データドリブン・コンサルティング

楽天、国内大手ゲーム会社、トライトと3社で20年以上CMO/マーケティング責任者を歴任…

データドリブン・コンサルティング

楽天、国内大手ゲーム会社、トライトと3社で20年以上CMO/マーケティング責任者を歴任してきた堀内公博が立ち上げたコンサルティングファームです。 マーケティング、特に、デジタルマーケティングに関する情報を発信します。本物のマーケティングを知りたい方にはきっと役立つと思います。

マガジン

  • 運用型デジタル広告のパフォーマンスを最大化する

    パフォーマンスマーケティングといわれる運用型デジタル広告のパフォーマンスを上げるための基本原則を突き詰めて考えます。現場でWeb広告の運用をしている方から、その組織をマネジメントしているCMOまで幅広くお役に立つコンテンツです。

  • マーケティング人材の育成

    優れたマーケターを計画的に育成することは可能だと考えていますが、実現には当然理解しなければいけない手法があります。ただ、それを理解し、実行しているマーケティング組織や企業は非常に誰だと感じています。マーケターの育成・強化に悩む経営者、CMOに参考にしていただければと思います。

  • 広告代理店と上手に働くために

    広告代理店と上手に仕事をするには、広告代理店を理解し、適切な業務を適切な代理店に依頼し、適切に伴走してもらう必要があります。広告代理店のパフォーマンスに不満がある場合に、代理店に文句を言う前に考えるべきことがあると思います。広告代理店のパフォーマンスに不満があるマーケのマネージャーやマネジメントにお勧めです。

  • マーケティング組織を整える

    マーケティングを企業として正しく行うためには、それを実行すための環境を整える必要があります。そのために考えるべきポイントを整理して解説しています。マーケティングが上手くいかないと悩んでいる経営者の方やCMOの方はご一読ください。

  • データを管理・分析する

    データドリブンマーケティングに必要不可欠なデータを管理・分析するうえで考えなければいけないことを議論します。特に、SIerやコンサル会社などでデータウエアハウスやBIツールなどを導入したけどなぜか上手くデータ分析ができないという悩みをお持ちの方にはお役に立てると思います。

最近の記事

メディアとのリレーション構築

日本のデジタルマーケティングは米国から1-2年遅れている広告運用やパフォーマンスマーケティングにおいて、Globalメディアとのリレーションシップは極めて重要です。ただし、このような関係を築くことは、ある程度以上の広告費を持つ企業に限定されるでしょう。日本と米国を比較すると、残念ながら日本の方が最新技術の導入において1-2年の遅れが見られます。これは、GoogleやMetaなどのグローバルメディアが日本市場にサービスを提供するタイミングの遅れが主な原因です。このため日本でマー

    • メディア・広告手法の紹介

      今回はデジタル広告の最後として、主要な広告メディアの紹介を私の独断と偏見からのコメントと共にしたいと思います。あくまで参考程度の情報として使っていただければと思います。 GoogleGoogleはパフォーマンス広告分野のリーダーであり、業界で圧倒的なトラフィックのコントロール力を持っています。なお、私自身はこの3-4年ブラウザ中心のマーケティング活動をしてきたため、アプリ系の情報は少々古いかもしれない点はご容赦いただきたい。 リスティング広告 Googleの広告優位性は

      • メディア毎の特徴を知る

        パフォーマンスマーケティングの概要については、理解していただけたと思います。次に、日常的な運用に必要な、主要な広告メディアや手法について説明します。私が媒体選定に際して注目する特徴は、以下の3点です。 メディアが保有しているデータを想像する 自分が獲得したいユーザーをメディアのAIがどう探そうとするか想像する メディアのAIの賢さのレベルを想像する メディアが保有しているデータを想像するAIによる広告最適化プロセスは、広告主の要件と目標に基づいて行われます。まず、広告

        • パフォーマンスマーケティングで競合に勝つためのマーケ以外の改善

          マーケティングのみの努力で改善できるのは短期施策であるパフォーマンスマーケティングの概要を理解していただけたかと思います。ただし、マーケティング部門は、短期的にはマーケティング施策を最適化することです業績の改善に寄与することが出来ますがが、中長期的には商品・サービス自体で競合との差別化を図る必要があります。特に、同種の企業が複数存在するサービスビジネスでは、この点が重要です。 自社サービスより改善された競合が出てきたときにどう対応するのか?具体例で説明するほうが理解しやすい

        メディアとのリレーション構築

        マガジン

        • 運用型デジタル広告のパフォーマンスを最大化する
          7本
        • マーケティング人材の育成
          8本
        • 広告代理店と上手に働くために
          6本
        • マーケティング組織を整える
          5本
        • データを管理・分析する
          6本
        • マーケティング戦略・オペレーションの構築方法
          6本

        記事

          日々の人材育成(OJT)

          研修や勉強会よりも重要なこと私は、人材育成について、研修や勉強会が重要な役割を果たすことは理解していますが、それだけに頼りすぎることには疑問を感じます。私の考えでは、日々の業務の中での経験や実践が、最も重要な学びの源であると思います。研修や勉強会で得られる知識や情報は、実践で活かすことができなければ意味がありません。日々の業務の中での学びをベースにして、研修や勉強会などの外部の情報や知識を取り入れることで、より効果的なスキルの向上が可能だと考えています。 日々の業務の人材育

          優れたデジタルマーケターになる資質とは?

          マーケターに育成できる人材を見極めるのは採用企業の責任前回までで、人材育成の一般的な考慮事項やマーケティングの基礎体力について述べてきましたが、デジタルマーケティング環境におけるマーケターに必要な資質には触れていませんでした。私は一流のマーケターになるには、特定の条件が必要であり、誰もが頑張ればなれるという楽観論には異議を唱えます。このため、採用時に正しいスクリーニングを行うことが重要だと考えています。もちろん候補者は採用後に日々の業務で最高のパフォーマンスを発揮する努力をす

          優れたデジタルマーケターになる資質とは?

          AI化が進むデジタル環境でのデータの役割

          デジタル広告で行われているAIとの対話前回までで、パフォーマンスマーケティングの基本的な考え方と実践法を詳細に検討しました。それにより、売上と利益を最大化するための適切なKPIを設定し、そのKPIを最適化するための広告運用アカウントのキャンペーン構成を作成し、AIに学習データを提供して機械学習を活用して広告のパフォーマンスを最適化する方法について学びました。これらの理解のもと、AI化が進むデジタル広告環境においてデータがどのような役割を果たし、マーケティングのパフォーマンスに

          AI化が進むデジタル環境でのデータの役割

          AI化が進むデジタル広告の運用実践法

          AI化が進む中で人間がやるべきこと最近、AI技術の進歩が目覚ましく、特にChatGPTの登場により、一般の人々もその利用価値を感じつつあります。しかし、私はデジタル広告業界で20年以上働いてきた経験から、AIが仕事に介入するという状況は以前からあったもので、特に驚くようなことではありません。 GoogleやMetaなどの大手企業では、広告の最適化にAIが利用されてきましたが、特に2017年にGoogleがUniversal App Campaign(UAC)を導入したことで

          AI化が進むデジタル広告の運用実践法

          パフォーマンスマーケティング

          パフォーマンスマーケティングとは?パフォーマンスマーケティングとは、デジタル広告を使用して顧客獲得を行い、売上や利益を最大化するための手法です。重要なのは、収益化可能性の高い顧客を適切な価格で獲得することであり、「売上・利益を最大化」「収益化可能な顧客」「適切な価格」の3点がキーワードです。以下では、この3つのキーワードのついて、詳細に検討していきます。 売上・利益を最大化するパフォーマンスマーケティングが売上や利益を最大化するため行われるという指摘は当然のことのように聞こ

          パフォーマンスマーケティング

          そもそも広告代理店に何を頼むのか?

          広告代理店が担っている役割とは?私の経験上、広告代理店出身者が事業会社に転職する際の主な理由は、広告代理店でのマーケティング活動と顧客の事業成長との直接的な関連性が見えにくいと感じているためです。広告代理店での業務は、通常、広告媒体の買い付けやデジタル広告の運用業務が中心です。彼らは広告の買い付け、運用を起点として、クリエイティブ制作やコミュニケーション戦略の策定、市場リサーチ、イベントの管理運用など、さまざまな業務を行っています。しかし、それだけでは、マーケティングを実施し

          そもそも広告代理店に何を頼むのか?

          広告代理店の力を最大限引き出す方法とは?

          まずは代理店の収益構造を理解して、正しい期待値設定を!ここまでで広告代理店について理解を深め、良い代理店を選定することが出来るようになったと思います。適切な代理店を見つけた後は、次に考えるべきは、彼らと一緒に実行するマーケティングのクオリティをどのように上げていくのかという点です。では、具体的に代理店との日々のオペレーションをどうマネジメントすればよいのでしょうか? 私は、社内の組織マネジメントは、代理店との業務に関しても同じように適用されるべきだと考えています。なぜなら、

          広告代理店の力を最大限引き出す方法とは?

          広告代理店選定のポイント

          広告代理店の種類やチームの構成、役割についての基本的な知識が整ったら、次は代理店を選ぶ際の考え方を説明します。まず、良い代理店を一言で教えてという質問は愚問です。なぜなら、完璧な代理店は存在しないからです。 その前提で、自社に合った代理店を選ぶポイントを整理しましょう。 自社の課題、目的にあった代理店を選定する 予算の規模にあった代理店を選定する 提案内容がよい代理店を選定する 営業をはじめとするプロジェクトチームメンバーの構成をみて選定する 自社の課題、目的にあ

          広告代理店の基本構造

          代理店と上手に付き合うには代理店の構造を理解しよう読者の皆さんもだいぶ広告代理店に詳しくなってきた気がしますので、いよいよ代理店選びの方法を教えるプレッシャーが出てくるのかと思いますが、選定方法を話す前に、もう一つだけ代理店の基礎知識についてお話します。それは広告代理店がどういう仕組みでクライアントと仕事をしているのかという基本構造の問題です。 まず、代表的であり、最も体制が充実している大手の総合広告代理店の仕組を例に話します。代理店ごとにネーミングが異なることもありますが

          広告代理店 タイプ別分類

          私もすべて知っているわけではありませんし、広告代理店で仕事をしたことがあるわけでもありませんので、実態と異なる部分があるかもしれませんが、広告代理店と言っても、実は様々なタイプの会社が存在しますので、代理店の基礎編としてタイプ別に代理店を説明します。 総合広告代理店 デジタル系総合代理店 パフォーマンス広告中心の代理店 メディア特化型代理店 新規手法系代理店 総合広告代理店日本で広告代理店といえば、電通、博報堂、ADKなどの主要な総合広告代理店を思い浮かべる方も多

          自社運用 VS 広告代理店

          どの広告代理店がいいの?広告業界ではよく、「どの広告代理店がいいですか?」や「インハウス運用と代理店運用、どちらが良いですか?」という質問があります。しかし、答えは「状況によります」です。問題や目標、キャンペーンの規模、スキルレベルなどを考慮する必要があります。過去の経験から、どちらを選ぶかよりも運用クオリティが重要で、パフォーマンスに影響を及ぼします。つまり、どの選択肢を選ぶにしても、パフォーマンスは運用の仕方次第なのです。 リスティング広告が生み出した自社運用という選択

          楽しく働く!

          苦行と思うより、積極的に楽しもう!人材育成において、成長速度を上げるためには、仕事を楽しむことが極めて重要です。私がなぜ20年以上もマーケティングの仕事を続けてきたかというと、単純にそれが楽しいからです。マーケティングは常に変化し、新しいチャレンジが待ち受けていますが、その中で自分のアイデアや戦略を試し、成果を出すことが何よりも楽しい瞬間です。 現代のマーケティングは、継続的なPDCAサイクルで成り立っています。このプロセスは、螺旋階段のようなものです。日々の活動が地味に思