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とらねこの共同マガジン『トランスミッションⅡ』

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トランスミッションⅠのミラーマガジンです。脆弱性が報告されたため設置しています。🌱参加者100名、フォロワ数150名、3000記事以上が収録されています。🌱コンテンツを広めたい方… もっと読む
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#私の作品紹介

トランスミッションⅡ

とらねこ村へようこそ( ˘ω˘ ) ここでは、共同マガジン『トランスミッションⅡ』の説明をしたいと思います。 『トランスミッション』という拡散型の共同マガジンをしていますが、ありがたいことに参加者が600名を超えました! みなさんと一緒に作り上げたマガジンは、かけがいのない財産になっていると思います。 さて、今回作成した『トランスミッションⅡ』では、とらねこ村の仲間が広めてくれています。 ・note SE戦略室 遊月さん プログラマーのスキルを活かして、noteのバグ

便利屋修行1年生 ㉒報奨金 連載恋愛小説

1日の終わりに業務報告にいくと、所長に金一封をたまわった。 「え?ボケですか、これ」 ポチ袋を開けてみれば、すっからかん。 「引っ越しするんだって?敷金礼金任せなさい」 ボーナスと考えてくれていいと言われても、ピンとこない。 「なんでですか?愛人契約とかですか」 「なんでそうなる」 難しい顔をした沢口が所長室に入ってきて、腕を組んで壁ぎわに立つ。 「実は3カ月、試用期間のつもりで修行させてたのよ。オールラウンダーの慶につかせて」 契約書のどこにも、そんな文言はなかった。

Udio AI「SUNO AIを超えるポテンシャル?」その7 新機能紹介 + Super Pulser Sonic デビューEP

みなさんこんばんは! いやーnoteを大分さぼってました。1週間ぶりの投稿になります。 Udio 新機能 Udio-130小さいアップデートがありました。「Udio-130」 この機能を使うと、2分10秒の曲をワンクリックで生成することができます。 いままでは1回の生成が約32秒でした。 SUNOが最近アップデートで長い曲をワンクリックで作れるようになったようで、その対抗措置でしょうかね。 結論 あまり使わないかも 使ってみましたが、長いイントロが比較的多めに生成される感

いっときの気の迷い

寝られなくて 部屋の窓を 少しだけ 開けてみる 近くの 田んぼで ケロケロが ゲコゲコやっている それぞれ 勝手に 歌っているような みんなで ひとつの曲を 歌っているような 心地よく 寝られそうな 気にもなり 心地よく 聞き入って しまいそうな 気にもなり ケロケロになって 一緒に歌ってみようかな という気には かろうじてならず これからも ヒトとして 生きていく ことにする

便利屋修行1年生 ㉑うかつな彼女 連載恋愛小説

彼氏できたんなら連れてこい、と有無を言わさぬ命が下ったのは、3日前。 「キャラが濃いとは聞いてたけど」 悩みごとをふっとばすパワーのある彼女に、何人の子供たちが救われたことか。顔を見るだけでホッとできる、稀有な存在だ。 初対面の人間に品定めされる決して気分が良いとはいえない状況を、沢口はおもしろがってくれた。 「おもしろくない情報もあったな」 「なんのことでしょう?」 とぼけても無意味だとは、わかっている。 「ほら、私剣道やってたから、崎ちゃん勘違いしちゃって」 「ふーん

【創作】水霊の碁 第5話 決断の朝

※前回はこちら 第5話 決断の朝 5-1 「大変でございます! 浪士たちが討入りをしたそうです!」 内弟子の一人の大声で、策侑は起こされた。雪の寒い朝だった。道知の寝所に向かうと、道知は既に起きていた。不安そうな顔で、大丈夫だろうかと尋ねる。 策侑は、既に各所に正確な状況を調べるよう言ってあった。ここに被害が及ぶことはないと思うと伝えて、道知の小さな手を握った。 道知はほっとした顔で、唇を半開きにしたまま、策侑の肩に頭を載せ、もたれかかった。策

ペンギンへと続く道

その道は 南に向かって ひたすら のびていて ひたすら のびていて ひたすら のびている うわさでは 南極まで のびている らしい ほんとうなのか どうなのか 定かでは ない その道を ずんずん 行ってみた人に 出会うことが できれば その道の先に 何があるのか 何がないのか 行き着く先が 南極なのか 南極ではないのか 聞くことが できるだろう けど それを 聞いたからといって それで どうだというんだ その道の先に 何があるのか 何がないのか 南極なのか 南極では

便利屋修行1年生 ⒛謁見命令 連載恋愛小説

血は争えないかー、が伯母の第一声だった。 「探偵事務所でしょ?キケンな男ってことじゃない?あんたのお父さんもモトクロスのレーサーだったわけだし」 しばらく考えてからやっとふに落ちた綾の隣で、一拍早く息がもれた気配がした。顔には出さないが、天然家系だと断定されたにちがいない。 これだけは言っておきたいと真剣な眼差しの崎子に、空気がピリリと引き締まる。 「ウチのあや、想像を絶するモテっぷりだから。そらエゲツないよー?顔も中身もとびきりかわいいうえに、無邪気かつアンニュイ。男はた

ゆっくりでも、動いてるんだから、いいんじゃないのかな

黒いねこと 白いねこが じゃれあって ごろごろと 転がっている だからといって 灰色に見える わけではない ねこと ねこが 合わさったら ねこ色 と言うのさ ウチのねこが 得意気に言ってくる ねこ色なんて 聞いたこと ないけどなあ 軽く言い返すと まだまだ キミの知らないことなんて 山ほどあるのさ と、ウチのねこ ふーん そうやって ウチのねこから 世の中の さまざまなことを 教えてもらう そういう日々

便利屋修行1年生 ⒚鶴の恩返し 連載恋愛小説

口を開けば暴言になるのに、母は綾を手放そうとはしなかった。 今思えば、依存していたんだろう。 自分の不注意で事故を起こしてしまった絶望を、彼女はただ受け入れられなかっただけ。 当たり散らす妹をなだめすかし、今では伯母は同居して面倒をみてくれている。 「借りだらけ。恩人だらけ、ほんとに」 「そういう感性だから、手を貸したくなる」 交互に飲んだミネラルウォーターが信じられないくらいにおいしくて、綾はラベルを熟読してしまった。 「そういえば、あれどうなった?」 恩返しするという

ひとつぶ

柿の種 ひとつぶが 一日の 食事だったら だいぶ 節約できるなあ からだと 精神は ダメになるだろうけど なんてことを言って また ねこに 怒られる

あまりにも、かすかな光

映画やドラマをみても つくり話でしょ、と 妙にさめた目で みていたり 悲しい場面でも 泣くことが ほとんどない そのわりに 仕事なんかで つらいことがあったり きついことを言われたりすると すぐ、泣いてしまう 泣いてしまうのだけど 泣いているんだと 周囲に悟られないように ひたすら我慢する ひたすら 我慢する

便利屋修行1年生 ⒙キケンな安定剤 連載恋愛小説

なにかに押さえつけられたように体が重くなった理由は、分かっていた。 自分でも驚いたことに、綾はストーカーに母親を重ねてしまっていた。 バイク事故で早くに夫を亡くし、息子ふたりを身代わりのように溺愛していた人。 「兄じゃなくて私が死ねばよかったって毎日言われてて。すごい執念ですよね」 キャンプ帰りの交通事故。 母、長男、次男、長女のうち、半数がいなくなった。 部屋に家族写真が1枚もないので、沢口は薄々感づいていたらしい。 「そんなガチな話とは、想像つかなかったけど」 「母の

【短編小説】鹿ノ子

 ガヤガヤとした新学期初日。  春らしい暖かい気温のせいか教室にはすでに半袖の奴もいた。かく言う俺は長袖を着ていた。長袖は手を洗うたびに袖をまくらないといけないので、正直、面倒だ。半袖にすれば良かったと後悔した。  ガラリ。教室のドアが開いた。  一斉に静まり返った。 (……転校生だ!) (……珍しー、転校生だってよ!)  ヒソヒソ、コソコソ。茶色のランドセルを背負って茶色のキャップを目深に被った人が先生に連れられて教室に入ってきた。小声であちこちから感想が聞こえてくる