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売上最大化が唯一のゴールではない

【この文章は以下の文章のライトバージョンです。より詳細な議論はこちらでご確認ください】

網羅的で正確なデータがあることは当然ではない

今回はは、ビジネスにおける売上最大化のみが重要ではなく、データ収集とその活用がビジネスの成長と競争力の鍵となることを議論したいと思います。そもそも、データドリブンな経営、マーケティングを行うにあたり、正確で活用可能なデータが存在することが大前提になりますが、事業環境や組織文化次第で、それは当然のこととは言えない場合があるからです。

売上>データ収集の価値観の帰結とは?

オフラインのビジネス環境では、データの収集が課題となる一方で、営業部門が売上最大化に主眼を置く傾向があることが少なからず発生します。営業部門が売上目標を達成することを重視する一方で、データ収集は二次的な関心事となりがちです。なぜなら、特にパフォーマンスの高い営業人員にとっては、データを収集・入力することにより評価の上積みを期待することが難しいことが多いからです。しかし、このアプローチでは、データの収集が犠牲にされ、ビジネスの全体の中長期的な成長と効率性に悪影響を及ぼす可能性があります。

売上=データ収集という発想転換

営業部門の優先順位や評価基準を変更し、データ収集を促進することで、ビジネス全体がデータドリブンのアプローチを取ることは、事業のロジカルで継続的な改善活動に不可欠なものです。具体的には、営業部門の評価において、売上とデータ収集を同程度の価値として評価することが必要だと考えています。極端な提案に聞こえるかもしれませんが、データ収集と営業の成功は密接に関連しており、中長期的に考えればこの提案は理にかなったものだと考えています。このことは、キーエンスの事例からもその重要性が示唆されています。キーエンスは、受注見込みの正確な予測を行うことで、在庫の最小化するという精密なオペレーションを行い、営業の成功においてデータ収集が不可欠であることを示唆しています。

オフラインのデータ化で次のステージへ

営業部門の視点だけでなく、ビジネス全体のデータドリブンなアプローチを実現するためには、組織文化や評価方法の変革が不可欠です。そもそも、自社のパフォーマンスを計測するデータが取得できていない状態で、ロジカルで科学的なマネジメントをすることはできません。しかし、多くのオフラインビジネスにおいては、それは致し方ないものととらえられ、それを補完するために、属人的な知識や経験が重宝されてきました。しかし、会社全体のマネジメントをデータドリブンで行うためには、いかにして事業のオフライン部分のデータを収集するかを真剣に考えなければなりません。それにより、今まで見えてこなかった新しいステージにレベルアップ出来るかもしれません。

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