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結果責任重視はコンサバティブな部署を生む?

結果重視 VS 失敗の奨励


ビジネスの人材の評価における結果重視は客観的で正しい考え方であるように思える。しかし、そこには弊害もある。今回は、「結果責任重視」と「失敗の奨励」の二項対立を、議論の焦点としたい。結果責任は目標達成を重視し、評価が容易ですが、失敗の奨励は新たなアイデアや改善を促進する一方で、リスクも伴います。デジタルマーケティングの世界では、失敗から学び、素早く改善することが重要です。しかし、近年は結果責任や数値目標の重要性が高まっており、多くの企業がこれを優先しています。
 
一方で、デジタルマーケティングの専門家として長年活動してきた経験から、結果重視に偏りすぎることの弊害を感じることが増えています。デジタルマーケティングの成功には、小さな失敗を早く意図的に行うことが不可欠であると考えています。失敗を奨励できないチームでは、中長期的な成功が期待できないとの認識です。

結果重視のコンサバオペレーションの弊害

棒グラフ 広告宣伝費、折れ線グラフ 顧客獲得CPA


 
具体的な例として、デジタルマーケティングにおける投資と登録CPAの関係を示しました。成長市場で競争する企業が同様の戦略を取る場合、広告費の増加が収益を上回るペースで進むため、登録CPAが悪化する現象が生じます。このような状況に直面した企業は、常に改善を行わなければ、競争力を維持することができません。
 
過去の成功を維持するだけでは、将来の成功を確保することはできません。成功するビジネスは、常に改善し、新たなアイデアに挑戦することで成長します。そのためには、失敗を許容するマネジメントが重要であり、その失敗をどのようにコントロールするかも重要です。
 
結論として、結果責任と失敗のバランスを取りながら、企業は持続的な成長と競争力を確保する必要があります。失敗を許容し、学びの機会と捉えることで、より良いビジネス運営が可能となります。
 

失敗を正しくする3つのポイント


失敗に対するマネジメントのアプローチには、3つのポイントがあります。失敗の規模をコントロールし、失敗の速度を加速させ、失敗の内容にきちんと意図を持つという三つです。

失敗の規模をコントロールするには、小さな実験を通じてリスクを最小限に抑えることが重要です。特にデジタルマーケティングでは、広告予算を細かく分割し、小規模なテストを行うことで、失敗の影響を限定しやすい環境が整っています。また、部下に一定のテスト予算を割り当て、その枠内で自由に実験を行うことを許可することで、失敗を許容する文化を醸成することが可能です。
 
さらに、失敗の速度も重要です。PDCAサイクルを迅速に回転させることで、改善を加速させることができます。失敗からすぐに学び、新たなアプローチを試すことで、競争力を維持し、成長を促進することが可能です。しかし、失敗を防ぐために過度に慎重になることも避けなければなりません。失敗を許容する文化を築くためには、失敗の規模を小さく抑え、部下に安心して実験を行える環境を整えることが必要です。
 
また、失敗を意図的に行うことも重要です。失敗は、問題点や改善の余地を示す重要なフィードバックです。そのため、失敗を許容する場合でも、失敗の背後には必ず仮説や目的があり、その結果を検証するプロセスが存在する必要があります。意図を持って失敗することで、無駄な失敗を防ぎ、改善を促進することができます。
 
失敗に対するマネジメントのアプローチは、単に失敗を許容するだけではなく、失敗を活用して組織を成長させるための手段として捉えることが重要です。このようなアプローチを通じて、組織は変化に柔軟に対応し、競争力を維持することが可能となります。

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