金に頼らず老後資金を貯める為、計画的な資産運用が必要になった。

ただこれまで全く情報収集をしていない素人が付け焼き刃でやるのは怖いので(多少自ら学んでリテラシーをつけることは必要であるが)、アウトソースして専門家に任せることにした。

それでもFPは山ほど居て、誰に相談すれば良いかも分からない。また相談という名目で、金融商品の販売勧誘も多くされそうである。

相談方法から悩んだ挙句、以下のサイトを使った。具体的な質問を投げかけ、返ってきたレスポンスを吟味し信用できる相談相手を探した。転職のキャリアコンサルタント探しに近い。

5、6人くらいとチャットして、最終的には3人とオンラインや対面で面談した。1ヶ月くらいかけて、今、お世話になっているIFA、つまりお金に関する相談先↓を見つけた。(お金の価値観は人それぞれなので、きっと下の会社以外も含めて広く探した方が良いと思う。)

手間と時間はそれなりにかかったが、色々調べたり、相談する過程を通じて、何とか最低限の金融リテラシーは獲得できたように思う。

その最低限の知識と、3名のアドバイスを元に試行錯誤しながら、資産運用ポートフォリオが徐々に出来上がっていった。

我が家の資産運用(面倒くさい?)

なおここまで読んで面倒くさいなと思った人。

実は自分もそちら側の人間だと思う。必要に迫られてなかったら、一生考えなかったと思う。

あと今後継続的にお金のことを考え続けるのも嫌だった。そのため、一度しっかりスキームを作って後はなるべく自動化したいという目論見もあり、ここでは腰を据えて粘って対応。

結果として、今では資産運用のことを普段考えることはなく、たまにレポートもらう程度だ。

まさに理想的な状況になった。なので、お金のことでモヤモヤをずっと抱えるより、最初だけ徹底的に整理しスッキリ決めるのがおすすめ。

個人的にはモヤモヤの解消も大きな効果だが、家庭内でお金にまつわる揉め事が劇的に減ったことも大きい。それに伴い夫婦喧嘩も減ったw

それが最も重要な効果かもしれない。我が家へ確実に幸福をもたらしている。

我が家の資産運用(具体的な運用内容)

ようやく中身の話になる。

資産運用は、税制優遇枠をフル活用した上で、残りを他のもので分散投資している。

毎月の資産運用【税制優遇枠】
●iDeco     :23,000円(海外インデックス系)
●積立NISA:33,333円(海外インデックス系)
●ふるさと納税:毎年の限度額分

税金が優遇されている制度はフル活用すべきというのは、どのアドバイザーも口を揃えたし、色んなサイトを調べてもすぐに出てくる。詳しくは、iDecoや積立NISA、ふるさと納税で検索して調べてもらいたい。ざっくり計算で30年でiDecoは800万〜1000万になるし、積立NISAも20年で同じくらいの額(投資先次第でもっと)になる。そして税金控除も適用されると、老後資金としてはこれだけでかなりの土台になる。

ただこの情報にすら辿りつかず、それまで全く活用できてなかった。積立と税制優遇の効果は年数を重ねるほど効いてくる。ここはあまり悩まず、すぐに行動に移すべき範囲かと思う。

毎月の資産運用【その他】
●投資信託 :30,000円(キャピタル)
●不動産(ワンルーム):家賃/ローン相殺
●国内企業劣後債(2030年償還):年利2-3%
●外貨建て個人年金保険 :控除限度額分

ここから先は色んなやり方があると思う。まずベースとなる考え方は、リスク分散と自動化。

リスク分散で言うと、日本円の資産とドル建て資産の分散もあれば、投信、債権、不動産、保険という商品での分散もある。何かあった時に一極集中はリスクになる。最近の円安水準を見ても、円だけの資産運用は怖いことが分かる。

自動化は、個別株の売買など日々の手続きや相場確認が必要なものは個人的に一切やらない。これは自らがコツコツ続けられるタイプではないので仕方ない。面倒なことはとてもイヤ…。

投信は毎月の積立額を設定すれば放置だし、劣後債も償還まで配当受ける以外は放置。不動産もサブリースという大家業務や空室リスクを回避できる契約で日頃の手間はかけていない。

この資産分散になるまで約3年、徐々に分散していった。定期的(半年毎)に資産状況をアドバイザーと共有しながら、少しずつ編成した。恐らくこれ以上は細かく分散することはない。

我が家の資産運用(現在の成績)

偉そうに(?)リスク分散やら自動化と書いたが結局、効果はあったのか?が重要である。

まず現時点(開始から2-3年)の成績。

iDecoと投資信託(積立NISA+それ以外)で、元本が100万に達した時に損益は約+10万程度だった。単純に預金の積立だと、1年半で元本の100万にしかならないのが110万になった。(厳密には2つ合わせて200→220万程度)

まあ予め計算した通りに増えることが証明されただけなのだが、実際に目の当たりにするのは割と大きい。ようやく腹落ちした。

何でこれをもっと前からやってないのか自問自答しつつ、今後、年数が経過するとどんどん差が広がるので、始めておいて良かったと思う。

なお具体的なシュミレーションは、以下の金融庁のサイトで試算できる。条件を変えて色々と試算しても、年数が長いほど、結果への影響が大きいことが体感できると思う。

不動産や劣後債など、あまり一般的に馴染みのなさそうなものにも手を出しているが、こちらも安定的に収益と資産化ができている。

総じて好調に推移し、仮に1億でFINE達成だとしたら3合目に達したくらいかもしれない。とはいえ、(ややこしい説明で恐縮だが)3000万金融資産ができたわけではない。スキームとなる分散や運用が固まり、実際に資産運用の成果も出ているので目標の3割達成したとの評価。

我が家の資産運用(今後の見込み)

そして、我が家の老後資金に向けた試算だが、退職金代わりという当初の目的(FINEではない)は充分達成しそうだ。

もっと順調に推移すれば、その2、3倍の金額となり、FINEという目標にも手が届きそうだ。

最終的な到達金額を高くするか、早めに一定額(FINEの目標額)まで到達することを目的にするかはアレンジ次第だが、早めに目標に達することの方が意義深いように思う。

老後を何歳とするか次第だが、現行の会社員は55歳を過ぎると様々な岐路に立たされる。その局面で、既に目標金額を達成した資産があれば前向きな選択を積極的に選べそうな気がする。

ぼやっとした書き方(生々しい金額は現時点で無責任に書けない)で申し訳ないが、現時点で今後の見込みはこんな感じである。もう少し、確定的なことが書ける状態になれば更新する。

FIREではない理由

ここまでかなり長い文章になったが、ほんの少しでも役に立つことが書けただろうか。

もっとテクニック部分で役立つFIRE解説は他に多くある。ノウハウを知るには、そちらを見る方が断然効率的だ。なので、ど素人でも資産運用を少しずつ学んで地道に実践すれば、多少は何とかなることだけでも伝わると嬉しい。

お金の問題は生活と密接しているが、日本では家族以外の身近な人(兄弟や仲の良い友人、ましてや同僚など)とも話しにくい話題である。

一方で誰もちゃんとお金の賢い運用や使い方を教えてくれない。自ら学んでリテラシーを獲得しないと、ずっとお金に追われる生活になる。

自分もまさにロクな知識もなく、一方でお金にモヤモヤさせられることも多くて、全く対処の仕方が分からない状態を長く続けてきた。だからこそ、その悩みや不安から解放されて暮らす素晴らしさを身に染みて感じている。そして、普段書かないし、あまり公開すべきか分からないテーマだが今回整理して書き起こしてみた。

書いてみて、改めてお金の話を書くことに感情的な気持ち悪さが拭えない。サラッとクールに割り切れず、お金の話=伏せるべきことという日本特有の固定観念に囚われているようだ。

その固定観念と近しいが、お金のことに囚われて日々の暮らしを過ごすことが快適ではない。適度に働き家族と生活してると、生活費以外のお金(資産運用)に関して考える機会は減る。

それもあり、仕事を早々に辞めて悠々自適な暮らしをするという気はない。個人としては仕事という軸を失うと、お金のことが今よりも断然気になるのではと思う。なので、資産運用や管理を楽しんでできる人たちには、きっとFIREが向いているんだろうと想像する。

私はそれよりもストレスや人間関係のややこしさにも巻き込まれつつも、色んな人と関わって仕事するのが楽しい。なるべくできる間はそうやって生きていたい。その対価としてのお金をもらえることは、自分の資産とは全く別次元で、ずっとかけがえのないことのように思う。

長文を読んでいただきありがとうございます。

*5/2追記 もっとシンプルで良いネーミングである”FI”について後付けで知ったのでご紹介。そして、FIREした人の話は皆さん個性的で面白いのでよく読ませてもらう。特にマイコさんの記事はいつもとても面白い!


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