見出し画像

給与の調査について②

前回のブログで市区町村から給与の調査が来たら、
在職者については素直に応じなければならない、と書きました。

前回のブログはこちら↓↓
給与等の調査について①|SUパートナーズ社会保険労務士事務所|note

しかし!!!!
その調査対象者が退職者だった場合はどうしますか?

第141条 徴収職員は、滞納処分のため滞納者の財産を調査する必要があるときは、その必要と認められる範囲内において、次に掲げる者に質問し、又はその者の財産に関する帳簿書類を検査することができる。
一 滞納者
二 滞納者の財産を占有する第三者及びこれを占有していると認めるに足りる相当の理由がある第三者
三 滞納者に対し債権若しくは債務があり、又は滞納者から財産を取得したと認めるに足りる相当の理由がある者
四 滞納者が株主又は出資者である法人

在職者であれば、第141条第三号の「滞納者に対し債権若しくは債務があり」というところに当てはまると思います。
でも退職者はもう会社を辞めたし、給与の支払い予定がないので、債務はないはずですよね!?

退職者の場合も回答しなければならないのか、役所に問い合わせをしました。

SU「退職者は国税徴収法第141条の第一号から第四号のどれにも該当しますか?」

役所「一応、第三号に当てはまると思うのですが・・・。」

SU「第三号の『滞納者に対し債権若しくは債務があり』というのは、現在の話ですよね?退職者は過去の話ですので、当てはまらないと思います。
退職者についても回答しなければならないという、通達とか判例とかあれば教えて下さい。」

役所「・・・・・。すぐには回答できないので翌日に回答になります。」


~~~~~~~~~~~~   翌日   ~~~~~~~~~~~~

役所「国税庁のホームページにはこう書いてありました。」

イ 滞納者の過去の取引先も質問検査の相手方に含まれるか。
(イ)検討の必要性
例えば、所得税法第234条では、「納税義務者に対して債権債務があると認められる者又はあったと認められる者」というように、現在の取引先だけでなく過去の取引先も質問検査の相手方とされているが、徴収法第141条では、「滞納者に対して債権債務があり」というように、過去の取引先は相手方とされていないかのような規定になっている。しかしながら、滞納整理においても、過去の取引先に対する質問検査が不可欠であることは言うまでもない。

要約:国税徴収法第141条では、現在の取引先しか相手方とされないような規定になっているが、過去の取引先に対しても質問検査は必要だよね~
という大学教授の論文。

SU「退職者も含まれるということですね?」

役所「一応、国税庁のホームページには退職者も含まれる、と書いてありましたが、あくまでもお願いベースでございまして、お答えいただける場合は・・・ということで。」

つまり、国税徴収法第141条では、滞納者に対して、債権債務がある人には法的根拠をもって、質問調査できるけど、債権債務がない人(退職して、もう給与の支払いが終わった人)に対しては質問調査の法的根拠はあいまい ということです。

さあ、みなさんならどうしますか!?
かといって、給与の調査に答えないのは気まずい・・・。
そんな時は退職者に直接、連絡してみてください!!
「こんな調査が来てるけど、口座とか教えていい?」
(+ちゃんと社会人として払いなさい、と説教してもいいかもしれません(笑))
本人の許可を得た後であれば、退職者あっても堂々と給与調査に答えられるはずです!!

みなさん、税金の滞納にはくれぐれも気をつけましょう!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?